ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 5795011
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

【八峰キレット】扇沢ー爺ヶ岳ー鹿島槍ヶ岳ー五竜岳ー唐松岳ー八方尾根

2023年08月03日(木) 〜 2023年08月05日(土)
情報量の目安: S
都道府県 富山県 長野県
 - 拍手
体力度
9
2〜3泊以上が適当
GPS
51:30
距離
28.8km
登り
3,453m
下り
3,025m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
4:29
休憩
1:02
合計
5:31
距離 9.9km 登り 1,608m 下り 621m
6:50
10
7:00
7:07
48
8:09
8:11
39
8:50
26
9:16
9:22
22
9:44
10:12
39
10:51
15
11:06
11:17
29
11:46
21
12:07
14
12:21
2日目
山行
7:14
休憩
1:14
合計
8:28
距離 9.4km 登り 1,212m 下り 1,130m
4:32
9
4:41
4:42
47
5:29
5:30
39
6:09
6:27
63
7:30
7:40
11
7:51
8:09
95
9:44
10:07
118
12:05
12:08
52
13:00
3日目
山行
4:31
休憩
0:39
合計
5:10
距離 9.5km 登り 618m 下り 1,262m
5:10
4
5:14
5:15
48
6:03
72
7:15
7:18
6
7:24
7:27
18
7:45
8:00
12
8:12
8:22
31
8:53
11
9:04
9:08
24
9:32
9:33
11
9:44
9:46
3
9:49
6
9:55
5
10:00
7
10:07
13
天候 いずれの日も晴れのち夕立
過去天気図(気象庁) 2023年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス 自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
・信濃大町駅前の駐車場を利用
・扇沢までバスで移動
・八方尾根に下山後、白馬駅まで徒歩
・白馬駅から信濃大町駅まで電車で戻って車を回収
コース状況/
危険箇所等
鹿島槍ヶ岳の南峰から五竜岳までの長丁場はスタミナ注意
その他周辺情報 八方尾根下山後に、みみずくの湯へ
扇沢駅から10分ほど下って柏原新道からスタート
2023年08月03日 07:05撮影 by  Pixel 6a, Google
8/3 7:05
扇沢駅から10分ほど下って柏原新道からスタート
ケルンあたりまで進むと種池山荘まで見通せる 暑い...
2023年08月03日 08:01撮影 by  SC-54B, samsung
8/3 8:01
ケルンあたりまで進むと種池山荘まで見通せる 暑い...
種池山荘の遠景 ここから1時間半ほどかけて登っていきます
2023年08月03日 07:58撮影 by  ILCE-5000, SONY
1
8/3 7:58
種池山荘の遠景 ここから1時間半ほどかけて登っていきます
種池山荘到着
2023年08月03日 09:41撮影 by  Pixel 6a, Google
8/3 9:41
種池山荘到着
早くもガスが上がってきた
2023年08月03日 10:21撮影 by  SC-54B, samsung
8/3 10:21
早くもガスが上がってきた
爺ヶ岳の頂上はときおり濃いガスに包まれているが流れは早い
2023年08月03日 09:48撮影 by  ILCE-5000, SONY
8/3 9:48
爺ヶ岳の頂上はときおり濃いガスに包まれているが流れは早い
爺ヶ岳
2023年08月03日 10:21撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/3 10:21
爺ヶ岳
コマクサ
2023年08月03日 10:55撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/3 10:55
コマクサ
爺ヶ岳中峰
2023年08月03日 11:07撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/3 11:07
爺ヶ岳中峰
だいぶ先が見えてきたので長めに休憩して劔岳撮影タイム 岩壁の迫力を感じる
2023年08月03日 11:31撮影 by  ILCE-5000, SONY
8/3 11:31
だいぶ先が見えてきたので長めに休憩して劔岳撮影タイム 岩壁の迫力を感じる
2023年08月03日 12:08撮影 by  SC-54B, samsung
8/3 12:08
冷池山荘に着き初日行程終了 立山方面は基本ガスだが流れ去ったり再びかかったりと表情が変わっていく
2023年08月03日 13:21撮影 by  ILCE-5000, SONY
8/3 13:21
冷池山荘に着き初日行程終了 立山方面は基本ガスだが流れ去ったり再びかかったりと表情が変わっていく
雄山神社の社務所もうっすら見えたり隠れたり
2023年08月03日 13:21撮影 by  ILCE-5000, SONY
8/3 13:21
雄山神社の社務所もうっすら見えたり隠れたり
冷池山荘夕食。夕食時に夕立あり
2023年08月03日 17:04撮影 by  Pixel 6a, Google
8/3 17:04
冷池山荘夕食。夕食時に夕立あり
2日目は長丁場かつ、夕立が心配なので4:30発
2023年08月04日 04:37撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/4 4:37
2日目は長丁場かつ、夕立が心配なので4:30発
前回は見えなかった鹿島槍ヶ岳が今日はしっかりと見えている
2023年08月04日 04:44撮影 by  Pixel 6a, Google
2
8/4 4:44
前回は見えなかった鹿島槍ヶ岳が今日はしっかりと見えている
昨日の夕立で露に濡れるチングルマ
2023年08月04日 04:50撮影 by  SC-54B, samsung
8/4 4:50
昨日の夕立で露に濡れるチングルマ
明るくなってきた
2023年08月04日 04:55撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/4 4:55
明るくなってきた
立山連峰にも陽が当たり
2023年08月04日 05:02撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 5:02
