憧れの日高山脈を満喫!カムイエクウチカウシ山(三股テン泊、1泊2日) 幌尻岳(北トッタベツ岳テン泊、2泊3日)


- GPS
- 42:15
- 距離
- 60.9km
- 登り
- 4,396m
- 下り
- 4,347m
コースタイム
- 山行
- 5:56
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 6:14
- 山行
- 12:42
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 14:06
- 山行
- 6:18
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 7:27
- 山行
- 6:25
- 休憩
- 3:54
- 合計
- 10:19
天候 | 11:晴一時雨,12:晴,13:晴一時雨,14:晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
神戸空港7:35-(skymark,27000円)- 9:25新千歳空港10:20-(30分,660円)-10:57苫小牧13:00-(241km,3h26m)-16:30札内川ヒュッテ 移動(8/11): 札内川ヒュッテ19:00-(1h,55km)-20:00帯広(4h[買い出し,お風呂,食事,仮眠])24:00-(2h,111km)-2:00つり堀いざわ-(30min)-2:30チロロ林道登山口 復路(8/14): テン場5:30-(下山5.5h)-11:00登山口-つり堀いざわ11:30-(138km,2h12min)-13:30苫小牧(食事,お風呂,レンタカー返却)-苫小牧17:30-(30分,660円)-18:10新千歳20:35-(skymark,23000円)-22:30神戸 |
その他周辺情報 | 日程:8/9(土)-14(木) 概略工程: 9:移動 神戸→札幌→苫小牧→カムエク登山口(札内川ヒュッテ泊) 10:カムエク 登山口-三叉(テン泊) 11:カムエク 三叉-カムエク-三叉-登山口→帯広市内 12:幌尻 帯広市内→登山口-北戸蔦別岳(テン泊) 13:幌尻 北戸蔦別岳-幌尻岳-北戸蔦別岳(テン泊) 14:幌尻 北戸蔦別岳-登山口→苫小牧→新千歳→神戸 ※以下、○は今回利用 レンタカー: ○ガッツレンタカー苫小牧店(軽自動車を1週間レンタル) https://guts-rentacar.com/ 期間:8/9 10:30 - 8/14 17:30 料金:15730円=(基本11300円+繁忙期追加料金3000円)x1.1 備考: ・室蘭本線 苫小牧駅より徒歩10分 ・予約は3ヶ月前から可能(インターネットor電話にて) テン場: <カムエク> ・三股は2張は可(当日は詰めて3張) ・カールはあちこちに張れそう ・稜線鞍部と山頂直下にも各2張分位の平坦地あり <幌尻> ・北戸蔦別岳直下 ※ドコモ電波有 ・ヌカビラ岳 ・トッタの泉脇(稜線強風時) ・トッタの泉から50mほど下った所(稜線強風時) 宿: ○札内川ヒュッテ https://yamatabi-hanatabi.com/satsunaigawa-hut.html ・無料 ・トイレ有り、水無し 買い出し: <苫小牧> ○ツルハドラッグ 苫小牧旭町店 ・燃料アルコール500ml ・電話0144-38-1268 ・営業9:00-22:00 ○イオンモール苫小牧店 ・DAISO イオンモール苫小牧店にて、ライター購入 <帯広> ○イオン帯広店 ・営業9:00-21:00 下山後のお風呂: <帯広> ○札内ガーデン温泉 ・料金800円 ・営業10:00-24:00 ・食事可能 ・仮眠スペース有 <苫小牧> ○天然温泉なごみの湯 - 苫小牧市 https://www.nagominoyu.co.jp/ ・料金950円 ・営業10:00-23:00(最終受付 22:00) <幌尻> 沙流川温泉 ひだか高原荘 ・料金700円 ・営業7:00〜9:00、10:00〜21:00 下山後の食事: <苫小牧> まるとま食堂 ・10:00-14:00 ・駐車場有り(道路向いのぷらっとみなと市場の駐車場) うおきん食堂 ・9:00〜15:00 カムエクの水量: 札内川ダムの全流入量 【札内川ダムリアルタイム情報 札内川ダム】 http://info-dam.hdb.hkd.mlit.go.jp/dam/dam_satsunaigawa.htm 上記の全流入量と水深の関係 【カムエク登山・渡渉に注意!