「ラストフロンティア」伊藤新道から鷲羽岳


- GPS
- 21:00
- 距離
- 45.6km
- 登り
- 2,901m
- 下り
- 3,092m
コースタイム
- 山行
- 2:29
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 2:32
- 山行
- 8:51
- 休憩
- 3:23
- 合計
- 12:14
- 山行
- 5:26
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 6:07
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
伊藤新道 湯俣〜赤沢 吊り橋は3つあるが基本的には適当に徒渉していくこととなる。靴をぬらさずに行くのは至難の業。沢靴を持ってきてザバザバするのがいいだろう。フェルトで特段困ったところはなかった。 赤沢より上はしっかり刈り払いされていて、普通の登山道といっても差し支えない。それでも刈り払いがなければ藪漕ぎは必至。三俣山荘の方々ありがとうございます。 |
写真
感想
10年以上前のヤマケイ登山地図には廃道としてかろうじて記載されていた伊藤新道、上流に硫黄尾根を有しそこから流れ出る硫黄分で魚も住まず、吊り橋も硫黄分にやられ朽ちていくという湯俣川を遡行するというそのロケーションに当時中学生だったころからかなり魅力を感じていたが、まあ北アルプスで廃道ってことは自分には無理だろうなぁということでいったんは忘れていた。
ところがどうやら最近は三俣山荘が自ら「北アルプスのラストフロンティア」と称してこのコースの復興を試みていたらしく、湯俣川以外の区間はほぼ道が復活し湯俣川にも何個か橋が架かったりしているらしい。さらには来年には避難小屋も建てられるときて、これなら沢登りの経験を多少積んだ今ならイケるのでは……?と思い、10年越しの悲願を達成しに行った。
快晴の下高瀬ダムに降り立ち初日は湯俣まで。高瀬ダムの水量は大分少ないみたいだが、湯俣に近づくとさすがに本流という感じでそれなりに流れていた。初日は手前の河原でお湯を触って熱っ!となったりするくらいにとどめておく。
2日目、いよいよ伊藤新道に突入。徒渉は腰くらいまでで済む程度の水量だったがさすがに本流だけあって水勢はそれなり。噴湯丘を拝んだ後本流をジャバジャバ適当に行ったり来たりしながら進む。今回の水量では通過困難なところはなかったし、吊り橋も使わなくても徒渉できる感じだったが、もうちょっと水量が多いと徒渉も考えてやらないといけないのだろう。しかし北アルプスで本流遡行をしているというだけで最高にわくわくするロケーションである。
湯俣からしばらくは両岸切り立った圏谷だが、第2吊り橋の先で一気に開けた河原となり快晴の青空が一気に広がる。もう最高。ワリモ沢出合で幕営しているテントを見かけたりしながら進む。ワリモ沢を越えたあたりからまた両岸切り立ってくる。次に少し広がったところに第3吊り橋があり、正規の伊藤新道はそこから尾根に出るらしいがせっかくなので赤沢まで湯俣川を追うことにした。赤沢手前で右岸に細い滝を架けながら岩盤が屹立する非常に格好いい光景を拝めた。
赤沢から尾根に上がるポイントはマーキングがしっかりされており見落とさない。そこから先は道も明瞭についており、普通の登山道という感じだった。少し登ったところから見下ろす湯俣川本流と硫黄尾根、その後ろに隠れる槍ヶ岳の光景は展望台と銘打って宣伝するだけの価値はあるなという感じだった。
沢登erあるあるの沢を出た後のバテバテ化現象に見舞われつつも、左手に広がる北アルプス最高の眺めに励まされつつトラバース道を通って三俣山草に正午頃に到着。伊藤新道およそ7時間の旅路、最高に楽しいバリエーションルートだった。
三俣のテント場は爆混みであり平らな場所を探すのも一苦労だったがなんとか確保。小屋でちょっとゆっくりしたあと鷲羽の山頂だけ踏むことにする。ここから先は15年程前、当時中2だったころに折立→新穂高の3泊4日テント縦走でたどったルートの後半である。この縦走は中2の北アルプス経験としては言うまでもなくかなり過酷なものであり、三俣峠でへたり込んでしまい路傍で寝落ちしたり、水晶岳で落石を蹴落としそうになったりとかなりしんどかったのだが、その分多感な中2の性癖を大きく歪めたことは間違いないものだった。そんな当時の思い出に浸る余裕があったかどうかは微妙なところだが、15年ぶりに踏んだ鷲羽岳はギリギリガスをかぶらずにいてくれた。
3日目、この日は新穂高温泉への下山。濡れたテン泊・沢登り装備がずっしり肩に食い込む。巻き道ルートを進む(三俣蓮華・双六の山頂を踏む日はあるのだろうか……?)と双六小屋手前で日の出を迎えた。15年前はガタガタ震えつつ日の出を待ちわびていたのだが今回はさほど寒くなかったのは気候のおかげか、時期の違いか、はたまた15年間で身についたミートテックのせいか?w
ここから先は進みつつあっなんかこの光景見たことある、みたいなノスタルジーに随所で浸っていた。ただそれより肩に食い込む重荷から早く解放されたいという一心で小池新道をシャカシャカと下り、新穂高温泉の中に吸い込まれていったのだった。
☆伊藤新道、沢靴+濡れる準備くらいは必要だが非常に楽しいバリルートだった。三俣山荘の皆さん整備ありがとうございます。人間にも思いのほかたくさん遭遇したし、通行者も結構多いらしい。ただ、湯俣川区間に関してはこれ以上整備しないでおいたほうが楽しいルートになるんじゃないかという気がしなくもありません。
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