修験道を歩く 新穂高〜黒部五郎〜薬師岳〜立山


- GPS
- 56:00
- 距離
- 49.2km
- 登り
- 4,541m
- 下り
- 3,197m
コースタイム
- 山行
- 7:55
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 9:15
- 山行
- 10:35
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 12:05
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 9:20
天候 | 1日目 晴れ時々曇り 2日目 曇り後雨と強風ガスガス 3日目 ガスガス雨風後曇りやや晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
復路 室堂〜扇沢の例のルートで乗り換え、バス、電車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
残雪 トレース分かりづらく道迷い 薬師〜北薬師 岩場強風時注意 雪慣れしてない人はアイゼン必要 |
写真
感想
残雪の修験道を歩くというコンセプトで新穂高から室堂に抜けるルートをチョイス。
本来三泊四日間が望ましいのですが急ぎ足の二泊三日で。
前日
アルプス行くなら毎度おなじみの毎日アルペンを利用。楽。
1日目 雷鳥1
新穂高の登山指導センターで登山届けを提出し行動開始。トイレ渋滞。
1日目は小池新道から三つ叉蓮華、黒部五郎のルートですが、小池新道の道中の水場は水が豊富で残雪トレースも良く踏まれており問題なし。
双六小屋から双六岳は雪のため直登ルートと巻き道ルート閉鎖中でした。中道ルートから山頂に向かう春道ルートがあります。
2-3日目の体力温存のために今回は双六はパス。
三つ叉蓮華から初の黒部五郎へ。曇り気味の天気なれどもガスがなく見通しが良いため残雪のトレースは分かりやすかったです。
また、五郎小舎の方がポイントポイントで丁寧に目印を置いているというありがたさ。こういうサービスがにくい五郎小舎。
途中、雷鳥くんに出会い天気の悪化を予感しつつ五郎小舎へ到着。テントを張り、薬師方面から来た人達と情報交換しつつ1日目終了。
カールコースは木立の間の残雪を歩く。薬師残雪が多く、薬師〜北薬師の岩場がやばそう。とのことでした。
2日目 雷鳥4
まずはカールコースから黒部のゴローちゃんに会いに行きます。情報どおり木立の間の残雪があったりしますが、ここでもにくい五郎小舎の目印登場でありがたくトレース使わせてもらいます。
カールで朝焼けを狙ったのですがあいにく曇りでした。それでもカールを堪能しつつゴロー山頂へ。
黒部五郎は微妙なルート上にあり地味なイメージ持ってましたが、見上げる五郎カールは素晴らしい威容で日本とは思えない光景でした。ここはスイスかカナダみたいな。
太郎平からピストンだけする人は実にもったいないことをしてると思います。
ピークハント後は薬師方面に進みます。が、北ノ俣でお腹が緩くなってきました。
2日目にして大変な事態です。急ぎに急いで太郎小屋まで進みトイレを拝借(急ぎの道中またしても雷鳥くん登場)。小屋に近いタイミングで本当に助かりました。
不帰の天狗山荘でもそうでしたが、小屋の水を沢山飲むと時々緩くなりがちなのが困ったところ。常備薬の正露丸パワーでしのぎつつ、薬師に向けて準備し挑みます。
薬師のテント場からゴーロ状の急登を越えて事前情報通りの長めの残雪を越えて薬師平へ。またまたしても雷鳥くん出現(2回連続)。今までの雷鳥天気予報は的中率100%なので、今後どれだけ天気が荒れるというのか。確かにこのあたりからガスガスな天気になりました。
薬師小屋のそばでは10mクラスの西風が常に吹くようになり、薬師小屋で雨具装備に変更。ここでもトイレを利用し(300円)、山頂へ。
寒さのせいか、疲労のせいか、お腹のせいか、高度のせいか。このあたりから妙に足が進まなくなります。だいぶ疲労しつつ山頂到着。スゴまで行くとそのままやり切るしかないので、ここで進退を検討します。
風速的には十分耐えられること。常に西風のため注意しやすいこと。ちょっと歩いた限りそれほど峻烈な岩場でないこと。お腹の調子は何とかもちそうなこと。時間的には行動タイムリミットの16時に間に合うこと。から北薬師を越えることを決定。
薬師〜北薬師の岩場は八峰キレットより楽でしょうか(薬師側は谷川のオク〜一ノ倉並み、北薬師側は八峰キレットもどき並み)。
スゴ方面からすれ違った登山者はストック使ったりする位でした。ただガスガスで先が見えません。
薬師〜北薬師は尾根を東西にうねりながら北上するルートですが、しょっちゅう道を見失っては立ち止まり、元に戻りを繰り返します。
