仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳

- GPS
- 11:36
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 2,357m
- 下り
- 2,362m
コースタイム
- 山行
- 5:18
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 5:51
- 山行
- 5:43
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 6:30
| 天候 | 前泊日:晴れのち雨 1日目:雨のち晴れ 2日目:晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
| 予約できる山小屋 |
|
写真
装備
| 個人装備 |
防寒着
雨具
帽子
笛
ヘッドランプ
常備薬
携帯
時計
タオル
テント
シュラフ
ビビィ
ガスストーブ
クッカー
|
|---|
感想
初めてのテント連泊。
長衛小屋に近い方にテントを建てた。
雨予報だったから、木の下がいいなと思ってたけど、すでに満杯だった。
予想通り、前泊日の夜は雨ざーざー。
●登山1日目
雨が上がったようなので、のそのそと5時過ぎに起きて仙丈ヶ岳に出発。
天気は曇り。
ぬかるみの中を進んで行くが、そのうち雨が降り出す。
樹林帯だし、カッパ着るのめんどくさいなと思ってしばらくはそのまま登っていたけど、本降りになってきたので仕方なく上だけ着る。
カッパを着ると、汗だか雨だかわからない液体で、結局びしょ濡れになるのが解せぬ。
結構単調な山道が続く。
しばらく登ると雨が止んだが、いつまた降り出すかわからない様子。
カッパを脱いだが、周りは結構着たままの人の方が多かった。
みんなカッパなんか着たまま登って暑くないのかなぁ?といつも疑問に思う。
仙丈小屋に着くと、テント場で見た顔の方々も休憩している。
小屋から上はそれなりに登りごたえがあった。
風も吹いていて、なかなか寒い…
でも上着は着ないで、ここで汗を乾かす作戦。
私の前を行く年配なのにかなり若々しいオーラを放つ女性に、鳥さんの名前とか教えてもらった。
(覚えてたつもりなのに忘れちゃった。なんとかツバメって言う鳥さんがいた)
山頂に着いたら、寒すぎてすぐにレインを着用。
着ながら乾かす作戦。
しばらくは静かに山頂を楽しんだが、団体さんが登ってきて、一気に賑やかに。
山頂からみんなで叫んでいて、わーお…って気持ちになった。
あまり居心地が良くなくなってしまったので、少し早いけど下山することに。
大仙丈ヶ岳まで40分で行けるらしいので、行こうか迷ったけどやめておいた。
足のリハビリ中だし、無理はしない。
汗冷えと風で寒く、歩いても登りじゃないからか、あまり温まらない。
私のすぐ前を歩く男性2人が、振り向いて
「雷鳥撮ってもいいですか?」と聞いてくる。
??がたくさん浮かんだけど、「雷鳥いるんですか?」と聞いたら、道を開けてくれた。
そしたら、そこにはたくさんの雷鳥が登山道を歩いている姿が…!
わずか1mのところに雷鳥の群れ!
すごいですね!と盛り上がる。
そのうち雷鳥が一羽はぐれてしまう。
はぐれた雷鳥を、他の雷鳥がピーピー呼んでいる姿を見て、もうここにいたら邪魔になるなと思い、退散。
人間が道を塞いでいるから出てこられないんだねーとか言いながらたむろしてる人たちが多くて、それならなんで解散しないんだ?と思ってしまった。
小仙丈ヶ岳で写真を撮りつつ下山。
急いでいるわけじゃないけど、なんとなく山頂でゆっくりする気になれなかった。
その後もゆっくりペースを維持しながら下山。
私は体力がない割に、ペースが早すぎるのが良くないと最近やっと気づいた。
今回の登山は、ゆっくりまったり楽しもうを心がける。
