笹山（広河原発 白峰三山経由（日帰り））：8時間56分のトレイルラン
山梨県
静岡県
ainu
体力度について
- GPS
- 08:57
- 距離
- 28.4km
- 登り
- 3,237m
- 下り
- 3,934m
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6:24 広河原出発 → 8:45 北岳 → 9:10 北岳山荘 9:18 → 9:36 中白根山 → 10:04 間ノ岳 → 10:27 農鳥小屋 10:31
→ 11:13 農鳥岳 → 11:33 大門沢下降点 11:40 → 11:53 広河内岳 → 12:30 大籠岳 → 12:55 白河内岳
→ 13:35 笹山 13:40 → 15:18 奈良田駐車場帰着
備考：北岳山荘・農鳥小屋・大門沢下降点・笹山山頂で食料補給小休憩、農鳥岳南で花写真撮影タイム（5分程度）
| 天候 | 曇り（ガス・小雨）少々晴れ。 稜線はガス（時に小雨）で体感温度は15度を下回っており肌寒かったです。 （一部西風を受ける稜線では体感温度は10度かそれ以下） 気温が低かったのが幸いして1リットルのハイドレーションは半分以上余りました。 （その他 ジェル三個持参（500ml程度）） |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
危険箇所特になし。 コースは笹山をメインに取り扱ってますが、到着する為に間ノ岳、農鳥岳、広河内岳、大籠岳、白河内岳山頂を踏む必要があります。今回、北岳もかませました。日帰りでこなすにはそれなりの天候と十分な体力が求められる超ド級の稜線コースです。 白峰南嶺は、踏跡薄いものの点線歩きの経験があれば問題なし。ところどころハイマツを抜けながら登山道を歩いていきます。数箇所ゴツい岩を飛び越えて進む場所もあります。アップダウンはほとんどなし。大昔の白峰三山はきっとこんな感じだったんだろうな、と思わせる比較的手付かずのエリアです。本日はガスっており視界150m程度でしたが、こまめに小さいケルンが置いてあり道迷いはありませんでした。大体の目安としてですが、主に登山道は稜線の西側に走ってます。 参考までに、大門沢コースとダイレクト尾根を比べた場合、大門沢コースの方がパンチが効いていて面白いと思います。また、大門沢コースの方がテクニカルだと思います。 |
写真
引き続き小雨とガスの中を進みます。気持ちが落ち着いたところでmp3を聞いてテンションアップに成功。中白根山にアッという間に到着。
農鳥小屋では北岳山荘から先行していた登山パーティーに白峰南嶺について教えてもらいます。ドウモです。ここではちょっとだけ食料補給しました。
いわずと知れた農鳥小屋のオッチャン。有名ですね。どうもひとつだけ張られたテントが気になって調べに行っていたみたい。中にいるのを確認して安心していたよう。
2
大門沢下降点到着。ここで再び食糧補給。近くにいたおじさんと少し話し込みます。トレランの望月将吾選手の話になりました。先週、聖辺りでトレーニングされていたとのこと。
広河内岳からは東斜面に下り、更にハイマツに覆われた不明瞭なルートを右手に下りて行きます。この時はガスも抜けてくれたのでコースはバッチリ確認できました。
1
ハイマツジャングルを抜けると樹林帯。吹きっさらしから樹林帯に入ると暑さを感じ始めました。それにしても道が細く重装備のハイカーには厄介そう。
この山梨県の山頂碑の脇に奈良田と転付峠行のコース入口に分かれます。勿論、奈良田に下山します。この期に及んで転付に浮気するガッツはないです。
更に下って1,760m地点。もっと走りやすくなります。しかし、引き続き足元が滑ります。何度もしりもちをつきスッテ〜ンとやります。
感想
本日の記録は、美しい山岳風景とは無縁かもしれません。稜線ではガスの世界で展望なし。気温も低く時には寒い思いすらしました。しかし、個人の記録としてはとても充実したものでした。天候と引き換えにスピードを手にすることができただけでなく、展望がないことにより自分自身のペースに集中し全行程をこなすことができました。
全ては前夜から始まります。
今週は天候に恵まれない毎日。ただ、なぜか甲府近辺だけは比較的良い天気予報が配信されてきます。最初は甲斐駒や早川尾根あたりを考えましたが、最終的にはこれまで実行に移せなかった広河原から笹山まで一気に抜けるコースを完遂する決心をしました。