札内川の水量を知る方法とは?】 https://yukinoshingun.com/kamueku-toshou/ ※ダム全流入量 〜5m2/s :安全(股下) 6m2/s〜:膝〜太もも(注意) 13m2/s〜:渡渉困難 |
写真
感想
北海道の山行もいよいよ佳境へ、今回は憧れの日高の稜線を目指します。
夢と希望を胸に秘めワクワクしながら北海道へと向かいます。
◆1日目 カムエク 登山口-三叉(テン泊)
前日夜、レンタカーで札内ヒュッテに入り前泊。朝早く準備を整えて歩き始める。まずは長い林道歩き。林道を歩ききった所で日が昇りヘッデンをしまう。七ノ沢出合にて足回りを沢装備に換装して入渓。心配していた水量は少なく、どこでも渡渉可能であることを確かめてホッとする。八ノ沢出合で大休止。湯を沸かしパンとコーヒーを頂きました。八ノ沢出合はテン泊適地。この日も多くのテントで賑わっていました。休憩中も足早に登山者が過ぎていく。日帰りだとタイムマネジメントをしっかりしないといけない。まだまだここは序の口だ。
デカザックを背負って沢の本流を詰める。テン泊予定地の三股に到着。ただ、テン場が見つからない。いろいろ探索した結果、滝上部まで登って振り返ると、滝の下流にテン場を発見。なんだ、通り過ぎていたのか〜。ホッと一息。テントを張った。前日、札内ヒュッテでご一緒させて頂いた、普段から沢登りをされるベテラン御夫婦も三股テン場で合流。私は慣れない沢歩きでヘトヘトに疲れたので、テントでお昼寝。お休みなさい。
夕方起きると、隣接テントの方が沢で焚き火をしており、そこに合流させて頂く。白樺の木をノコで切って豪快に薪を焚べる。やっぱり沢の醍醐味は焚き火だ。今日の釣果のオショロコマ(北海道のイワナ)を串で塩焼きにして酒のアテにしていた。なんかいいなぁ。
夏は沢登り、冬はバックカントリースキーに勤しむとのことで、アウトドアの達人さんでした。私がいつかやってみたいと思っている知床半島周回の話を興味深く聞かせて頂く。冬の羅臼もバックカントリーで下りたそうな。すごいな〜。奥さんは大学で探検部だったそうな。バックカントリーに興味があって入部したのに、あまりバックカントリーができる人がおらず、沢登りをメインでやられていたそうな。それから20年ほどブランクがあってもうやることはないと思っていたそうだけど、時を経て地元(東京)の山岳会にご縁があって、今があるそうな。沢をやっている人は、冬はバックカントリーをする人が多いのだそうです。色々話を伺って、私もいつか赤木沢行ってみたいなぁと思った。そうこうしている内に、夕立が来てテントに逃げ込む。雷も鳴る夏らしい天気であった。夕食後、早めに就寝。
◆2日目 カムエク 三叉-カムエク-三叉-登山口→帯広市内(温泉で仮眠)
朝3時起床で夜明けと共に歩き始めた。まずは沢沿いを急登を登る。ピンテが豊富で道迷いはないと思っていたけれど、そこは沢。誤って一本右の沢を登ってしまって行き詰まりまた戻る。油断禁物です。沢の上流部へ詰めて次第に傾斜が緩くなりカールに飛び出す。そこはこの世の楽園のような場所でした。八ノ沢カールでは札内ヒュッテで出会った3人組がテント泊していた。彼らはこの日、更にテントをカムエク山頂直下まで上げる、とのこと。やるな〜。
彼らに倣って沢靴を岩の上にデポして、山頂を目指す。高度を上げて稜線に乗りビクトリーロードを進む。奥深い日高の稜線がよく見えた。山頂に到着。そこで湯を沸かしコーヒーブレイク。ゆったりと貴重な山頂の時間を楽しんだ。すでにガスが上がってきていたが、時折晴れるとそこには素晴らしい日高の稜線美が見えた。こりゃ、最高やね。テン場で隣接テントの2人+2人も直に上がって来られた。他にも下から日帰りで上がって来た快速ハイカーとも出会った。はっやー。皆それぞれ思い思いの時間を過ごして下山開始。