立山連峰にも陽が当たり
朝日
2023年08月04日 05:03撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/4 5:03
朝日
爺ヶ岳の稜線
2023年08月04日 05:17撮影 by  Pixel 6a, Google
2
8/4 5:17
爺ヶ岳の稜線
布引山をパス
2023年08月04日 05:29撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/4 5:29
布引山をパス
月と立山と登山道
2023年08月04日 05:33撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/4 5:33
月と立山と登山道
五竜岳が見える
2023年08月04日 06:10撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 6:10
五竜岳が見える
鹿島槍ヶ岳到着
2023年08月04日 06:11撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/4 6:11
鹿島槍ヶ岳到着
これが八峰キレット。凸凹やないか...
2023年08月04日 06:52撮影 by  Pixel 6a, Google
3
8/4 6:52
これが八峰キレット。凸凹やないか...
鹿島槍ヶ岳の南峰からすでに結構厳しい道のり
2023年08月04日 07:04撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 7:04
鹿島槍ヶ岳の南峰からすでに結構厳しい道のり
キレットに向かって落ちるように下っていく
2023年08月04日 07:10撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 7:10
キレットに向かって落ちるように下っていく
キレット小屋見えた
2023年08月04日 07:21撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/4 7:21
キレット小屋見えた
この辺が八峰キレットらしい
2023年08月04日 07:35撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/4 7:35
この辺が八峰キレットらしい
「ここがキレット バランス取って慎重に」
2023年08月04日 07:35撮影 by  Pixel 6a, Google
2
8/4 7:35
「ここがキレット バランス取って慎重に」
岩間から差す陽光がまぶしい
2023年08月04日 07:36撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/4 7:36
岩間から差す陽光がまぶしい
2023年08月04日 07:36撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 7:36
2023年08月04日 07:37撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 7:37
丁寧に鎖がつけられている
2023年08月04日 07:39撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/4 7:39
丁寧に鎖がつけられている
2023年08月04日 07:39撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 7:39
2023年08月04日 07:40撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/4 7:40
いや・・・想像したよりも八峰キレットそのものは特に高度感もなく、対策されているためかなんなく通過
2023年08月04日 07:40撮影 by  SC-54B, samsung
8/4 7:40
いや・・・想像したよりも八峰キレットそのものは特に高度感もなく、対策されているためかなんなく通過
キレット小屋直前はなかな厳しい。穂高岳小屋のあたりっぽい感じ
2023年08月04日 07:48撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/4 7:48
キレット小屋直前はなかな厳しい。穂高岳小屋のあたりっぽい感じ
キレット小屋到着。水が不足しているらしく、コーラよりも水が高い現象
2023年08月04日 08:00撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 8:00
キレット小屋到着。水が不足しているらしく、コーラよりも水が高い現象
キレット小屋から
2023年08月04日 08:08撮影 by  SC-54B, samsung
8/4 8:08
キレット小屋から
妙に幻想的な雰囲気
2023年08月04日 08:11撮影 by  Pixel 6a, Google
3
8/4 8:11
妙に幻想的な雰囲気
この先も
2023年08月04日 08:36撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 8:36
この先も
こんな感じの道がひたすら続く
2023年08月04日 08:38撮影 by  Pixel 6a, Google
2
8/4 8:38
こんな感じの道がひたすら続く
北尾根ノ頭で東北東からの剱岳 昨日の東南東アングルとまた違ってかっこいい
2023年08月04日 09:48撮影 by  ILCE-5000, SONY
1
8/4 9:48
北尾根ノ頭で東北東からの剱岳 昨日の東南東アングルとまた違ってかっこいい
歩いてきた稜線がガスに包まれる
2023年08月04日 11:12撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 11:12
歩いてきた稜線がガスに包まれる
最後の五竜岳への登り
2023年08月04日 11:23撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/4 11:23
最後の五竜岳への登り
2023年08月04日 11:33撮影 by  SC-54B, samsung
8/4 11:33
足元から突然、雷鳥のヒナたちが現れた!
最後の急登で癒やされる
2023年08月04日 11:33撮影 by  Pixel 6a, Google
3
8/4 11:33
足元から突然、雷鳥のヒナたちが現れた!
最後の急登で癒やされる
親鳥も