前回の白峰三山の山行同様、奈良田に向けて車を飛ばします。天気予報は悪くないはずでしたが、奈良田に近づくにつれて本日の天気が期待通りでないことが見えてきます。空は重い雲に覆われており幾分暗い感じです。「こりゃダメかなぁ」と思いつつも広河原行のバスに乗り込みました。広河原を出発した後も、大樺沢には早速ガスが上がってきたり、八本歯を見上げてもガスに包まれている状況にテンションもいつになく低かったです。
このテンションの低さは北岳山頂でピークに。まづ、山頂に誰もいません。そして、決まったように西風が吹きつけます。雨もパラパラ。寒い！トレランのいでたちだったせいもあり、とても寒く感じました。一瞬「このまま草すべりに抜けて下りようかな」と考えたりしました。とりあえず、行ける所まで行ってみようと気持ちを抑えて、北岳山荘を目指しました。
小雨に打たれ寒かったので、北岳山荘では屋内で休ませていただく事に。ここで少しだけ休んでいると体が温まってきて気持ちに余裕が出てきました。「体調は悪くない。とにかく行こう！」気持ちが少しずつ前向きになり始めました。
北岳山荘を出た時からmp3を聞き始めます。音楽のリズムに乗りながら少しずつ自分自身のペースに集中していきます。心と体が空中分解寸前だった先程までが嘘であるかのように、目指す先に向かってひとつになっていきます。周囲は雨と風なのにmp3の音楽はやたらと心地良く、悪天候を気にせず登山道を快調なペースで進み始めました。気がつくと間ノ岳を抜け、農鳥小屋まで来てました。ここで、先に休んでいた若い登山パーティーと話をします。白峰南嶺の話をしたところ歩いた事があるらしく情報を貰う事ができました。
更に先を目指します。農鳥小屋から西農鳥岳の上り返しは西斜面をトラバースしますが、ここでは結構な風を受け再び寒い思いをしました。しかし、この「寒さ」が今回の山行の良かったところでもあると思います。二週間前にも白峰三山に足を運びましたが、その時は暑さでかなり消耗しました。それに比べて今回は消耗どころか1リッターのハイドレーションをほとんど使う必要がありませんでした。景色は得られず寒かったわけですが、その代わりにこれまでにないペースで先に進むことができたのです。
大門沢下降点到着が昼前。とてもよいペースでした。疲労感なし。気持ちが前を目指すぞという目的意識を持ってシャキっとしていました（実はこれが一番大切だったりします）。しかし、ここからです。白峰南嶺は未踏のトレイルでありコース状況も頭に入ってません。はっきり把握できているのは、農鳥小屋で登山パーティーに教えてもらった広河内岳から稜線に下る方法のみでした。
大門沢下降点で小休憩後、広河内岳山頂を目指します。広河内岳山頂はニセピークを越えたガスの向こうにありました。そして、確かに白峰南嶺に抜ける登山道も広河内岳東斜面にかすかに確認できました。「山頂から一旦東側に抜け斜面を右方向にうねるようにして下りながら登山道に入る」というアドバイスは適切でした。幸いにして、この時はガスも少し晴れてくれたので登山道がどこにあるか500-600m先まで確認することができました。
白峰南嶺の登山道は、情報通り明確ではありませんでした。斜面の緑はたいていハイマツであり、マーキングもちらほら散在するのみです。今回いくぶんガスってましたので、ところどころに積み上げられたケルンが役に立ちました。ケルンは2,3個の石を最低限積み上げた程度のものでしたが、目を凝らしてみると比較的短い間隔で設けられておりこれをキョロキョロ目安にしながら、時にハイマツを掻き分けつつ、かすかな登山道にそって進んでいきました。（通常、稜線が見えている限り迷う事はないと思います）
白峰南嶺に入ってからは完全に単独でしたが不安はなく、逆にこの真空空間を自分独りで満喫できてるという思いとこのロングコースを完遂できる嬉しさとワクワクした気持ちに後押しされました。
白河内岳を抜け、やがてハイマツの樹林が始まります。位置関係が把握しにくい樹林帯（稜線西斜面）をトラバースしながら小刻みのアップダウンが続きます。地図を時折確認しながら来たので笹山が近いのは分かってました。樹林帯が上り気味になります。それを上がりきると僅かですが森林限界に到達。そして、そのすぐ目と鼻の先の小山に山頂碑が見えました。「笹山だ、ヤッタぞ！」思わず声を上げてしまいました。
本日、長い距離をたどって来ましたがようやく目標の笹山に到着。感極まり嬉しさの余りしばらく立ちすくんで、今日一日の行動を振り返ってしまいました。遥か彼方の北岳がガスの向こうに見える思いでした。
その後は、この小さな森林限界の山頂からダイレクト尾根を一気に下りました。ほぼ直線に近い形で東に下った事もあり、大門沢ルートに比べだいぶ早く下山できました。
