双六岳・黒部五郎岳(新穂高から)

- GPS
- 28:46
- 距離
- 50.5km
- 登り
- 4,127m
- 下り
- 4,144m
コースタイム
5/4 6:40双六小屋-8:30三俣蓮華岳-9:30黒部五郎小舎-12:00黒部五郎岳-13:00黒部五郎小舎-15:30三俣蓮華岳-17:10双六小屋
5/5 6:40双六小屋-8:10双六岳-9:40双六小屋10:10-11:30弓折岳12:00-13:00わさび平小屋
| 天候 | 1日目 晴れ 2日目 晴れのち雪 3日目 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
左股林道へはロープウェー乗り場のバス駐車場奥から橋を渡ります |
写真
感想
双六岳は数年前同じ時期に日帰りで行ったことがありますが、今回は双六小屋ベースで黒部五郎ピストン、カール滑走を狙います。
★5月3日
前夜移動で平湯にて力尽き車中泊。仮眠3時間後新穂高へ。栃尾の信号を右折したところで車にトラブル発生。アクセル踏んでも回転数上がらずそのうちエンスト自走不能に。多分燃料ポンプの突然死。この車種型式でよくあることらしいことは知っていましたがこのタイミングとは…。JAFを呼び高山市内の整備工場へ運んでもらう。修理に日数がかかりそうなので車は整備工場に預けます。まだ時間もはやいので整備工場の方に車で高山駅まで山行荷物とともに送ってもらいバスで再び新穂高へ。
新穂高発が10:30となってしまいましたが今日はどこまでいけるか…、双六小屋までは厳しいか…、鏡平あたりでテン泊か…、そうすると予定が狂うな…など考えつつ林道を進むと穴毛谷分岐あたりから積雪となりシール歩行開始。以前の双六日帰りでは林道は全層デブリだらけで非常に苦労した記憶があります。予想はしてましたがやはり今回はデブリは大したことはないです。途中雪が途切れスキーを脱ぎますがそれでも順調に小池新道入口に12:30到着。ここも例年は全層デブリワールドですが今回は大したことありません。多分3月に降雪がなく気温も高かったためかと思われます。
ここから大ノマ乗越まで標高差1000m、とりあえず時間を気にしながら黙々と小池新道を登り上げていきます。まずまずのペース。とりあえず大ノマ乗越まで行くことにします。そして16:30大ノマ乗越到着。乗越に乗り上げる雪壁も大したことはなくシールで上がれました。この時間なら暗くなる前に双六小屋まで行けそうです。夕方になり雪も締まっているので弓折稜線からの雪崩のリスクも少ないでしょう。
シールを剥がして乗越からのルンゼを双六谷に向け滑り降ります。雪が固いのでとりあえず安全に降りるという滑り。そして双六谷の底を再びシールで進みます。今日はいろいろあって疲れておりペースが落ちますが何とか暗くなる前に双六小屋到着。冬季小屋は10名ほど先着の方が入ってましたがもう1人は入れそう。テント張る手間が省けほっとします。水作って飯食って外に出ると満天の星空です。長い一日が終わりました。
★5月4日
今日は黒部五郎ピストン。今回の山行の最大の目的はもちろん五郎カール滑走です。行程が長いので装備はビバークに必要な最低限のものだけにし軽量化します。昨日到着が遅かったこともありちょっと遅めの6:40双六小屋スタート。雪はかっつんかっつん、最初からクトーを付けておきます。巻き道→中道と徐々に高度を上げていきますがちょっと遠回りだったかな。中道から稜線へ乗り上げるところで先行PTに追いつきます。今日は高天原へ行くとのこと。丸山への登りは右側が切れ落ちており雪も固いのでツボアイゼンにチェンジ。稜線上は雪カチカチそのままアイゼン歩行で三俣蓮華へ。三俣からの下りも雪カチカチ尾根が狭い両側は崖or滑り台。スキーで下るのは危険と判断しそのままアイゼンで下ります。広い尾根に出て下を見ると五郎の小舎が見えました。小屋への下りは雪がよければ快適大斜面ですが今日はカチカチアイス滑落したら止まれそうもない。ここもアイゼンで下り半分くらいのところからスキー滑走。そして小舎到着。この時間になると雪もゆるんでシールでも行けそうでしたが山頂付近はまたアイゼンとなりそうなのでここもアイゼンで向かい側の広い尾根を登ります。
天候は悪化傾向すでに太陽は雲の向こうです。このまま気温が上がらないと雪もカチカチに戻ってしまいカール滑走も微妙か…などと考えつつ進みます。と、多分前日五郎小舎泊と思われるPTがカールを滑っています。この時間雪は良いようです。しかしスキーブーツのアイゼン歩行は疲れます。というかスキー歩行のラクさに慣れすぎてしまったのか。たまにズボッとなるといやになってきますが、途中からツボの先行トレースを見つけたのでありがたく使わせていただきだいぶ楽ができました。そして黒部五郎岳山頂到着。そのままアイゼンで下りドロップポイントを探します。結局かなり回り込んで夏道のカール下降点からにします。先行PTも同じところからだったようです。雪はだいぶ固くなってしまったようですがまあ行けないことはなさそうです。斜度もそれほどエグくはないです。
そしてカールへ飛び込む。雪は固めイマイチながらもカールに念願のターンを刻みます。そしてあっという間に雷岩、ここで小休止、ゴロンと横になったりしますが時間的にはかなり押してますのでやはり先を急ぐことにします。小舎までトラバース気味にひと滑り。いつの間にか雪が降ってます。これで明日はパウダーかと条件反射でうれしくなってしまいますがガスも出てきて状況的には厳しいです。三俣蓮華への登り返しは最初はシール、やせ尾根からはアイゼンにチェンジ。今日はアイゼン大活躍。しかしスキーと比べるとやはり時間を食います。