2023年08月04日 11:35撮影 by  SC-54B, samsung
8/4 11:35
親鳥も
長かった...
2023年08月04日 11:59撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 11:59
長かった...
五竜岳到着
2023年08月04日 12:04撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/4 12:04
五竜岳到着
五竜山荘に到着
2023年08月04日 12:58撮影 by  Pixel 6a, Google
8/4 12:58
五竜山荘に到着
クマだ! という声が上がった視線の先を追うと数百メートル崖下に子熊が居た
2023年08月04日 16:39撮影 by  ILCE-5000, SONY
4
8/4 16:39
クマだ! という声が上がった視線の先を追うと数百メートル崖下に子熊が居た
画像が荒いけれど肉球が見えています
2023年08月04日 16:38撮影 by  ILCE-5000, SONY
2
8/4 16:38
画像が荒いけれど肉球が見えています
草をかじっている 人に会わず平穏に生きてほしい
2023年08月04日 16:38撮影 by  ILCE-5000, SONY
1
8/4 16:38
草をかじっている 人に会わず平穏に生きてほしい
五竜山荘の夕食は名物カレー
2023年08月04日 17:32撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/4 17:32
五竜山荘の夕食は名物カレー
3日目は陽が出てから出発
2023年08月05日 05:03撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/5 5:03
3日目は陽が出てから出発
朝日を浴びる五竜岳
2023年08月05日 05:05撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/5 5:05
朝日を浴びる五竜岳
3日目の行程。2日目に比べれば...
2023年08月05日 05:14撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/5 5:14
3日目の行程。2日目に比べれば...
とても...歩きやすいですw
2023年08月05日 05:14撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/5 5:14
とても...歩きやすいですw
最低コルで小休止 唐松岳頂上へ人がひっきりなしにやってくるのが遠目に見えます 今日はここまで行きます
2023年08月05日 05:40撮影 by  ILCE-5000, SONY
8/5 5:40
最低コルで小休止 唐松岳頂上へ人がひっきりなしにやってくるのが遠目に見えます 今日はここまで行きます
振り返って劔岳は荘厳そのもの
2023年08月05日 05:41撮影 by  ILCE-5000, SONY
8/5 5:41
振り返って劔岳は荘厳そのもの
最後の岩場スタート
2023年08月05日 06:44撮影 by  Pixel 6a, Google
8/5 6:44
最後の岩場スタート
フリクションが効くので難しくはない
2023年08月05日 06:47撮影 by  Pixel 6a, Google
8/5 6:47
フリクションが効くので難しくはない
2023年08月05日 06:54撮影 by  SC-54B, samsung
8/5 6:54
牛首が見えてきた
2023年08月05日 06:57撮影 by  Pixel 6a, Google
8/5 6:57
牛首が見えてきた
2023年08月05日 07:12撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/5 7:12
すれ違いに注意しつつ
2023年08月05日 07:15撮影 by  Pixel 6a, Google
1
8/5 7:15
すれ違いに注意しつつ
唐松頂上山荘に到着
2023年08月05日 07:17撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/5 7:17
唐松頂上山荘に到着
窓に映る景色良い
2023年08月05日 07:25撮影 by  Pixel 6a, Google
8/5 7:25
窓に映る景色良い
唐松岳を往復して
2023年08月05日 07:56撮影 by  Pixel 6a, Google
8/5 7:56
唐松岳を往復して
こちらは不帰ノ嶮
2023年08月05日 07:46撮影 by  Pixel 6a, Google
8/5 7:46
こちらは不帰ノ嶮
唐松岳頂上は今回の山行における槍への最遠点 39.5km離れた槍ヶ岳山荘・小槍・穂先までくっきり見える快晴でした
2023年08月05日 07:49撮影 by  ILCE-5000, SONY
2
8/5 7:49
唐松岳頂上は今回の山行における槍への最遠点 39.5km離れた槍ヶ岳山荘・小槍・穂先までくっきり見える快晴でした
あとは下山するのみ
2023年08月05日 08:30撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/5 8:30
あとは下山するのみ
八方池に寄ってみたがガスで白馬は見えず
2023年08月05日 09:44撮影 by  Pixel 6a, Google
8/5 9:44
八方池に寄ってみたがガスで白馬は見えず
高度を下げると暑い...
2023年08月05日 10:07撮影 by  Pixel 6a, Google
8/5 10:07
高度を下げると暑い...
リフトとゴンドラに課金して楽をする
2023年08月05日 10:24撮影 by  SC-54B, samsung
8/5 10:24
リフトとゴンドラに課金して楽をする
信濃大町駅まで戻って、くんくん亭でお昼
2023年08月05日 13:30撮影 by  Pixel 5, Google
8/5 13:30
信濃大町駅まで戻って、くんくん亭でお昼
こちらレギュラーサイスのチキンカツ...レギュラー?
2023年08月05日 13:30撮影 by  SC-54B, samsung
1
8/5 13:30
こちらレギュラーサイスのチキンカツ...レギュラー?
雷鳥の里の里。田中屋本店に寄ってみる
2023年08月05日 14:02撮影 by  Pixel 5, Google
8/5 14:02
雷鳥の里の里。田中屋本店に寄ってみる
聖地巡礼的なやつ
2023年08月05日 14:06撮影 by  Pixel 5, Google
8/5 14:06
聖地巡礼的なやつ