今回の山行、何が良かったかと言えば、厳しい環境下で自分の体力をひたすら試せた事とこれまで温めていた計画を思いのほか短時間（10時間以内）でコンパクトにまとめられたことです。天（そら）は決して微笑んでくれませんでしたが、自分の脚に翼を与えてくれました。山に感謝、ごちそうさまでした。
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素晴らしいですねこのコース(笑)
自分は八ヶ岳全山ラン→本沢温泉に変更しました
自分笹山まで繋ぎたいと考えてました
西風は八ヶ岳ですら寒かったので心中お察しします
もう少し雨対策できるウェアを持って行きたいのですが、なかなか丁度良いものがないです。
雨の時はいつもこんな感じで、毎回試行錯誤してます。
笹山に到着した時には雨が上がっていたので、山頂では気持ち良く過ごす事ができました。
対面の蝙蝠岳稜線を見たかったのですが、ガスに包まれて残念ながら見えず。
それにしても白峰南嶺は、手付かずの稜線という感じで開放的でした。
景色の抜けた日にゆっくり歩くのがいいですよ。
ainuさん、おはようございます。
またまたサクッとすごいことしてきちゃいますね〜
下山途中のブナの森が気持ちよさそうですね
結局、私は山はナシの夏休みでした。。。
今日から仕事です。
半日の予定。
早く終われたら近場で遊んでくるつもりです
今回、初めてダイレクト尾根（笹山から奈良田に抜ける登山道）にチャレンジしましたが、
ひたすら樹林帯の坂道です。展望はほとんどないのですが、
景色がなきゃ無いで、ブナなどの植生を楽しむことができました。
天気が悪かろうと非日常を楽しむ方法っていくらでも有りそうな気がします。
ついにきました。このコースは凄すぎます。
スピード力が羨ましいです。
ainuさん
良い縦走ルートですね。
晴れた日は凄く良さそうです。
広河原では確実にニアミスしてますね
3枚真の写真に写っているかも？
ここまで行きますか
しかしainuさん、このペースは凄すぎます
自分だと無理なのではなから計画しませんね
南部との境界の尾根は、歩いてみたいとは思っていましたが、このレコを見て俄然歩きたくなりました。でも夜行日帰り2回に分割かな〜。白峰三山は抜きですが
Futaroさんの脚力があれば全然こなせるコースですよ。
ただし、バスを利用する必要があるので出発時間は明け方以降になってしまいます。
これを良しとすれば後は奈良田目がけて笹山までひたすら歩くだけです。
Futaroさんには比較的手付かずの白峰南嶺を歩いてもらいたいです。
あそこは走るところでなく、ゆっくり景色を味わって行く所です。
あそこでテントを張って蝙蝠岳を眺める、なんていうのも良いと思います。
実は、足場の悪い大門沢上部を下るより笹山まで緩やかな稜線を抜けて
ダイレクト尾根で下る方が負担が少ないと見ています。
2300付近テン泊のアラフィー二人組です。
ただ、第１駐車場に２台で前泊（１枚目の写真の奥の方）だったので、イメージされている方とは違うのかな？？
畑薙への道路が通れず転戦してきた60代の方々のことでしょうか。
それにしてもこのコースを１日でなんて、凄すぎます。荷物が軽くても２日は欲しいところです。
この日は稜線の上まで出ようと思っていたのですが、寝坊と天気（特に稜線上の風）が気になって、無理をせず早めのテン泊としました。
飲みながら人の気配は感じていたのですが、前述のベテランが来たのかな（それにしては通過？！）と思っていました。
農鳥小屋で情報を得たパーティーの人達は途中テン泊したようで、翌日稜線上ですれ違いました。
うわぁ〜、すごい！
あのテントはfireboltさんのでしたか。ヤマレコ繋がりなんてビックリです。
おっしゃる通り、こちらの勘違いであのテントは60代のお二人かと思ってました。
（あのお二人が畑薙からの道路が通れず奈良田にまわってきたなんてつゆ知らずでした）
しかし、あの60代お二人にその後下山中出会わなかったという事は、
気付かないうちにテン場を見逃してしまったのだと思います。
これで前後関係が良く見えました。
農鳥小屋で会った若者パーティーも、実は会った時にボソボソと
「やっぱり俺たちみたいなのが居るんだ」なんて言っていたのを思い出します。
あのパーティーも南嶺に向かったのですね。
（てっきり大門沢に下ったのかと思いました）
でも、fireboltさん、あそこでテント泊としたのは正解でしたね。
翌日は気持ちよく晴れましたし、そしてその翌々日も。
テン泊せず、一気に抜けてしまう自分からするとホント羨ましい限りです。
また、どこかでお会いできればと思います。
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