だいぶ集中力切れてきた事を感じつつ山頂へ。予定時間をかなりオーバー。
北薬師からスゴまでは残雪がいくつかあります。ガスガスと疲労で集中力が切れたらもうトレース見つけられません。岩場に引き続き道迷いを繰り返しつつ、よろよろ下ります。ぽつぽつだった雨も強くなる一方で何だか悲しい気持ちになりながら時間いっぱいでスゴ小屋へ到着。
こんな天候と体力でテントを張れるわけもなく、お腹の具合を良くするためにも夕食付き小屋泊を選択。
スゴ小屋はこじんまりとしてますがこれぞ山小屋という雰囲気で小屋番さんもアットホームな感じでした。
太郎や薬師に比べてここを利用する人は少なけれど、利用する人=かなりの山好きというのがこの小屋の雰囲気を作ってるのも一因かもしれません。
カレーはスパイスが効いた本格的なエスニック系で間違いなくおすすめです。
私を含め3人の泊まり客でわいのわいのと情報交換して2日目終了。
3日目 雷鳥2&雛鳥
お腹の調子は相変わらずいまいち。雨も降ってましたが出発します。
3日目のコースはタイムがおおむね予定通りでしたが、初めのスゴ乗越〜スゴ頭が鬼門でした。
スゴ乗越は広めの傾斜に残雪が一面についてました。そこへ雨脚がいきなり強くなったので慌てて斜面の木陰に待避したのが失敗の始まり。
ガスガスでトレースを見失い、それっぽい道と思って偵察したらあれま獣道。ブッシュにはまりかけて予定時間を超過。気を取り直して偵察を続けてようやくトレースと頭への登り口を発見。微妙に笹に隠れてたからパッと見で分からなかったのか…
スゴの頭への登りは岩の急登が続きます。傾斜が緩くなり山頂かなと思ったらゴーロが登場。
元々ゴーロ歩きは苦手ですが、雨の日のゴーロは非常に危険で良く滑ります。
やる気がストップ安になりかけたところで、ようやくスゴの頭に到着。
ほうほうの体で越中沢への下りで今日の雷鳥くん登場。丸々とした体に癒やされてやる気復活。越中沢岳への登りに取りかかります。
越中沢岳は事前情報でも岩が多いと聞いてましたが、雨がちょうど止んできたこともあり気合いで押し通りました。
越中沢岳からは残雪混じりの斜面を一度下ってからの鳶山(鳶「とび」読めませんでした)への登り。風の来る西側がハイマツバリアで覆われているので安心して歩けます。
ダラダラ登りを飽きつつ登り切ると木道が登場。ついに五色沼のテリトリーに入りました。
五色山荘周辺もまだ残雪が多く、木道の上に雪が積もった状態になってたり。
ここの木道、凹部に時折滑り止めのブロックが配置してあり、五郎小舎同様にくい心遣いを感じます。
五色山荘で行動食を取りつつ相変わらずトイレを拝借し(100円)、立山入りを目指します。
ザラ峠から獅子岳は標高差から見ても3日目の行程のキモといえます(とは言えこちらに意識がいっててスゴの難易度を見落としてました)。
初めは砂利混じりの九十九折りを登ります。中腹から石混じりになり、山頂に近づくに連れて岩登り気味の斜面になります。
それにしても、獅子と名のつく山頂や岩場はどこも似た顔をしている。険しい岩稜部分がたてがみを思わせるのか?
そんな獅子岳をやっつけて鬼岳トラバースへ。鬼岳東面からコース地図にも残雪注意とあるくらいに、もりもりな残雪を登ります。
トラバースも長いので歩きなれてない人はアイゼン必須でしょう。
鬼岳を越えて最後の壁の竜王岳の登りに取りかかります。
獅子岳とちがい、初めから岩岩気味の斜面を気合いで登り切ると富山大学測候所が見えます。ようやく立山入り。ここから見る立山連峰は何だか涙が出てきそうな光景で、古の(現代の)修験者も同じような気持ちなのかなと思いをはせながら時間が止まったような光景を眺めてました。
何でも大日三山から劔、立山連峰、スゴを越えての薬師岳というエキスパート修験道があるという話です。修験者目指してるわけではありませんが、山を愛する人間として一度はやってみたいなと思いつつ室堂ターミナル到着で今回の旅は終了。
特に残雪の道迷いを多発して失敗気味の山行でしたが次回に活かせればと思い今回も無事に下山できてお疲れちゃんでした。
※残雪は歩くのが正解のところもあればかわすのが正解のところもあり難しい(こればかりは何とも言えない)
※人が少ない道はトレースが雨で削られてスプーンカットと同じになってるのも判断が難しい(足跡、ストックの穴、踏み抜き穴、土汚れ等から判断)
※ちょっとでも怪しいと思ったらすぐに立ち止まって地図とコンパスをよくよく見ること(毎度備忘録として書いてる気がする…)
悪天候・人の少ないルート上の残雪ルーファイは積雪期並と考えるべき。あと正露丸最強。
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