天候は小雪&ガスで視界20m。しかし露出した岩やらハイマツやらでルートファインディングは三俣蓮華〜丸山〜中道分岐までの稜線は問題なし。しかし目標物がうっすらと見える以外は足元しか見えないので慎重にならざるをえず時間は喰います。
ちょっとヤバメかなとビバークが現実味を帯びてきてすこし焦り始めます。が、ここでまだ冬毛のライチョウに出会い落ちつけました。ライチョウは冬は比較的標高の低いところにいるらしいですがこの時期はもう高いところに戻っているようです。
中道分岐からはスキー+シールにチェンジ。このあたりは目標物もなくだだっ広い雪原です。もう足元しか見えませんが本当のホワイトアウトは足元も見えなくなるのでまだましです。あまり頼りたくはないですがここでGPSの出番です。こういう状況では地図コンパスだけだと現在位置がわからなくなるので厳しいです。GPSで現在位置を確認しながら中道ルートで直登ルート分岐をめざします。軽い登りを登りきったところでシールを剥がします。視界も幾分良くなってきたようです。分岐の道標も見えました。そして双六池目指して沢筋旧道を滑り降りる。時間は17時を過ぎていますが明るいうちに戻ってくることができました。今日の行程の半分以上はアイゼン移動せざるをえず時間がかかってしまいました。ちょっと読みが甘かった。反省です。
★5月5日
今日は快晴。でも下山日。双六、弓折の各山頂からの滑降を狙うことにします。
6:40小屋出発。テントやシュラフなどは小屋に置いていきます。双六山頂へは通常は春道ルートが登りやすいですが山頂台地からの槍西鎌を見たかったので直登ルートで行くことにします。分岐からアイゼンかなと思っていましたが先行者はシールで登っていますので自分もシールで行くことにします。雪面はカチカチでシールでは次第にきつくなります。先行者はかなりのツワモノのようです。中腹あたりでシールをあきらめアイゼンにチェンジ。ガシガシ直登します。そして山頂台地末端。槍へ伸びる西鎌の稜線の眺めが素晴らしい。
ここから再びシールにチェンジしますが雪はさらにハードというかスケートリンクです。石も邪魔です。斜度はないですがちょっと無理っぽいので再びアイゼン、夏道ルートをたどります。そして山頂。先行者は単独テン泊のようです。挨拶を交わすと重いであろうザックを背負って颯爽と双六谷方面へ滑り降りていきます。やはり滑りもツワモノです。
今日は時間に余裕があるので山頂で存分にまったりしてからの滑走です。とりあえず中峰(?)とのコルまで滑ってからカールへドロップ。南まわりで行きます。雪はまずまず、快適にターンを刻みます。山頂台地側は沢状地形ですが今回滑った南稜寄りは傾斜がゆるかったりきつかったり変化があります。緩斜面で南へまわり急斜面で快適ターンを楽しむ。を何度か繰り返すとあっというまに双六谷出合。
ここからシールで登り返し冬季小屋に置いてあった荷物を回収。快適だった冬季小屋に別れを告げ弓折稜線へ向けトラバース気味に登っていきます。樅沢岳西側斜面はまだカッツンカッツン、滑落しないよう慎重に進みます。そしてコル到着、槍穂高の眺めがすばらしい。天気も良くまさに稜線漫歩、雪庇には注意しつつも写真撮りまくりでのんびり進みます。
そして弓折山頂。まったりしつつ滑走準備。そして尾根の右側からドロップ。少々重いがナイスザラメの爽快斜面。そのまままっすぐ滑っていきたい誘惑にかられますがとりあえず弓折中段をめざし左よりに進路をとる。弓折中段のコルで少し足休めし下を見れば鏡平、快適ターンで滑り込む。
鏡平山荘は雪の下に完全に埋もれてますが雰囲気的にはやはり鏡平。槍ヶ岳のビューポイントです。テン泊も何組かいたようです。あとは小池新道に滑り込むと先行トレースに乗って腐った雪をかわしつつ林道へ。林道はビン・ブーツともウォークモードにしてクロスカントリーの要領で進みますとわさび平小屋到着。
水場が出てますのでラーメン食べたりします。1時間ほどまったりしてさあ行くかというときちょうど通りがかった方が私の滑りを見ていたようで褒めてくれました。100%我流スキーですが褒められるとうれしいです。まあ道具の進歩のおかげですが。その方のパーティーはショートスキー(ウロコ板?)に登山靴、ビンはジルブレッタ?というクラッシックかつ軽快そうな装備。足首が固定されない登山靴で滑るというのがすごいです。こういうスキーもいいなあ。
帰りの高速バスは高山発5月6日朝、新穂高の始発バスに乗ればOKなので今日は新穂高周辺の適当な場所でテント野宿とします。穴毛谷の偵察に行ったり温泉に入ったりして時間を潰しました。
初日、2日目はちょいキツかったですがほぼ予定通り目的も果たせ3日目は存分に楽しめました。状況によってはスキーが使えないこともあるのでスキーの機動力を過信するのは禁物ですね。
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bocker
















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