黒部横断 扇沢〜黒部湖〜御山谷〜立山駅


- GPS
- 32:53
- 距離
- 43.1km
- 登り
- 3,397m
- 下り
- 3,904m
コースタイム
- 山行
- 12:37
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 13:22
- 山行
- 11:14
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 11:15
天候 | 1日目晴 2日目晴・ガス強風 3日目晴強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | ガス消費量130g |
写真
あまり冷え込まなかったせいか、昨日よりも、湖が溶けてた。黒部湖上にのるのに、スキーでプチウォータースライダーした。もっちーはツボ足でいって、足を水没させてた。。(と
ブーツは両足水没(も
二回目の崩壊の後、ツエルトにしようかと外を整地してみるが、風強く雪もすぐに吹きだまる感じで断念した。(と
風が強く屋根が削れて無くなりとんでもない量の雪が吹き込む
2回目の工事が終わったのは10時過ぎ
必死で掘りまくって吹き込む雪も相まって全装備ずぶ濡れ
エアマットは前日パンクしたので雪の上にびしょ濡れのシュラフでブーツ履いたまま入り眠れぬ夜を明かした(も
夜は明けるにつれて雪洞の中が青白く明るくなる
こんなにも朝が嬉しくなるのはいつぶりだろうか。
長い夜がようやく明けた。
雪洞は飛雪により完全埋没
薄いであろう側面をスノーソーでカットし出入り口を作り板や装備を掘り出す。
爆風ながら快晴で周囲の山は白く輝く。
写真を撮る余裕はなかったがしっかりと目に美しい山々が輝く姿を焼き付けた。(も
コル直下は風が弱くまるで楽園かの如く平穏であったが標高が上がるにつれて巨大な風紋が現れ次第にカチカチ氷が出現。
進退窮まる状況だったがお互いに黙々とシートラに切り替えて決意を決めて爆風に立ち向かう。
気を許そうもんなら数十メートルは風に飛ばされるであろう爆風
クワガタムシの如く地面に這いつくばいながら進んだ。
ここを越えなければ帰れない。
コルから少し降ったあたりで風は弱くなり生きた心地がした。(も
装備
個人装備 |
ザック
行動着
ハードシェル
防寒着
帽子類
手袋類
ブーツ
ヘルメット
滑走用具
シール
ビーコン
スコップ
プローブ
ストック
クトー
アイゼン
ピッケル
登攀具
ヘッドライト
飲料水
行動食
地形図・コンパス
貴重品
ピンチパック
笛
日焼け
サングラス
ゴーグル
トランシーバー
シュラフ
個人マット
食器
テントシューズ
スタッフバック適
モバイルバッテリー
|
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共同装備 |
ツエルト
グランドシート
鍋
食材
火器
雪袋
竹ペグ
ゴミ袋
ザイル
|
感想
憧れの黒部横断。今年は雪も多く挑戦できそうだということで、連休にできる3月中旬にいく計画を立てていた。
当初は馬場島へ抜ける計画であったが、予報通りの強い風で立山駅へエスケープ。
しかし、谷を登り谷を滑り黒部湖を渡り、また谷を登って滑るという山スキーだからできる機動力を活かした山行ができてよかった。
まだまだ、黒部横断には色々なルート取りができるので、雪の多い年を見据えて、計画を立ててみたい。
【まえがき】
仕事もなかなか忙しい中で祝日を合わせて4連休をねじ込んだ。(祝日も仕事だが)
今回は当初扇沢から室堂、カガミ谷を経て馬場島へ抜ける計画で富山県警にも計画を提出していた。
久しぶりの泊りビッグ山行、仕事も忙しく非常にバタバタした生活を送りつつもかなりワクワクしていた。
【1日目】
マヤクボの途中でシーハイルPTが追い付いてくるまではほぼ二人でラッセル
脛程度はありなかなか大変