八ノ沢カールで沢装備に換装して、さぁ出発、というとき下山方向が分からなくなった。こんなときに頼りになるスマホの二万五千分の一の地図もなぜか見れない。しばらく藪漕ぎして無駄に体力を消耗した。さんざん探してようやく登山道を復帰。ふーっ。山ではたまにこんなことが起こります。気を取り直して沢を下りる。クタクタになってテン場に戻った。
テン場では、先行していた沢登りのお二人が出発準備中。私はしばらくテントに横になってから後を追いかけた。ながーい沢区間を歩き切り、へとへとになって八ノ沢出合へ。トレラン靴に替えて林道をひた歩く。またまた休憩中のお二人に追いついて、車までご一緒させて頂いた。この2日間、ずっとご一緒させて頂いたお礼を言ってそこで別れた。
帯広市内に出て、イオンで買い物後、夕食、お風呂を済ませて、仮眠室で2時間程、横になった。体力を急速充電させて半分くらいバイタリティがもどったか?車に戻って、次なる目的地、幌尻岳のチロロ林道登山口を目指す。
◆3日目 幌尻 帯広市内→登山口-北トッタベツ岳(テン泊)
登山口には3時前に到着。さすがは人気の百名山。お盆休みの中日の平日にもかかわらず、登山口の駐車場は賑わっていました。なんとか1台駐車スペースを見つけて、準備を整え歩き始めた。
ここは快速ハイカーが多い。というか、快速ハイカーでないと日帰りできない。デカザックを背負ったテン泊の私はさしずめダンプカー。ライトウェイトスポーツカーの皆さんに道を譲って進んだ。
トッタの泉で水を汲む。2日分の5.5リットルの水を汲んで稜線を目指す。ここからはMAX歩荷となる。気張っていこー、オー!そこから高度400mを上げて、ようやく稜線に乗る。ついに幌尻岳が姿を現す。どっしり構えたお山は最高にカッコよかった。
気分アゲアゲで稜線を進む。へとへとになって北トッタベツ岳山頂に到着。山頂直下のテン場はまだテントが残っていたので、暫く待つことに。ほどなくテントの持ち主が戻ってきて、譲ってくれた。一等地を無事確保できて、ラッキーでした。
疲れたので、テントを張ってテントで休んだ。疲れ切ったので、この日はゆったりとテントで過ごした。テント前の最高の日高の稜線に癒やされた。
◆4日目 幌尻 北トッタベツ岳-幌尻岳-北トッタベツ岳(テン泊)
朝3時起床で4時過ぎに出発。いよいよ幌尻岳の山頂アタックだ。トッタベツ岳山頂で一休み。ここからの急坂でアクシデントは起こる。急な下り坂で不用意にかけた右足を石を踏み抜いてしまった。受け身を取ることもできず右脇を地面に強打して、しばらく悶絶する。しばらくして立ち上がり外傷はないことを確認。ただ、どうやら打撲だけではなさそうな感じ。脇腹に違和感を覚えながらも、右手でさすっているとなんとか痛みは収まってきた。
さぁ、どうするか?幌尻はもう目前だ。ここまで来て、山頂を踏まない手はない。動きに支障が無いか、いろいろ試してみる。右手からザックを背負うと脇腹に痛みが出る。右手に負荷をかけると少し痛む様だ。右手でロープを伝って下りることは難しそうだ。ここからは右手に極力負荷を掛けずに慎重に進むことにした。
肩に乗り、偽ピークを越え、ついに山頂に到着。ここでは絶景が待っていた。いつもの様に湯を沸かしコーヒーブレイク。ここは人気の百名山。たまたま百名山の百座目の方に写真を頼まれ、いろいろお話させて頂く。その方は、御年68歳。足掛け20年以上で百名山を達成。おめでとうございます。まだ週5日で現役で働いているそうな。60歳でバイクの免許も取得。今は大型バイクにも乗っているそうな。やるな〜。イージーライダーまっしぐら。なんか青春ってかんじ。完全リタイアしたら時間がいっぱいできるので、いつまでもお元気でお山で遊んでくださいな。