テント場についてからは、お酒飲んだり、お昼寝したり、資格試験の勉強したり、なかなか充実した時間を過ごした。
テント場まで近いから、お酒やら分厚い参考書を持ってきても全く問題ないのが良きところ。
●登山2日目
打って変わって晴れ。
今日は甲斐駒ヶ岳まで行くかどうか迷いに迷っている。
私はリハビリ中の身。
あまり無理をするのも良くないし、寒いし、行くのめんどいし、、寝袋の中でもぞもぞ。
もぞもぞしてると気温が上がってくる。
暖かくなってくると、仙水峠くらいまででもいいから、とりあえず行くかーと言う気になってきて、5時すぎにやっと寝袋から脱皮。
準備をして出発。
出発した時点で、あー私たぶん甲斐駒ヶ岳まで行くなぁ。と思う。
そうは思いつつも、足の調子を見てダメそうだったら引き返す勇気!と言い聞かせる。
甲斐駒ヶ岳は以前に登ったことあるし、無理に登らなくてもいいんだ。
初めは沢沿いを歩いて気持ち良き。
ほどなく行くと岩ゴロ地帯が出てきて、テンションが上がる。
あまり登らない岩ゴロ地帯、かなり好き。
むちゃ楽しい。
と楽しんでいると、あっという間に仙水峠。
イケメンのお兄さんに、あっちがすごい眺めいいですよ、とんがってるの見えますよ、と教えてもらう。
イケメン緊張する。
登りが楽しすぎてこれは行けてしまうぞ…甲斐駒ヶ岳。
と思っていたら、仙水峠の先は長い長い樹林帯の急登が続く。
いや、嫌いじゃない、むしろ好み。
ただ、樹林帯に入ってからほとんど人と会わなくなった。
寝袋でぬくぬくしすぎて出発遅すぎた?と少し不安になってくる。
下山者に会ったので、この先登ってる人いましたか?と聞いたら、めちゃくちゃいましたよ!と教えてくれた。
その後少ししたらちょっと開けたところに出て、それと同時に登ってる人々に追いつきだして、安心した。
登り続けると、駒津峰に到着。
たくさんの人が休憩中。
先ほどのイケメンのお兄さんもいて、ペコっとされて、再び緊張する笑
緊張して無愛想になってしまったかもしれない。
足の調子が良くなかったらここで周回して帰ろうかなと思ってたけど、問題なさそうだったので甲斐駒ヶ岳まで行こうと思う。
とりあえず仙豆(伝六まめ)を一粒食べてエネルギーチャージ。
甲斐駒ヶ岳までは一旦下る。
想像以上に下る。せっかく登ってきたのにー
鎖が垂れてる岩場などもあり、帰りはここ登るのよね、ときちんと体力配分を気にしながら、ペースが上がりすぎないように下る。
一通り降ると一気に岩場を登る。
途中、摩利支天方面への巻道が出てくる。
どんな道なんだろう?と思いつつ、甲斐駒ヶ岳への直登ルートへ。
岩場の連続でめちゃ楽しい…!
途中、短い足がなかなか届かず登りにくい箇所が二箇所くらいあって、ここ下るのしんどいなぁ…と下りの心配が少し出てくる。
下りは慎重にと心に刻む。
たぶん一度、ルート取りを間違えて変なところ登ってた。
とりあえず登れそうだったのでそのまま登っちゃったけど、本当は良くないよね。
気をつけないと。
山頂付近に近づくと、少し先の簡単そうな道を下っている人たちが見える。
お、もしかして来た道を下らなくても良いのかも?と少し期待をする。
登り切って山頂に着いたけど、以前登った思い出は蘇ってこなかった。
山頂の感じを全く覚えてない…笑
写真やらなんやら撮ったあと、別の下山道を探しに行く。
地図と照らし合わせるとおそらくこの道だろう、と言うのがわかるが、果たして本当に簡単なのかはわからない。
山頂にはたくさんの人がいるので、ベテランっぽそうな人に聞いてみようとあたりを見渡す。
楽しそうに会話を弾ませている年上の女性2人組がいたので、聞いてみた。
直登ルートから降りるよりは断然簡単とのこと。
ありがたい、こちらから帰ることを決める。
その方々は同じグループではなく、いま出会った2人だと後から知った。
片方の女性から、栗沢山とかこの付近の山々のことをいろいろ教えてもらった。
お礼を告げて、下山を開始。
簡単…なのか?
