北ア・折立から太郎平─薬師岳─スゴ乗越─五色ヶ原─室堂


- GPS
- 17:56
- 距離
- 28.1km
- 登り
- 3,275m
- 下り
- 2,213m
コースタイム
- 山行
- 7:32
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 9:05
- 山行
- 7:57
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 9:02
天候 | (1日目)晴れ (2日目)霧 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
<ゆき> 横江644━653有峰口700=750折立 <かえり> 室堂1440(臨時便)(1526)美女平1530(臨時便)1537立山1540━1602横江 |
予約できる山小屋 |
立山室堂山荘
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
アームウォーマー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
携帯
タオル
昼ご飯
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
サングラス
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
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感想
日本百名山の90座目として、地元・富山の薬師岳に行って来た。薬師岳については、高校山岳部の夏山合宿で薬師峠にテント泊した際(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4659505.html)にピストンする話もあったけど、結局誰も行かなかった(苦笑)。結果的には行かなくて正解だったと思うけど、その時も含め薬師峠にテン泊すること4回、一度も薬師岳に足が向かうことは無かった。まあ、98剱岳─99立山─100薬師の縦走で百名山達成する…という構想があったため意図的に避けてたせいもあるけど、立山を81座目としてさっさと登ってしまったため、この構想はとっくに潰えてる(苦笑)。せっかく薬師岳に登るんだから、折立ピストンにはせずに、この構想の残骸(苦笑)を活かした形で折立から室堂までの1泊2日の縦走とした。
薬師岳になかなか足が向かなかったもう1つの理由は、私が住んでる小杉からは富山駅前6:10発の折立ゆきのバスに間に合わないこと。小杉駅発の一番列車の富山着が6:10のため、駅構内を必死で走っても間に合わない。遠方のかたのように富山駅周辺のホテルに泊まるしかないけど、どうして地元の山に登るのに前泊せにゃああかんのか!(前泊したこともあるケド…苦笑) 一時期富山駅前6:20発になったこともあったけど、すぐに6:10発に戻ってしまった。前夜のうちに荷物を駅のコインロッカーに預けて、当日富山駅まで12 km走ることも真剣に検討したこともあった(苦笑)。この問題はひょんなことから解決。立山駅前の無料駐車場にクルマを置き、地鉄の電車で有峰口駅まで移動してる登山者が一定数居るよう。これは目からウロコだった。これに倣って立山駅前にクルマを置くよりも、少しでも経営難の地鉄を援助したい!…と思い、パーク&ライド用駐車場(&尖山登山者用駐車場)が整備されている横江駅前にクルマを起き、電車に乗って有峰口駅まで2駅移動することにした。
