白馬岳 坂の上の霧

- GPS
- 13:07
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 1,340m
- 下り
- 1,943m
コースタイム
5:45栂池山荘 - 6:45天狗原 - 8:40白馬大池 - 11:00小蓮華山 - 12:00三国境 -
13:00白馬岳 - 13:30白馬山荘
7月12日
10:20白馬山荘 - 11:50岩室 - 13:50白馬尻小屋 - 15:20猿倉
| 天候 | 7月11日(木) 晴れ後曇り(霧)上部強風 7月12日(金) 曇り(霧)時々晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
栂池高原(ゴンドラ&ロープウェイ)〜栂池自然園 帰り:猿倉(タクシー)〜八方バスターミナル(高速バス)〜新宿〜自宅 特急バス長野-白馬線:http://www.alpico.co.jp/access/express/nagano_hakuba/ 栂池パノラマウェイ:http://www.nsd-hakuba.jp/green/tsugaike/panoramaway.html |
写真
感想
梅雨明け後の山行を狙っていたところ
7月6日に関東甲信が梅雨明けとのニュース。
平年より15日も早く、その後の連日猛暑続きで
早く行かねばと焦り気味に白馬三山縦走を計画。
当初予定
初日:移動 栂池山荘泊
2日目:栂池自然園〜白馬大池〜小蓮華山〜三国峠〜白馬岳〜白馬山荘
3日目:白馬山荘〜杓子岳〜鑓ヶ岳〜不帰キレット〜唐松岳〜唐松岳頂上山荘
4日目:唐松岳頂上山荘〜八方(ロープウェイ)下山後帰京
実際
2日目迄は当初予定通り
3日目:白馬山荘〜頂上宿舎〜葱平〜白馬尻〜猿倉
(梅雨前線が消えた訳ではなく、
北陸地方は梅雨明けしていないことを
過小評価していたのがアダとなりました。)
11日(木)
早朝、晴れてはいるものの白馬三山は雲に覆われており遠望は利かず。
5:45 栂池山荘出発。
ここからの樹林帯の登り道で大量のアブ・ブヨ・蚊による
執拗な連続攻撃に遭い剥き出しの顔・首に多数被弾。
天狗原迄の1時間は制空権を失った戦艦に群がる無数のグラマンの様相。
唯一の防衛手段である虫よけスプレーでは全く歯が立たず。
樹林帯を抜けると漸く吸血昆虫の攻撃が収まり残雪地帯へ。
マークに従い慎重に登る。ここではアイゼンを使用せず。
白馬大池から船越ノ頭迄は今回の山行では最も天候に恵まれる。
見下ろせば白い残雪に縁取られた白馬大池の湖面が碧く輝き、
足元は白・黄・青・紫等様々な高山植物が可憐に咲き誇り、
見上げると尾根伝いに稜線が伸びておりそれは雲へと続いている。
小蓮華山への途上、前方約3メートル先に雷鳥が佇んでいる。
熊避け鈴を鳴らしていたにも拘わらずのんびりしたもの。
そっとポケットからカメラを取り出しシャッターを切る。
何故か過去の山行では会いたくても会えなかったのに。
出会いは突然。
(昨夏の槍ケ岳では会いたくはなかった熊に遭ってしまいましたが。)
11:00 小蓮華山
既にガスっており白馬岳山頂は見えず。
風も次第に強くなる。
ごく僅かな擦れ違った登山者の中である方より
「三国境の向こうは風が強いから気を付けて」とのアドバイス。
ここで防風&防寒用にレインウェアを着用。
風は強くなる一方で、ガスも濃くなる。
所々に印された○×マークを視認し、
マーク通過毎に歩数計算を開始。
(○マークと次の○マークの間隔が長いところで約120歩だったので、
150歩で要注意・200歩で引き返すと設定。
実際にはルートミスは無かったので引き返すことはありませんでした。)
僅かな窪地では地図を取り出して確認し、
風の合間で微かに見通しが利くところでは
目標物と方角を確認する作業を繰り返す。
(通常コンパスも持参しましたが、
腕時計内蔵の電子コンパスを利用しました。
便利です。標高も把握出来ましたし。)
13:00 白馬岳山頂
漸く登頂。
相変わらず濃いガスで何も見えず。
風も強い。
誰もいない。
長居は無用と先を急ぐ。
通常10分で着く筈の白馬山荘がガスで見えない。
方角は南南西で間違いない筈なのだが。
GPS(Garmin)を取り出して確認するもやはりルートに間違いは無い筈。
そこにある筈なのに無い。
何故???
僅かにガスが切れたらすぐ目の前に大きな山荘が姿を現す。
13:30 白馬山荘
受付後、レストランで生ビールを一杯。
明日以降のルートを再検討。
5:30 夕食後就寝
(宿泊客が少なかったからでしょうか
個室を一人で利用させて頂きました。深謝です。)
12日(金)
4:30 起床
昨夕やや持ち直した天候は再び悪化し、濃いガス&強風。
この気象条件では天狗の頭以降の難易度の高いルートの通過は危険と判断し、
下山ルートは大雪渓ルートと決定。
但し、実際の下山は天候回復待ち。
(山荘の方から白馬鑓温泉経由は(未だこの時期は)
危険だから止めるべきとのアドバイスも頂きました。)
7:30
この時点でもガス&強風に変化がないので、もう一泊延長の手続き。
部屋で本を読んでいると、9時半頃
「ヘリコプターが到着します。準備して下さい。」
とのスタッフ向け館内放送が流れる。
『ヘリが飛ぶということは・・・』と外を見ると何と霧が晴れてる!