装備

個人装備
長袖シャツ ソフトシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 ザック ザックカバー 昼ご飯 行動食 非常食 ハイドレーション ヘッドランプ GPS ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め 携帯 時計 ストック カメラ ヘルメット

感想

一年に何度かの天候チャンス 計画いただき山小屋の予約が取れたので2泊3日の縦走と相成りました

八峰キレットは三大キレットのひとつとされますが「この道は簡単」「これは難しい」というのは言及しません
そもそも登山道の確立していない山を登れば家の裏山でだって人は簡単に遭難しますし、悲しい事故ケースを耳にします
登山道の難易度なんていくらでも上げられますし 高難易度とされる場所についての「鎖要らなかった笑」 「ここは簡単だった笑」自慢の類は基本的にすべて害悪で読む価値無しというか
それを読んだ人がスキル・装備重量・天候・登山道の混雑度合いなどを加味せずに無茶な行動をして事故にあうことの想像ができないのだろうな、せめて仲間内に留めてほしいなと感じてしまいます

さて、北アルプス縦走の機会ごとに強く感じるのはメジャーなルートの整備が異常に行き届いていることで、あれだけの大人数が行き来しても事故数が抑えられているのは道中に真の危険箇所をなるべく作らないようにして事故を減らそうという努力のたまものです
登山道整備の現場に行き当たったり整備の痕跡を見つけるたびに、一定の体力・装備・スキルを持ち適切な計画のもとに行動する登山者向けに設計・実装・運用されている「「一般登山道」」という箱庭で比較的安全にレジャーとして楽しませてもらっている、ルート経験者と一緒に行くなら尚更、という自覚が強くなります

これら登山道は北アルプスの山小屋の収益に支えられてきた部分が大きいのですが、登山がメジャーな趣味化してインバウンド需要も取り込めつつある好ましいはずの状況ながら山小屋は瀕死状態にあります

まず、コロナ禍で北アルプスの山小屋は完全予約制・宿泊配置もグループごとの間隔を取る運用をしています
かつて激混みで有名とされた五竜山荘の定員16名と記された区画が今回2グループ4名で「満室」となって広々と使えたのはありがたいですが
これは経済的に立ち行かないなと正直思いました
ピークシーズンに稼働率25%しか予約を取れないとか、歯がゆさを想像するに余りあります

これは五竜山荘の話ではありませんが、大人数での宴会禁止と注意喚起される中で10名超で大声を出して宴会しているグループが居ても 彼らは利幅のあるビールやウィスキー・乾き物を最も購入する人々でもあるため山小屋スタッフさんとしても見てみぬふり、となるのを責められるものではないでしょう
小屋としては小屋スタッフを守りつつ大規模感染の風評が立たないことを祈るぐらいしか根本的に出来ることはないので、私はせめて「なるべくマスク着用をお願いします」というもはやほとんどの人の目に触れていない注意書きに従ってマスク着用して会話を控える、ぐらいしか出来ることはないなと無力感をおぼえました