9月6日土曜日朝5時に『キャラメルハウス』(自宅)をクルマで出発。立山駅前の駐車場にクルマを置く場合でも間に合う時間設定。6時には横江駅に着きそうだったので、『立山あるぺん村』のセブンイレブンで時間調整。この時間はまだ『立山サンダーバード』は開いていない(苦笑)。横江駅前にクルマを置いて、横江駅へ。あまり長居したくない駅舎なので(苦笑)、ホームの待合室に移動。有峰口での乗り換え時間が7分しか無いから、電車が遅延してたらどうしよう…という不安もあったけど、定刻どおり電車がやって来て、乗車。電鉄富山駅発のこの電車、登山客でいっぱい。経営難で廃線が取り沙汰される立山線とは思えないくらい(苦笑)。11年ぶりに有峰口駅で下車。11年前に来た時には酷い荒れようだった駅舎はリニュウアルされ小綺麗になってた。駅前からバス停への移動も心配だったけど、親切に案内標識が設置されており、迷うことはない。有峰口7:00発バスに乗車したのは、私ともうひとり。こちらのバスも、登山者で大にぎわい。バスはほぼ定刻どおり、折立に到着。ここに来るのも11年ぶり(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1463777.html)。トイレを済ませてから、7:52に登山開始。毎日のように酷暑に関する報道が続くなか、暑さについてはある程度覚悟してたけど、前日降った雨の影響か意外に涼しい。好調に登れていたけど、それでも足の速い登山者(ソロ2名)に抜かれた…(苦笑)。今回は太郎坂(アラレちゃん)、青淵三角点、五光岩ベンチ、薬師峠、薬師岳山荘…と、予め休憩ポイントを決めての歩き。アラレちゃんには50分経たずに到着。予定どおり休憩後さらに先を目指す。樹林帯を抜け、展望が開ける青淵三角点には9:17に到着。ベンチもあり絶好の休憩ポイントのため、多くの登山者が休憩中。ここで、陽焼け対策でアームカヴァーを装着。さらに上ってくと階段状に整備された道となり、有峰湖がみえ始める。その向こうにみえるのは白山だ。五光岩ベンチには、10:31に到着。真正面にみえる薬師岳が神々しい。ソロのかたが2人休憩中だったけど、薬師峠キャンプ場の閉鎖が話題に(苦笑)。私見だけど、問題のクマの存命中は再開は無理かも…。ここまで来れば、太郎平小屋はすぐ。11:19に「ラーメン屋」の前を素通りし、薬師峠へ向かう。木道敷きなのでサクサクと進み、11:38に薬師峠に到着。薬師峠に来るのは5回目だけど、テントが無いのをみたのは今回が初めて(苦笑)。テン場として閉鎖されてても、水場もトイレも健在。給水がてら、ここで三色俵むすびセットを2セット喰う(笑)。
トイレを済ませてから薬師峠を出発。ここから先、龍王岳分岐までの区間を歩くのは、今回が初めて。最初のうちは沢沿いの涼しげな道。やがて涸れ沢となり、ゴーロ地帯を抜けると薬師平。槍ヶ岳と黒部五郎が美しい。槍ヶ岳が大きくみえるのが意外だったけど、1:50,000地形図だと同じ「槍ヶ岳」の範囲だった(苦笑)。薬師平の楽園はすぐに終わり登っていくと、稜線に乗るところで「薬師岳山荘 15分」という標識に愕然。もうすぐで到着の認識だったから。その認識には間違いは無く、標識から7分、13時ジャストに薬師岳山荘に到着。コーラ(600円)を購入し、一気飲みしたらゲップが出るまで苦しんだ(苦笑)。山荘前からは鍬崎山と富山湾、能登半島方面がバッチリ。山荘を出発し、避難小屋跡までは急な上りだけど、そこから先はザレ場の稜線歩き。多くの登山者が休憩する薬師岳頂上に、13:55に到着。
薬師岳頂上には立派なお堂がある。360°の展望で、ほんの2週前(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-8595872.html)に歩いたばかりの蓮華岳─針ノ木岳の稜線をはじめとした後立山連峰、剱岳・立山などの本家の立山連峰、槍穂連峰など丸見え。赤牛の向こうに浅間山もみえた。頂上にはもっと居たかったけど、まだ先が長いので、14:05に頂上を出発。スゴ乗越小屋まで下り一辺倒かと思ってたら、隣の北薬師岳へは下った分だけ上り返す。北薬師岳方面に踏み入れた途端、登山者の姿をみなくなり、すれ違ったのは1組の夫婦のみ。彼らとすれ違ってからスゴ乗越小屋に着くまでは誰にも会わなかった。標高2,900 mの北薬師岳頂上からは本格的な下りとなる。頂上部に池塘を持つ間山には15:53に到着し、休憩。正面に鍬崎山が大きい。これまで旅のお供をしてくれた槍さんも、ここまで下ると穂先がみえるのみ。間山から下ると地形図にも記載のある池の横をカスり、樹林帯に入ってく。黒部川の谷底がよくみえる道を往くと、登山道の水はけが悪い地帯に入って飛び石しながら通過。小屋がよくみえないまま『ヤマレコMAP』が「もうすぐスゴ乗越小屋。山小屋です」とアナウンスし、ひょっこりとスゴ乗越小屋前に出た。時間は16:42で、17時までに到着したい…という目標というか、願望(苦笑)を無事クリア。
小屋でテン場代(2,000円)を払って受付した後、ビール(350 ml缶、900円)を購入。テン場への移動の前にトイレの手洗いで給水。小屋の受付の兄ちゃんはテン場まで2〜3分かかるような口ぶりだったけど、1分くらいで到着。テン場には少なくとも3張は先客が居た。一番奥の場所にテントを張り、夕食を済ませる。就寝前にトイレに行くのと、ビールの空き缶を返すためにテントから出たら、あまりの寒さに身慄い。歯がガチガチ鳴る寸前までの悪寒。テントに戻ったら即、長袖に着替え。下界では酷暑のニュースばかりでもう秋だということを忘れそうになるけど、ちゃんと長袖を用意してたのはラッキーだった。というのは、翌日大いに役に立ったから…。
翌9月7日の朝、2時半くらいに周囲のテントが騒がしいのに一旦目が覚めたけど、起きるのは4時の予定だったからそのまま寝てた。4時に起きて、一旦トイレに行くためテントの外に出たら、自分のテントしか無かった…(汗)。少なくとも3張はあったテントは無くなり、みなさんとっくに出払った後。薬師峠のテン場が使えない以上、次のテン場は黒部五郎か雲ノ平だと思えば真っ暗なうちに出発するのも解る(苦笑)。私も急いでることには違いないけど、夜が明け切った5:19にテン場を出発。前日の晴天とは違い、標高が高い地点はガスに覆われてる…(汗)。まずは、スゴの頭を目指す。スゴ乗越小屋の所在地はスゴ乗越ではなく、小屋からさらに100 m下ったところにスゴ乗越がある。この日の行程の最低地点。標高が低いせいかこの付近ではまだ展望が得られてた。スゴの頭を登る途中、ちょうどスゴ乗越小屋と同じくらいの高さまで登り返したあたりで3人ぐらいのパーティーとすれ違ったけど、五色ヶ原を朝出たにしては早過ぎる!(苦笑) 昔と違ってヘッデンの性能が向上したためか、みんな暗いうちから歩くことに抵抗がないよう。標高が上がるにつれガスガスで、風も強い。雨が降ってないのがせめてもの救い。6:31にスゴの頭の肩に到着し休憩。通常10分単位で休憩取るけど、あまりにも寒過ぎるので5分で出発。
この日の行程は、鞍部まで下りて次のピークまで登り返す…の繰り返し。スゴの頭が2,400 m台、越中沢岳が2,500 m台、鳶山が2,600 m台、獅子岳が2,700 m台、そして浄土山が2,800 m台…と少しずつ高くなっていくのがジンワリとキツい(苦笑)。ガスガスで展望は無いわ、風は吹きつけて寒いわ…で、五色ヶ原で止めたく(宿泊したく)なった。しかし、翌日以降もっと悪天の予報が出てるので我慢して歩く。越中沢岳頂上には7:49に到着し、休憩。勿論、真っ白で何もみえない…。寒いけど流石に1時間以上歩き通したので、ここでは10分休憩。ガスガスのなか、赤ペンキの目印を頼りに下る。木道がある箇所はボーナスステージ(苦笑)。歩いてると、東側のガスの向こう先にヌクイ谷が黒部湖に流入するあたりがみえた。晴れてればきっと凄い景色なんだろう。越中沢岳と鳶山の間の最低鞍部はトリカブトが咲き乱れてた。ここから登りに転じ、鳶山を目指す。変わり映えしないガスガスのなかの歩きで、9:23に鳶山頂上に到着し、休憩。ここも寒いので5分で休憩を切り上げ。頂上からすぐに木道が始まるけど、稜線上の危険箇所の迂回路だったようで、すぐに木道は終わり。五色ヶ原が近づくと木道歩きとなり、延々と草原のなかの木道を往く。9:55に五色ヶ原山荘に到着。
