明神東稜、主稜 (第一階段上部で敗退)


- GPS
- 39:33
- 距離
- 36.8km
- 登り
- 1,590m
- 下り
- 1,750m
コースタイム
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 8:24
- 山行
- 12:48
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 13:27
天候 | 1月1日 雪時々曇り視界はあまり良く無い 1月2日 午前中晴れ午後から崩れ16時から暴風雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
会のMさんとKくんの三人で明神東稜を目指し高山市を4時に出る
釜トンネル入り口に二人を降ろしてKが坂巻温泉に車をデポしてくる
5時48分 冬山テン泊装備、スノーシュー、登攀具、3日分の食糧燃料
ビーコン、ゾンデ、スコップ等で一人25kgオバーのザックを担いで
東稜取付きまで11km車道を歩く、9時20分東稜末端尾根到着
ここの積雪が60cmでまだ笹薮が出てる
スノーシューを付けて登山開始、出だしは倒木が多くて歩き難い
尾根に出ると、風に飛ばされて雪がないのでツボ足で行く1800m
まで登ると雪が深くなり、又スノーシューを付けて行く
12時28分2190mで下又白谷からの尾根と合流、前穂北尾根がよく
見える
ここで尾根は90度西に曲がり、長七の頭に繋がってるがここまで
来ると雪も深くなりスノーシューでも膝まで沈み込むので
交代でラッセルをしながら順調に高度を稼いでゆく
12時58分 2200m辺りの急登中突然ググと云う音と共に足元が
揺れ四方の雪が一瞬の内に凄い勢いで落ちたと思ったら上の方から
塊が被さる様に迫ってくる、最後尾に居た私は上、上と叫びながら
ピッケルを深く刺して耐風姿勢の様に身構える
幸いにもモミの木に当たり二手に分かれ直撃は免れた・・・
ここはまだ森林帯の内、予想外の出来事に皆動けず暫く茫然する
これが東斜面の怖さ、風裏で雪がゆっくり降り積もる、その上
稜線近くで積雪が急激に多くなる、その結果雪崩のリスクが西面
に比べ格段に高くなる
頭で理解してても歩くことに集中してるとつい疎かになる
今後の反省点です。
気を取り直し雪崩れた跡の斜面を登ってゆく、締っていて歩きやすい
が気持ち良いものではないが其処しかルートがない
稜線に出ると歩きやすい尾根が続いてます
14時6分 2320m長七の頭到着ここから少し降りると2286m
今日のテン場ひょうたん池に到着、ヤレヤレ
取付きから4時間20分、釜トンネル入り口から8時間20分この時期
のタイムとしては良いペースでした。
明神岳はガスと雪で一部しか見えずですが、早速入念に
整地してテントを立て皆で潜り込む、無性に腹減ったー
まず雪を溶かして水を6L作り翌朝の分まで用意する
今夜メニューはアルファ米と親子丼、鶏ちゃん、お酒は無し
濡れた衣服は着乾わしする後は寝るだけ 7時就寝
2日目の朝4時半に起きラーメンを食べて、テルモスに紅茶を
詰めて外に出るとスッカリ晴れ上がり前穂も明神岳もよく見える
テントを畳みハーネスを着け7時半に第一階段に向け出発、雪が
深いのでスノーシューで行くがすぐに岩場になりアイゼンを着け
ロープを出す
Mさんトップで行くが雪の状態が最悪でその上アンカーもランニグ
も取れず非常に悪い、這松を掘り起し其れを片手で掴み片手で
ピッケルを降り雪を叩き落としながら行くが一歩上がるに5分、
50mロープを延ばすのに1時間半かかりました、これでは第一階段
で一日終わってしまう
計画では2日目第一階段、バットレスを超え二峰の懸垂地点登り返し
まで遣る予定がラクダのコルまでしか行けない
天気予報では午後から冬型が強まり吹雪になり明日は雪の予報
2ピッチ登って雪壁を暫く登った所で2660m地点に到着12時25分
空も曇って雪もチラつき出した風も出てきてる、このまま
突っ込んだら悪天に捕まり抜き差しならない状態に陥ってしまう
Mさんと相談の上ここで敗退とする
kも納得してくれたので、そうとなれば長居は無用、懸垂下降3ピッチ
でおりる
1ピッチ目はスノーバーを支点に降りるがラストのkがスノーバーを
回収するとロープは使えません
危険だがフリーで降りる2、3ピッチ目は太い岳樺に掛けて降りる
何とか無事降りれホットする
14時50分ひょうたん池に到着するが吹雪いて来た
日没まで1時間40分、ここでもう一泊するより降りる事にする
林道に降りる前に暗くなるが大丈夫だろう
アイゼンのままドンドン降りてゆく、勿論雪崩れた地点は迂回して
行きます
次第に吹雪が激しくなり猛烈な風でふらつきながら降ります
モーレツにお腹が空いたが食べてる余裕がない、そう言えば朝から
ミニパンをニコ食べただけ
1640mでスノーシューに変えペッドランプを灯して上宮川谷へ降りる
17時20分林道に降りました
地吹雪で歩きにくいが構わず歩く上高地でこれ程の風になるとは・・
明神館当たりでテントを貼ろうかと考えてたがこの風ではその気に
なれず遅くなっても家まで帰ることにする
19時9分上高地BT、風速20M以上の吹雪がずっと続いてる時々道が
見えなくなり屡々立ち往生しながら行く
大正池過ぎた頃kが先に走り車を坂巻温泉から回収してくる
21時釜トンネル入り口着20kg以上のザックを担いでひょうたん池
から13時間半、殆ど休まずあるき歩き通し心底疲れました
それにしてもMさん、kくん共に強い脱帽です
今回は私が一番のお荷物でした・・ごめん・・・
自宅着22時40分 家内曰く 何でもっと早く電話をしないの
こんな時間に帰って来てもご飯は無いよ・・
家内は おっかないなあ・・・
今回は敗退とは言え冬山要素が全て体験出来、そしてメンバーの力を
出し切った充実した山行でした
今はお腹いっぱいです。
コメント
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北鎌P5のトラバースを思い出します。
雪崩とかみさんは怖い。(笑)
そういえば、グランド・ジョラスラス北壁冬期初登頂を果たしたボナッティが自宅に帰ると奥さんは外出中で、鍵のかかった玄関前で「8度目のビバークだ。」!と嘆いていました。
この冬雪崩に3回も会いましたが今回は位置的に真上で起きた上
大きさ的に最大でした、足元が音と同時に一瞬揺れたので
地震かと思いましたが直ぐに雪崩と気づきました
家内はそんなことも知らずノー天気な物言いなので
却って気が楽です。
borav64mさん体調も宜しそうで何よりです。
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