ゆったりと過ごして、そろそろ戻り始める。幸いにして痛みもそれほど無く問題なく歩ける。この日はテン場に戻るだけで良いので気が楽だった。たっぷり時間をかけて日高の稜線を楽しんだ後、テントに戻ってゆっくり休んだ。新しい隣接テントの方は女性の2人組でした。秋田から来られた娘さんとそのお母さん。娘さんはおそらく私と同世代の方に見えました。山好きの母親を幌尻岳に連れてくるなんて、本当に親孝行な娘さんですね。
軽量化のためバーナを持ってきておらず、お湯ではなく水で戻すとか話している。「お湯沸かしますよ。燃料はまだ余分があるので水ください。」というとペットボトルを持ってきてくれた。お湯を沸かして渡すとたいそう喜ばれた。よかった、よかった。
夕方、夕立が降った。夕食を食べて就寝。
◆5日目 幌尻 北トッタベツ岳-登山口→苫小牧→新千歳→神戸
朝2時過ぎ、隣接テントの方が起きて山頂アタックの出発準備中。せっかくなのでヘッデンでお見送りする。稜線上には多くの登山者の光が見えた。皆さん動き出しが早いですね。空が白み始める。今朝は晴れ渡っており稜線が遠くまで見通せた。そこから日の出までの間、幸せな時間を過ごした。奥深い日高の夜明けにすっかり満足した。本当に来てよかったと思った。「家に帰るまでが登山」をしっかり胸に刻んで下山開始。慎重に山を下りた。
トッタの泉で休憩中。下りてきた登山者と少し話す。「昨日、幌尻アタック時に膝に激痛が走ったけれども、なんとか山頂に登頂。今日はゆっくりと時間を掛けて下ります」とのこと。ストックで体を支えて少しづつ下りていた。頑張ってくださいね。精一杯のエールを送ってそこで別れた。沢区間を抜け、林道を歩いて登山口に帰着。フーッ、これで一安心。車に乗り、苫小牧へ移動。夜の飛行機で神戸へと戻った。
トラブルはあったけれど、なんとか自力下山できて良かった。憧れの日高の稜線は本当に良かった。また機会があれば訪れたいと思います。最後に、カムエク攻略にあたり、靴の相談に乗って頂いたヤマレコの女王ボッチさん、貴重なアドバイスのおかげで無事登頂することができました。どうもありがとうございました。
今日も良い山でした。
(荷重:20kg、1日の消費量 水2L、アルファ米 8/10食)
コメント
この記録に関連する登山ルート
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初めて訪れた日高山脈、どこまでも続く山深い稜線に魅了されました。テントからのんびり眼下に広がる絶景を眺めているだけで満足しました。羅臼での事件は下山してからニュースで知って腰を抜かしました。今がまさにハイシーズン。「羅臼岳の次に幌尻に来ました」って百名山を駆け足で繋ぐ人も多かったので尚更です。
お気遣いありがとうございます。肋骨骨折は不注意でした。骨がしっかりくっつくまでしばらく運動は控えようかと思います。
こんにちは♪
まずはお疲れ様でした。
いや〜壮大な山旅ですね
ソロでカムエクに幌尻と凄いです。
さすが六甲全山縦走で鍛えられているだけありますね。
八の沢カールは昔、福岡大学ワンゲルがヒグマに襲われた場所ですよね
とても行くことはできないし、行こうとも思わないのでこのレコで満足させてもらいます(笑)
肋骨は不運でしたが、無事に下山できて何よりでした。
お大事になさってください
憧れの日高山脈を歩いてきました。日高の山は手強い。いくら入念に準備しようと、直前に雨が降って沢の水量が増すと山に取り付けなくなる。何年もチャレンジしてようやく山頂を踏んだという方の記録を多く拝見していたので、初挑戦で辿り着けたのは幸運でした。
カムエクの福岡大ワンゲル部ヒグマ事件は有名ですね。私が訪れた時のカールはお花畑が広がっており、さながら天国のような場所でした。彼らがそこをテン泊地に決めたのはよく理解できるのですがそんなカールはヒグマの巣窟でもあります。私はさすがにソロでテン泊する勇気は持ち合わせていませんでした。
お気遣いありがとうございます。転倒した時は頭が真っ白になりましたが、なんとか自力で下山することができて本当に良かったと思います。家に帰るまでが登山。肝に命じて精進しようと思います。
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