海へ…百花繚乱の稜線を辿り 白馬大雪渓,栂海新道


- GPS
- 56:00
- 距離
- 43.8km
- 登り
- 3,632m
- 下り
- 4,865m
コースタイム
- 山行
- 10:05
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 11:10
- 山行
- 10:35
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 12:35
- 山行
- 3:30
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 4:00
海抜0mからスタートする計画だったが、時間的に厳しいので逆ルートに変更。
天候 | 初日 晴れのち曇り、二日目 朝方曇りのち晴れ、三日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:えちごトキめき鉄道 親不知駅、北陸新幹線 糸魚川駅 |
写真
感想
仕事から帰り荷物をパッキング、軽量化に努めてみたが水食糧なしで15kg。
少し早めに新宿に着いたので、居酒屋で3日分のビールを飲み貯めしておく。
コンビニで食糧を買い込み、都庁横の大型バス駐車場からバスに乗った。
〈一日目 大雪渓と百花繚乱の稜線〉
5時半頃猿倉に到着、登山を始めた八年前に訪れて以来5回目の訪問になる。
トイレに行ったり登山届を提出したりして、5時50分に大雪渓に向け出発した。
九十九折の道を抜け、前方に白馬の山々が見えた時の感動は八年前と色褪せない。
大雪渓の下端で軽アイゼンを装着、聞いてはいたが例年より雪渓上は荒れていた。
空は晴れているが、ガスが雪渓上を覆っているためどうもすっきりしない。
週末からの居残り組なのか、平日なのにけっこう下りて来る人が多かった。
大雪渓を終えて登山道に復帰、頂上宿舎前で朝食がてら少し長めの休憩をとった。
白馬岳の山頂へ、この頃にはガスがさらに濃くなり眺望はいまひとつだった。
視界が悪いのは残念だが、涼しくて体力的にはきつくないと良い方に考える。
三国境まで下りて雪倉岳方面へ向かう、こちらの稜線では登山者があまり多くない。
ガスで稜線からの展望が期待できないぶん、足下に咲く高山植物に目が行った。
この時期の高山植物はまさに百花繚乱、花に見惚れてなかなか足が進まない。
避難小屋でおやつを兼ねた軽い休憩をとり、雪倉岳を越えて朝日小屋へ向かう。
前回は14時40分に朝日小屋に着いたが、今回はゆっくりしすぎて17時に到着。
早速テントを張って食事の準備をし、小屋で買った缶ビールとともに頂いた。
雲に覆われていた空が、数分間だけ雲が晴れて夕焼けを見ることができた。
けっこう疲れていたので、早めにテントに篭り就寝した。
〈二日目 熱中症に悩まされる〉
0時前に目を覚ます、外は暗い上に靄がかかっていたので本を読んで待機する。
2時半頃からテントの結露を拭いたりして、少しずつ出発の準備を始めた。
まだ暗く靄がかかったままだが、3時半ごろに朝日岳へ向かって出発を始めた。
1時間ほどで朝日岳の山頂に到着、前の晩小屋で買った押し寿司を食べて休憩する。
自分は押し寿司が好きで、時々柿の葉寿司や鯖の棒寿司など買って食べたりする。
ます寿司の方は想像通りだったが、くるみ寿司に関してはそれ以上に美味しかった。
5時になったので出発、吹上のコルをすぎて少し行った辺りで急に晴れてきた。
前方にはこれから進む稜線、振り返ると朝日岳の山容がはっきり見て取れた。
この日も沢山花が咲いていて、アヤメ平ではヒオウギアヤメが咲き乱れていた。
いくつかの雪渓があったが、雪渓の際を通ればアイゼンなしでも対応できるほど。
黒岩平で水を汲み軽食をとる、ここでこの日初めて登ってくる人とすれ違った。
その後も何人かとすれ違う、前夜の栂海山荘は30人近い宿泊者だったと聞いた。
黒岩山をすぎたあたりから身体が怠く、軽い熱中症だろうと自覚しはじめる。
先に進むごとに症状はだんだん酷くなり、熱がこもり意識が朦朧としはじめた。
北又の水場で頭から水を浴び冷却するが、歩き始めるとすぐに症状が戻った。
何とか栂海山荘に到着、ここで泊まるか悩んだがまだ早い時間帯なので先へ進む。
栂海山荘で30分ほど休んで回復したつもりだったが、やはりすぐに怠くなった。
そこから先は10分歩いて5分休むような牛の歩みのペースで進んでいく。
黄連の水場、白鳥の水場では、それぞれ水を被って頭と身体をクールダウンした。
16時すぎに白鳥山避難小屋に到着、先客は3人で余裕があったがテントを張った。
そのうち熱中症の症状も消え、小屋の上の展望台に登り夕暮れまで景観を楽しんだ。
〈三日目 そして日本海へ…〉
3時頃足音で目を覚ます、この日朝日小屋を目指す方がいたのでその足音だろう。
自分はというと、前日頑張ったのでこの日の行程は4時間から5時間といったところ。
もう一眠りして、陽が昇る頃にテントから出て小屋上の展望台に登り朝陽を待った。
この日は朝から晴れていて、おそらく三日間で一番良い天気になりそうだった。
あまり急ぐ必要もないので、テントを完全に乾かしてから出発することにした。
7時過ぎに避難小屋を出発、登山道はほぼ樹林帯の中なので陽射しは遮られている。
それでも熱射病の教訓から、シキ割の水場では十分水を飲みボトルを満水にした。
この日も5人の登山者とすれ違ったが、逆ルートで登るのは大変そうに思えた。
いくつかの小ピークを越えつつ順調に高度を落とす、木々の隙間から海が見えた。
車の音も聞こえてきて、いよいよゴールが近づいてきたことを実感する。
そうして栂海新道登山口に到着、日本海に出るためホテル脇の道をもう少し下る。
穏やかで透き通った海に、ザックだけ降ろして服を着たまま海に飛び込んだ。
しばらく海を楽しんでいたが、あまりに天気が良いのでザックの中の物を虫干する。
ついでに汗が沁み込んだザックや着ていたTシャツも沢水で洗い、海岸に干した。
そのうちに栂海新道を下り終えた登山者たちが、続々と海辺に下りてきた。
同じルートを歩んできたという共感もあり、お互い自然と賛辞の声を掛け合った。
そのうち誰もいなくなったので、干したものを片づけて海岸を後にした。
階段を登ったところに温泉ホテルがあり、日帰り入浴すると最寄駅へ送ってくれる。
次の送迎までは10分ほどしかないので、1時間ちょっと先の送迎で申し込んだ。
お風呂の窓からは日本海が一望にでき、1時間くらい貸切状態で温泉を楽しんだ。
15時の送迎で親不知駅に送ってもらい、15時14分の電車で糸魚川駅へ。
糸魚川駅に着くとすぐに出る新幹線があったので、酒を買って無事乗り込んだ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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monkichikunさん、こんばんは!
栂海新道の山旅、拝見しました。
自分のことのように、思い出がよみがえってきました!
とにかく暑い!印象的過ぎですよね。
あと、花に詳しいですね✨
自分も花は好きなのですが、とても綺麗に撮影してみえて感心しました。
日本海での満足した表情が忘れられません★
写真撮影ありがとうございました!
hidanogakuさま、こんにちは
栂海新道、長く、タフなコースでしたね。
2日でイケるかな、と内心思っていたのですが舐めてました。
熱射病に関して頭で理解してたつもりですが、いい勉強になりました。
花の名前に関しては、同じエリアのレコを見てカンニングしてます。
またどこかで会えると思います、その時はまたよろしくお願いします。
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