山荘でのランチ(カレーや牛丼)に惹かれたけど、他に登山者も居らず、自分だけのために厨房を動かすのも気が引けたため、コーラ(500円)の購入に留める。山荘を出発しようとしたところで、立山方面から若い登山者2人がやってきた。人気の五色ヶ原だけど、天気が災いしてか人影は疎ら。五色ヶ原山荘からザラ峠まで降って獅子岳までノンストップで登り返すのはキツいので、かなり早いけどザラ峠で休憩。標高が低いせいかガスの範囲から抜けており、富山平野や、裏銀座の烏帽子岳などの景色がみられた。結果的には、この日一番の展望スポット(苦笑)。烏帽子岳のトンガリ具合は槍ヶ岳ソックリで、通りがかったソロのかたに「槍がみえますよ!」と思わず声掛けしそうになったくらい(苦笑)。周囲の山より低いので、槍では無いと気付いた(苦笑)。獅子岳への登りでいよいよハシゴやら鎖場が登場。鎖場のすぐ先で、ライチョウの群れに遭遇。いかにもライチョウガが活動しそうな天候にもかかわらずここまで姿をみなかったけど、ようやく出たか!…という感じ。それにしても、この大群のライチョウ、一度にみたライチョウの数としては過去最高かもしれない。ライチョウでもみかけないとやってられるか!的なガスガスのなか、11:43に獅子岳頂上に到着し、休憩。
次は浄土山分岐、その次は一ノ越で休憩…と行きたかったけど、ツラそうだったから鬼岳─龍王岳最低鞍部で休憩することにする。室堂が近くなったせいか、登山者をみかけることも多くなって来た。そして、標高が上がってきてるせいか、風の当たりも強くなってきた…(汗)。鬼岳東面を通過し、鬼岳─龍王岳最低鞍部で休憩してると、中国人と思しき4人パーティーが通過。そして、TJARの練習と思しき、五色ヶ原方面へ向かうソロのかたに「五色ヶ原までですか?」と声を掛けられた。「いや、逆方向です。室堂です」と応えた私。「そうですか、もう終わりですね!」などと返され、そうか、もうすぐコレ、終わりなんだ…と思った(苦笑)。浄土山までの標高差は150 mほどなので、あと30分でもう上りは無い。あとは一ノ越、室堂に下るだけ。これだけを励みに強風のなかザレた道を進む。強風にメガネを持ってかれないことだけは注意してた。やがて、龍王岳分岐に到着。中国人らしいさっきのパーティーが休憩中。ここからは過去に歩いたコース(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3354771.html)だけど、ガスで真っ白で全然どこか分からない…富大の施設がみえて来て、ようやく浄土山に着いたと判明。あとは一ノ越に下るだけ。いつもは一の越山荘の屋根を目掛けて下っていくんだけど、そんなモノはみえない。登山者の話し声が聞こえて来たので、山荘が接近して来てるのは分かった。目の前に突然石垣が現れ、13:38に一の越山荘に到着。
過去10回ほど一ノ越に来てるけど、今回ほどガスガスで風が強いことは無かった。TJARの応援で来て、選手を観る前に下山した2018年(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1551986.html)ですら風は強かったものの、視界はもっとあった。こんなコンディションにもかかわらず、ファミリー登山が居てビックリ! こんな一ノ越に長居してもしょうがないので、100円払ってトイレを済ませ、さっさと出発。この悪天候でも一ノ越へ登ってくるひとが居るのも驚き。他の登山者が居るのに、もの凄い勢いで下ってく中国人らしき4人組パーティーにも驚き(苦笑)。熊害のせいで雷鳥沢キャンプ場への短絡路と、地獄谷迂回路が閉鎖されてた…。クマ出没を意に介さないのか、それなりの観光客が散策する室堂に下山。バスターミナルには14:21に到着。すぐに乗車券買って、美女平ゆきのバス待ちの列に並んだところ、14:40発の臨時便に乗車出来た。美女平ではすぐに15:30発の臨時便に乗車。立山駅に着いた途端、3分の乗り換え時間で電鉄富山ゆきの電車に飛び乗った。3両編成のこの電車も、登山客・観光客で満員で、経営難ってどこの話?…と思った(苦笑)。横江駅で電車を降りて、クルマに戻り、途中実家に立ち寄ったものの午後6時前には帰宅してた。
長年の懸案だった薬師岳登頂を果たせて満足度が高い山行。初日は晴れて展望が良く、文句無し!だっただけに、2日目のガスガスと強風は残念…。
先を急ぐあまり「ラーメン屋」で名物の醤油ラーメンを喰わなかったのが心残りだったようで、『キャラメルハウス』に戻ってから無性に醤油ラーメンが食べたくなり、マルちゃん『麺づくり』の鶏ガラ醤油味喰った(苦笑)。
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