重荷を背負って五色ヶ原 テント泊&山スキー #73, #74


- GPS
- 28:04
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 2,461m
- 下り
- 2,455m
コースタイム
- 山行
- 4:35
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 5:31
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
立山室堂山荘
|
写真
感想
さて8月に入って白山の山スキーも限界が来て、いよいよ立山での山スキーのシーズンに入りました。一般的には4月下旬にアルペンルートが開通すると山スキーヤー、ボーダーが集結するのですがその頃は白山での山スキーに忙しく、立山に来るのは7月8月に入ってからになります。
立山のテント場もある程度限られるのですが、今回は初めて五色ヶ原のテント場に行ってみることにしました。ただ懸案は五色ヶ原周辺で山スキーできそうな場所はなさそうで、仕方がないので室堂から少し歩いたところに雪渓があればそこを滑り、そして鬼ヶ岳の雪渓横断を意味がありそうならスキーで滑る〜ってことを胸に秘めて、背中にはテント泊装備とスキーを背負って向かいます。
浄土山へのルートのところで、さっそく遊歩道と雪渓がつながっているので、ここは兼用履に履き替えて空身でスキー担いで登って一本滑りました。これこそ本来の山行とまったく関係ない滑りになるのですが、今のうちに滑っておかないと五色ヶ原に着いてからではスキーできるかどうかわかりませんので。
浄土山への登りはテント泊と山スキー装備の重さが堪えます。といいつつ視線は「あの雪渓にはアプローチできるかな?」なんてことを考えながらという不謹慎さ?です。
白山ほどではないですが立山でも「スキーですか?」という質問をよく受けます。かっこよく「平蔵谷を滑ります」なんて言えればいいのですが、「その辺の雪渓でちょっとだけ」なんて答えしかできません。ともあれ今日のノルマは果たしているので一つ一つピークを乗り越え、五色ヶ原に向かいます。正直なところスキー板とブーツは室堂にデポしたいところですが、もし途中に雪渓があると激しく後悔するので(笑)スキーをデポするという選択肢はありません。幸い?鬼ヶ岳の雪渓をスキーで滑れたのは大満足でした。
五色ヶ原山荘でテント場の手続きをし、テント場まで下ります。テント場はチングルマに囲まれた素晴らしいロケーションで、水は沢の水場が用意されており、トイレはヘリでの汲み取りなのでニオイはしますが洋式便座で洗い流しスプレーが装備されていて快適でした。
夕飯は定番の焼餅を味噌汁に入れるお雑煮で、お餅の焦げ目が最高です。ほどなくして外も暗くなると、素晴らしい星空鑑賞タイムです。しばらく星空に見放されていたのでちょっと感動ものでした。
今はちょうど火星の大接近ということで、南の空に火星がオレンジ色に輝いています。最近は火星探査や人間を送り込む計画などで盛り上がっています。また地球外に知的生物がいるのではということでメッセージを送信したり、何かメッセージが届いていないか受信している活動も盛んです。
宇宙というのは圧力も物質も温度もない「虚無」の状態が基本です。つまり真空で温度は絶対零度、-273℃の環境のところに、この地球や火星、太陽がポツンと存在しています。主に太陽の活動のもと、地球の地表は絶対零度から300℃くらい高い温度でようやく27℃という気温になっています。これが1%高くなると303℃で気温30℃、10%高くなれば57℃にもなる、かなり絶妙のバランスで成り立っているわけです。このところの北半球での猛暑は、この程度の猛暑は宇宙から見れば誤差範囲であるということが伺い知れます。
また宇宙はビッグバン以来拡大し続けているというのが通説ですが、虚無の環境というのは数字で言えば0で、それで除算すれば答えは無限大になります。つまり本来虚無の宇宙空間というのは無限に存在する・・・虚無だから存在するという表現はおかしいのですが、0はいくら足しても0のまま、宇宙空間は虚無だからこそ無限であるのではないかと思えてきました。五色ヶ原のテント場で輝く火星や北斗七星を眺めていると一筋の流れ星、長年もやもやとしていたことに一つの答えを見たような気がします。
真夜中にアラームをセットしてもう一度星空観察をしてみましたが、月が出てきたためにすっかり明るくなってその希望は叶いませんでした。
翌朝はアラームの設定をミスって4時に起きるつもりが4時45分になってました。朝食もやはりお雑煮で、テントを撤収して五色ヶ原から平の小屋を目指します。ここは基本下り基調で、ザックの重さをそれほど負担にしなくても済みます。もしかして雪渓があればスキーしたい・・・という期待も打ち砕かれ、そのまま刈安峠を通過して標高を下げ、平の小屋に到着します。
平の小屋からはダム湖沿いの水平歩道のように思えますが、実際には木製のハシゴが無数に存在する際どいルートで、とにかく細かなアップダウンの連続となります。五色ヶ原から黒部ダムまで行くには結構な覚悟が必要です・・・ってスキー背負っているから重すぎるためでもありますが。
幸い大小さまざまな沢を横断しますので水場には事欠きません。ザックが肩に食い込むし、ハシゴの登りはとにかくハードで、しょっちゅう休憩を入れてしまいます。ロッジくろよんで冷えた自販機でサイダーを飲めば、あとは遊歩道を歩いて黒部ダムに到着です。
黒部ダムからのケーブルカーは今回が初めてですが、トンネル内の冷たい空気が印象的でした。そしてロープウェイ、今年が最後のトロリーバス、しめて4320円と高額な運賃で室堂まで連れて行ってもらいます。
室堂からはそのまま高原バスで帰りたいところですが、今日はまだスキーで滑ってないので、わざわざ浄土山のところの雪渓に行ってスキーで一本滑りました。これで締めくくりよし、今回のハードな山行も無事に終えて高原バスでは爆睡し、ケーブルカーで立山駅に降り立ちました。
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