大スバリ沢は雪はすごく良い程ではないがパウダーでロングに滑走できる
今回の旅でここが一番雪が良かった。
途中で滝が出ているんので登り返しはあるが黒部湖まで途切れずに落とせた。
黒部湖の渡渉も無く幕営地へ。
水も沢から汲めたので快適。
【2日目】
朝イチで融雪した黒部湖にハマってブーツ浸水。
御山谷を進むと次第に強風とガスで視界不良
向かい風でペースも上がらず仕方ないので途中で雪洞を掘りビバーク
強風で雪洞の屋根が削られ2度も崩壊。
必死のパッチで2回目の修復が終わったのは10時過ぎで吹き込んだ雪により全装びしょ濡れ。
エアマットも昨晩パンクしてすぐに空気が抜けるので仕方なく雪の上で濡れた寝袋にブーツのまま包まって眠れぬ夜を明かした。
【3日目】
次第に雪洞の中が青白く明るくなる。
こんなにも朝が嬉しくなるのはいつ振りか。
朝食を食べお湯を作り余ったお湯を飲んで、側壁の薄い部分をスノーソーでくり抜いて押し出し外に這い出る。
爆風で途端に氷が体を叩きつけ雪洞内に雪が吹き込む、外は快晴で白く山々が輝く。
斜面形状は飛雪ですっかり形状を変え雪洞や板は雪に埋もれていた。
装備品を掘り出し準備して出発する。
爆風に耐え鬼岳のコルへ。
コル直下は楽園の様な無風だがコルでは地獄の様な爆風。
進退窮まる中選択肢はないので二人ともさっさとシートラーゲンに切り替えた。
アイゼンを効かせながらまるでマイケルジャクソンの如く風に対抗し前のめりで這いつくばりクワガタムシで進む。
気を許せば風で飛ばされるだろう。
コルを超えればすっかり安心した。
安定した場所までアイゼンで降り、滑走開始。
雪は微妙だが広い斜面、誰もいない斜面にトラックを刻んでいく。
途中滝が出ていたりしたが無事ザラ峠に合流でき長い長い林道をこなし立山駅まで辿り着くことができた。
電車もすぐに到着し飛び乗った。
最後の方で痛んだ足の裏を確認したところ群れたブーツで白くふやけて塹壕足になっていた。
当日の内に帰れそうだったので富山駅で食べ物と少しばかりの酒を買い新幹線で帰った。
駅で板を持ち上下ハードシェルにパンパンの大型ザック、ブーツ
視線が刺さるがこれも醍醐味の一つ。
満足げな表情を浮かべながら電車で酒を飲みながらくたくたのよれよれで家に帰りついた。
【あとがき】
ここ最近は家でご飯も作れない程仕事も忙しく、何の為に働いているのか正直良く分からなくなって疲れ切っていた。
週末に山で癒し平日に疲れを加算する事で半ば躁状態で日々駆け抜けていた。
今シーズンはパウダーが多く大抵どこに行ってもいい雪が滑れたがどこか物足りない感じがしていたが、今回の山行でようやく足りなかったピースを発見し当てはめることができた。
敢えてスプリットボードでこの浪漫溢れるルートを歩けた事も嬉しく思う。
山スキーはパウダーを滑る事だけが目的ではない、ルートや最大限のリスクを考え計画しそして実行する、今回は行動中も爆風やガス、ビバーク中のトラブルもあってよく考えさせられる山ができた。
そこで改めて山だけに限らずあらゆることに対して考えて練って実行することが好きだと思い出させてくれてここ最近抱えていたモヤモヤを解消することができた。
もうすぐ31歳。 この年は人生の大きな転換期にしたい。
馬場島へ抜けられなかったのは少々悔やまれるが色々決意をさせてくれた良い山行だった。
コメント
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針の木雪渓のラッセルありがとうございました。
雄山谷は壮絶でしたね。無事の下山何よりです。
こちらも、2日目は予定通り近藤岩泊
3日目は爆風の小窓から西仙人谷をおり、馬場島に下山となりました。
お疲れさまでした。
またどこかでお会いの際はよろしくお願いいたします
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