『下りるなら今でしょ。』
慌てて今晩の宿泊をキャンセルさせて頂き、
(白馬山荘の皆様方、宿泊予約直後のキャンセルとなってしまいまして
ご迷惑をお掛けしました。申し訳ございません。)
10:20 下山開始
小雪渓でアイゼン装着。
慎重に渡れば問題無し。対向者には注意。
渡りきったら一旦アイゼンを外して暫し下り大雪渓へ。
再びアイゼンを装着。
(落石危険回避の為、14時以降大雪渓入山禁止というルールがあります。)
大小の石や岩があちこちに散らばっており、
こんなのに当たるのは御免被ると先を急ぎたいのだが、
爪先の圧迫痛に加えこれを庇おうとした脹脛も痛めてしまい
完全に足が止まってしまう。
イッチニッ、イッチニッとリズム良く歩を進めたいのだが実際は
イーチ、ニー、フー、フー、イーチ、ニー、フー、フーというペース。
事前にはあれだけ恐れていた落石だが、
『一発喰らえば楽になるかも』と頭によぎる。
『痛いのは気のせいだ』というマラソンでは稀に利く
自己暗示を試すも全く効果無し。
漸く雪渓の下端辺りに小屋らしきものが見えてくる。
『(ゴールの)猿倉であってくれ!猿倉であって下さい!お願いします!』と
何度も何度も何度も祈る祈る祈る。
ナポレオン何某よ、『願いは叶う』というのは嘘だ。
13:50
辿り着いた小屋は白馬尻小屋。
スタッフに伺うと「猿倉はもうすぐです。一時間で着きますよ。」とのこと。
『一時間で』が重く心に圧し掛かる。
15分歩き5分休憩を4回こなそうと下山再開。
ザックが肩にくい込み
足取りは思うに任せず
身も心も思い。
やがて山道から林道へと道が姿を変え
ただひたすらに『ビール、ビール、ビール』と唱え続けていると
眼下に何台かの車が目に入る。
猿倉駐車場。
通りかかったタクシーが止まってくれて
先に乗車していたカップルに相乗りさせて頂き
ここで今回の山行は終了。
15:20
(台湾から旅行に来られたカップルの方々、
お心遣い痛み入ります。)
八方バスターミナルでタクシーを下車。
最寄りの温泉『第一郷の湯』で汗を流す。
ローソンでキリンクラッシックラガーを購入。
喉を潤す。
生き返る。
17時発新宿行き高速バスで帰京。
反省点等
爪先を痛めてペースダウンを余儀なくされたことが失敗です。
2月の西穂以来の山行で間隔が開いてしまい
足が靴に馴染まなかったのか、紐の締め方が悪かったのか、
歩行フォームが悪かったのか?
かつて今回と同じ登山靴を履き高尾山で雪山練習をした際にも
同じ症状に見舞われましたが、
その後の槍や西穂では大丈夫でしたので
この問題はクリアーしたものと思ってました。
残念です。
行動計画と状況に応じた計画変更、
先を見越したウェアリング、
コンパスを多用したルートファインディングに関しては及第点でしょうか。
(これまでのMの指導のお陰ですね。有難う。)
小蓮華山から白馬岳にかけての稜線は想定外の濃霧&強風でした。
やり過ごせる窪地は三国境以外には無いのでは。
夏場でも更に雨に降られればかなり厄介になるでしょうから、
万全の装備で臨んで下さい。
暴風の中ではザックからレインウェアを取り出すことも
困難となりますので早め早めのウェアリングが肝要かと存じます。
栂池山荘・白馬山荘の皆様方、お世話になりました。
同宿の皆様方、楽しいひと時を共有させて頂き有難うございます。
山でお会いした皆様方、これからも元気で山行を楽しんで下さい。
Palau











白馬大池から小蓮華までの稜線がきれいですね。
Altさん、返信が遅れまして申し訳ございません。
難行苦行の白馬となってしまいましたが、これも勉強ですね。
かつて初マラソンの際、(足を痛めた八ヶ岳山行を念頭に)『八ヶ岳よりは苦しくは無い』と自らに言い聞かせて走りましたが、これからは『白馬よりはマシ』と唱えようと思います。
そういえば今の軽登山靴を買うときに、吉祥寺の山幸の店の方は爪先の空き具合をとても気にしていて、私がぴったりと思った靴より0.5cm大きいサイズを勧められました。
私も足の爪には苦い思い出がありまして、私の場合はスキー靴だったのですが、学生時代に「小さめサイズの靴の方が靴の中で足が動かなくて良い。」と、教えられて痛いのを我慢していたのですが、だんだん両親指の爪が紫に変色し、とうとう両親指の爪がポロリと取れてしまいました。その後爪は生えてきましたが、変な形になり現在に至ってます。
今思えば山幸の店の方は爪の心配をしていたんでしょうね。足の痛いのは本当に辛いですからね。
ところで、白馬の大雪渓の下りは辛いですね。私も去年思いました。以前登ったときには大してキツくなかったので下りを甘く見ていました。
一年半位前に都内で雪が降り
雪山&アイゼン練習に高尾山〜陣馬山へ行った際
初めて足の爪の内出血を経験しました。
爪の色が赤→赤紫→青紫→黒へと変色し
3ヶ月後位にポロっと取れて
その後新しい爪がゆっくり生えてきました。
11月に予定しているフルマラソン迄には
しっかり生え代わって欲しいと思います。
おっしゃる通り大雪渓の下りは辛かったです。
当初の計画で大雪渓を避けたのは落石が怖かったからですが、実際には落石の恐怖より現実の足の痛みの方が厳しかったですね。
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