ザレザレで滑りそうでなかなか怖いぞ。
私がザレが苦手なだけなのかもしれないけど、来た道を下った方が怖くなかったかも…とかも少し思った。
一生懸命下っていると、めちゃ急で滑る道が出てきて、怖いー怖いーと、我ながらバカっぽく声に出して降りていた。
あまりに怖すぎて、もしかして間違ってる?と言って後ろを振り返ったら、たぶん道はこっちですよ!って教えてくれた親切なお兄さんがいた。
やっぱりおかしいと思った。と登り返して、お兄さんが降りて行った道に戻ってから降り始める。
本日2度目のルートミス。
前を行くお兄さんについていきながら、どんどん下山。
すると、岩に草が生えている道に出て、なんかおかしいなぁ…と思い始める。
お兄さんもおかしいと思ったらしく、あたりを見渡すと、また道を間違えていた。
正規ルートに復帰するため、トラバースしながら進む。
その間、お兄さんが先導してくれ、私が登り切るまで見守ってくれていて、親切な方だった。
本日3回も道を間違えて、ダメダメだな。
その後は順調に下山。
お兄さんが休憩をとるところで、お礼を伝えて先に下山をする。
駒津峰まで戻ってくると、あまり人はいなくなっていた。
足の負担を考えて、仙水峠経由で帰るか、双児山経由で帰るか迷った。
仙水峠の方は結構急だったし、岩場もあったけど、どんな道かわかる。
双児山方面は未知数。
ちょっと迷ったけど、せっかくなので通っていない双児山経由で帰ることにする。
休憩もろくにせず、そのまま下山。
たぶんそれがダメだった。
駒津峰からちょっと下ったところで、すってんころりん。
前面にコケてしまった。
左手をついた先には岩。
転がってきた直径15cmほどの石ころに額をぶつける。
たぶん私が蹴っ飛ばした石ころだろう。
転がった石は、すぐ先の絶壁に落ちて行こうとする。
やめてー!と、どうにか石ころをキャッチ。
と、同時にずりずり絶壁の方に私の体も落ちていく…
このままの姿勢でいると落ちる…っ
どうにか体勢を整えて、とりあえず座ることに成功。
石ころも大切に近くに置く。
とりあえず足の確認。
足を負傷したら降りられない。
ちょっと痛いけど、なんとなく大丈夫そう。
額も打ったけど、頭がくらくらすることもない。
どこが痛いかと言われると良くわからなかったけど、とりあえずじーんとした痛みが引くまで座ってぼーっとする。
そうすると後ろからきた男性が、大丈夫ですかー?と声をかけてくれる。
後ろからすっ転んだのを見ていたのだろう。
痛みも引いてきたし、なんとなく大丈夫な感じがしたので、感じたままに「たぶん大丈夫です」と伝えた。
続いて、男性と同じパーティの女性も降りてきて同じことをきかれ、同じように返した。
2人が去ったあとも、脳内反省会をしつつ、休憩をしつつ、5分くらいぼーっとする。
目線の先に私のサングラスが転がっているのを見つけるが、拾えず一旦放置。
その間、登りも下りも何人かが過ぎ去って行ったが、ちょっと邪魔なところで休憩してる迷惑系に見えたと思う。
そろそろ立ってみるか。
どきどきしたけど、問題なく立てた。
足踏みしたけど、足は全く問題なさそう。
これなら下りられる…!
この先の道がどんなかわからなかったので、ストックを出していなかったけど、慎重に降りるためザックからストックを取り出す。
さてストックを握ろう、と思うと左手で握れず、痛みが走る。
あらまあ、左手はやられてしまったー
右手も多少痛かったけど、ストックは持てそうなので、一本だけにして下山を開始。
仙水峠のコースまで戻るか少し迷ったけど、この先のコースを見た感じ、そこまで厳しくなさそうと判断して、そのまま下山することにした。
下山を始めると、足は全く問題なさそう。
歩いていくにつれ、左手が使い物にならなさがいろいろ発覚してくる。
ジッパーが開けられない、スマホが持てない。
特にペットボトルの蓋を開けようとしたら、激痛でびっくりした。
幸い足が元気で、歩きやすい道だったので、転び休憩していた私を抜かして行った人たちを追い抜きつつも、慎重に下山。
仙水峠の方から下山しなくてよかった、と心から思った。
と同時に、こっちを登りにしなくてよかったとも思った。
面白くなさそうな登りだろうなと、呑気に考える余裕も出てきた。
余裕が出てきた頃に気づいたけど、顎もぶつけたみたい。
触ったら腫れてた。
少し怖かったのが、何もしていないのに左手がどんどん冷たくなっていったのと、パンパンに膨れ上がってきたこと。
途中までは、そんなに痛くないし、折れてないだろうなーと思ってた。
でもどんどん不安になってきて、折れてるかも…でも折れてるにしたら痛くなさすぎじゃない?みたいな疑心暗鬼に支配された。
そしてテント場が近づくにつれ、現実味を帯びてきたのが、片付け。
あー、この左手じゃ片付けられなくない?テントのポールとか絶対外せないよ…
今日も泊まりそうな時間ある系の人を見つけて手伝ってもらうしかないかな、でも変な人だったら怖いな、時間に余裕はあるし自力で片付けられるかもしれないな、とかいろいろ考えた。
そんなこんな考えているうちに、マイテントに到着。
手の自由がきかないので、テント周辺に物をとっちらかすしかなく、ちょっとヤバいやつ。
左手がパンパンだったので、手袋が取れるか不安だったけど、ギリギリ取れた。
けど、とるとき痛かった。
ノーマークだった右手の手袋をとったら血だらけだった笑
続いてノーマークの足を見たら、タイツに血が滲んでいた。
ちゃんと足もやられてたのね。
タイツに足の皮膚がくっついちゃったみたいで、剥がすとき地味に嫌な感覚だった。
おぼつかない感じで身の回りのことをやっていたら、コケたときに声をかけてくれたご夫婦が下山されたようで、大丈夫だった?と声をかけてくれた。
思いの外、左手が痛くてもしかしたら折れてるかも。他もいろいろぶつけてるけどたぶん軽症。と伝えたところ、すごいスピードで下りて行ったから、大丈夫だったのかと思った。と言われた。
実はこのご夫婦、私の隣にテントを張っていた方で、その後とても親切にしてくれた。
時間があったらテントの片付けを手伝って欲しい旨を伝えたところ、快諾してくださった。
左手に湿布も貼ってくれたり、テント以外の片付けも手伝ってくれたり、本当に本当にたくさん助けてもらった。
着替えも片付けももたもたしてしまって時間がかかってしまったが、ご夫婦のおかげでなんとかその日のうちに帰れたというくらいお世話になりました。
荷物がうまく背負えず、降ろせず、持てずだったので、バスの乗り降りもサポートしてくださった。
本当に優しいご夫婦で、感謝してもしきれません。
お礼しかお伝えできず、何もお返しができなかったのですが、私もお二人を見習って困っている方がいたら手を差し伸べられればと思います。
ご夫婦とは戸台パークでお別れし、私はバスを乗り継いで茅野駅へ。
茅野駅まで出たあとがなかなか大変だった。
左手がザックのベルトに通せず、片手で背中に乗せて移動する姿は確実に怪しいやつ。
それを家の最寄駅(ターミナル駅で人が多い)でもやらなくちゃならなくて恥ずかしかった笑
家に帰ってきてからも、片付けもお風呂もサクサクできず、寝たのが夜中の1時半。
いつもは移動中の電車とかバスでぐっすりなのに、痛みのせいなのか、気を張っているのか、移動中は眠れなかった。
ちなみに茅野駅の立ち食い蕎麦屋さん、美味しかったイメージだったんだけど、久しぶりに食べたらそうでもなかった…
なんだか残念。
●後日談
怪我の翌日は、祝日だったため病院には行けず。
ただ、腫れもだいぶおさまってきたし、頭をぶつけたのもくらくらしたりしないから大丈夫かなぁと思うようになってきた。
その翌日はいつもの足のリハビリを入れていたので、少し早めに行って診察もしてもらえることになった。
診察→レントゲン→診察→レントゲン→診察 と、かなり細かく診てくれて、折れていなかった!
折れてないだろうなーとは思ってたけど、やっぱり診断ででると安心。
捻挫とのこと。
しかし、たかが捻挫のくせに、かなりのお薬が処方された。
むーん、飲みたくない。
そして、今もまだ自由がきかずもたもたしているのと、お家が散らかり放題。
左手がうまく曲がらず服が着にくいので、ぶっかぶかの洋服しか着られない。
地味に顎が痛いし、変色してるし、輪郭が変形していて恥ずかしい。
他の負傷は隠せるけど、顎だけは隠せない…
どこか庇って歩いているのかわからないけど、なぜかいつも履いている靴で靴擦れした。
弊害たくさん。。
早く治ってほしいなー。
●反省点など
今回コケたのはおそらく以下が原因だと考える。
・ザレザレの下山で足が疲れていたはずなのに、駒津峰で休憩をとらなかった
・一番危ないところを降りてきた安心感からの気の緩み
・駒津峰でなぜストックを出さなかったのか、いつもだったらここで出していたはず→仙水峠方面の下りだったらストックが邪魔になると思っていたが、そっちに行かなかったのになぜか出さなかった→ 双児山方面も仙水峠みたいな感じだったらしまうの面倒だなと思ってしまった
・直接は関係ないかもだけど、甲斐駒ヶ岳に行くか行かないか迷ってたくらいで行ってしまったというのも多少あるかも
これらを踏まえて、今後の山行では気を抜かず、自分の体調に合わせた適切な判断ができるよう気をつけたい。
やまっそー
















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