また、原油高によるヘリ荷揚げ料金高騰の影響も強く感じます
今回 ポカリスエット500mlペットボトルの価格は小屋によって異なり500-700円で、登山者にとって恵みの好天の裏返しである雨の少なさ・水備蓄の乏しさも相まって1人あたり1-2本といった購入制限をかけている小屋が多くありました
それでもソフトドリンクは登山者ライフラインの一部として販売している色合いが強く 登山者からは高い高いとブーブー言われつつこれらを販売しても大した収益にはならないだろうな、と感じます
水不足となるとスポーツドリンクの売上が伸びるのが道理ですが、ピークシーズンに大量販売することに経済合理性のあるそれら商材の在庫確保に苦労して購入制限しているということは荷揚げスケジュールか単価面の折り合いが崩壊していると想像できるためです

五竜山荘ではトイレに設置された手洗い用の水道に水不足のため用途制限(手洗い・歯磨き以外の利用不可)の旨を記載しており、これが単なるポーズではないと感じさせる、次のような出来事がありました

たまたま食堂で聞こえてきた
「日焼け止めを落とすのに時間かかりますよね」
「えっ トイレのとこの水道で全然顔とか洗えますよ笑笑」
という会話に
厨房で作業をされていた小屋の方が手をとめて
「今 水不足なので水道での洗顔は止めてください」
と声を掛けてピリッとした空気が流れたところに登山者との温度差を感じました

下山時にすれ違った唐松岳頂上山荘へと飲料を歩荷している方の姿を思い出しつつ、ちゃんと日当出てるのかな、結局ほぼ無償ボランティアで広義のやりがい搾取なのではなかろうか、とぼんやり思うばかりでした

今回のような人気ルートではなく人があまり来ない小屋やその経路を通ってみると それらに通じる道が最低限の安全確保に終始しており歩きやすさに注力した登山道整備は出来ていないと感じます
これは文句を言っているわけではなくて、小屋の経済的余裕が関連ルートの歩きやすさに直結するということです
前述のように小屋の経済的健全性を保つのが難しい状況では これから手入れをしきれなくなり、これまでなんでもなかった道が難路になっていく、事故が増える、という未来を想像してしまいます

安全を守るために入山料の議論は頻繁に出ますし 入山料として強制されなければ人は払わないのでさっさと徴収すべきと感じます
冷池山荘には協力金入れが設置されていましたがほとんどの人は気付いてすらいないでしょうし、私もいくら入れるのが良いかなと思っているうちに忘れてしまって協力金を入れずじまいでした


水といえば、今回の山行で弊パーティーは幸い水の量に終始余裕を持つことができました
最終日に八方尾根をくだって頭の中が非日常から日常へ戻っていくなかで、二日目の五竜への上り詰め手前で休憩タイミングのかぶったパーティーの方が
「水がもうほとんど無いから喉の乾く行動食(確かパン)は食べない」
という発言をしていたことを思い出し、そのときは耳で流してしまいましたがよく考えるとあの方は行動食の摂取不足によるスタミナ不足と水不足による判断力低下のダブルパンチの危険一歩手前状況にあったのではと背筋が寒くなりました

自分たちの水に余裕があるのはわかっていたので予備用に持っていた未開封ペットボトルを差し出せたなと、この先はそういう気の配り方もできるようになりたいと思いました

個人的にはどの山も一度登ったことがあるので、今回は未踏区間である八峰キレットを歩くことが目的。コースタイムと夕立の可能性を考えて2日目は早めの出発としたが、多くの人が夜明け前に出発しているようだった。
鹿島槍から五竜岳はとにかく長い...集中力とスタミナを試されるコースだと感じた。以前行った大キレットと比較すると

◯大キレット
・3時間半くらい
・高度感あり
・ほぼ岩場のみで岩を掴みそこねたり、踏み外すとアウト
・岩のフリクションは効くので、上手く体重を乗せていければ大丈夫
◯八峰キレット(鹿島槍ー五竜岳間)
・5時間半くらい
・高度感はさほどなし
・急なザレ場ガレ場で転倒の可能性があり、運が悪いと転倒時に滑落する可能性
・岩場もあるが、ザレ場ガレ場の連続かつ段差が大きい。岩の表面に砂が乗っていて滑らないと思った岩も滑る

八峰キレットの方が長時間緊張を強いられれる感じで、個人的には大キレットの岩場の方が楽しみはあったかなと。後半の唐松岳頂上山荘の手前の牛首はまぁまぁ楽しいです

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:403人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 白馬・鹿島槍・五竜 [3日]
扇沢〜鹿島槍ヶ岳〜五竜岳〜アルプス平縦走
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 白馬・鹿島槍・五竜 [4日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 白馬・鹿島槍・五竜 [2日]
技術レベル
4/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら