南ア北部百名山巡り ~仙塩尾根北半分通過~ (甲斐駒ケ岳~仙丈ヶ岳~間ノ岳~北岳)
- GPS
- 31:29
- 距離
- 39.6km
- 登り
- 4,276m
- 下り
- 4,751m
コースタイム
- 山行
- 5:06
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 6:45
- 山行
- 8:51
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 10:26
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 7:12
- 山行
- 4:48
- 休憩
- 2:11
- 合計
- 6:59
天候 | 午前晴れ、午後曇り、夕方雨、夜晴れの繰り返し 最終日12時から台風5号で暴風雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
地図では4日目が最初にきてしまい(GPSログ消去→手書きのため)、距離とコースタイムがおかしい。-7kmほど、ほぼコースタイム通りが正しい。 甲斐駒ケ岳・仙丈ヶ岳・間ノ岳〜北岳〜広河原は非常に整備された道。甲斐駒ケ岳の直登コースもしっかり三点支持すれば容易。下りに使う気にはならないが。 仙塩尾根に関して。 大仙丈ヶ岳への登りに細尾根のいやらしい岩場が少々。 高望池の旧テン泊指定地は原則使用禁止(ロープで仕切られている)。「どうしようもない」ビバークは可能な環境ではある。水場は確認せず。この水場以外に水場となりそうなところはなし。池は枯れていた。念のため6.5Lの水分を持って入った。 野呂川越から両俣小屋への斜面は急斜面で湿気があり滑りやすい。鬱蒼とした樹林帯なのでどの時間でも涼しいと思われるのが救いか。 三峰岳への登りは一部鎖場あり。注意が必要。岩稜帯はあちこちあるが、比較的整備されており安全。ハイマツ帯はトレースにハイマツが覆いかぶさり一部不明瞭。暗闇やホワイトアウトでは道迷いに注意。 |
その他周辺情報 | 仙流荘でひと風呂。駐車場の感謝も込めて。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
装備
個人装備 |
3シーズンテント
シュラフ
火器一式
|
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感想
今回の山行の目的は4つの百名山ピークハントと仙塩尾根を歩くこと。何より全てテントでこなすこと。しかも使うかもと思うものは全て持ち上げて今後の山行の参考にしようという試み。重量は22kgあまり。そこに予備の水分を数L追加しつつ歩くというもの。
前日
何とか20時頃に仕事を終わらせて帰宅。準備は終わっているのですぐに車で出発した。
高山からの下道は木曽福島へ抜けていったが、これでもかと言うくらいの山道アップダウンに疲れた。国道19号にようやく出て北上し権兵衛街道で山越えし伊那市へ。権兵衛街道の伊那市側の夜景を見ながらの下りは気持ちよく癒された。
深夜に24時間営業のスーパーを探して移動。1日目の夕食と2日目の朝食用の生モノと冷却用の凍らせたペットボトルを購入。仙流荘上の駐車場に移動して車中泊。爆睡。
1日目
朝から快晴。
今日はテントを先に張って軽装で甲斐駒ケ岳周回の予定。
北沢峠にバスで到着後、すぐに歩き始めて長衛小屋へ。今まさにテントを撤収した後にどうぞと勧められてテントを設営した。設営しながら前泊者とお話。前日は土砂降りだったこと、藪沢新道の雪渓の雪が多すぎて臨時の夏道が作られており足元が悪いこと(テン泊装備では登りにくいのではとのsuggestion)などなど。情報にお礼を言った。周りは小学生、中学生、高校生、大学生などなど。学生のBCになっていた。7-80張りほどあったろうか。
すぐに山行の準備をして甲斐駒ケ岳に向けて出発。
7時2分長衛小屋発。仙水峠への沢沿いの樹林の中を進む。苔むしていて涼しくて快適。苔むしたところは好物のようだ。落ち着く。
汗もかかず7時27分仙水小屋へ到着。通り過ぎる。しばらく行くとゴーロ帯になって視界が開ける、と同時にドームのような摩利支天が見えて来た。白くて異形を放っている。日差しが暑い。さらに進むと仙水峠。7時50分到着。すでに山梨側からガスが湧き上がって来ている。早くピークに向かわねば!
急登をこなして8時54分駒津峰に到着。人の多さいn嫌気がさして写真を撮ってすぐに行動開始。岩場で渋滞気味。9時11分六万岩。巻道との分岐では迷わず人気のない直登コースへ。忠実に3点支持を守って登った。所々砂礫で滑りやすいトラバースがあるが注意して進んだ。ピークが近づく頃にはまるでスターウォーズの世界のような白い砂漠に岩がゴツゴツした異世界が広がっていた。9時48分ピークへ。ピークは20人ほどの人だかり。まぁ当たり前ですかね。すでに雲が湧き上がっていてそれほどの眺望はない。昼食を食べて巻道から下山。せっかくだから摩利支天にも行こう。
10時4分帰路へ。10時19分摩利支天分岐。10時29分摩利支天。貸し切り。10時42分摩利支天分岐。11時15分駒津峰。帰りは稜線から北沢峠に降りるコース。甘く見すぎて水分が足りない。北側から吹く風が涼しくて気休めにはなる。この辺りはアップダウンで森林限界とハイマツ帯との行ったり来たり。双児山11時45分。樹林帯でひたすら高度を落とす。12時42分北沢峠の山荘到着。北沢峠でコーラを補充してしまった。
テン場に戻って部屋着?に着替えてお片付けと明日の準備、と思ったら雨。典型的な夏の天気です。夕食は服部幸應推薦(推薦って何だ?)のカレーをアルファ米にぶち込んで食べる。さらにジンギスカン1人前を焼いて食す。うまし。初日はとにかく贅沢に。プチトマトとアメリカンチェリーをデザートに焼酎を2杯くらい飲んで気持ちよくなった。夜中に生きるとすでに晴れており星がきれいだった。
2日目
朝は快晴。
4時に起床。朝からベーコン焼いたり贅沢。スタートが遅くなり5時15分出発。20数キロの装備は辛すぎる。ゆっくりコースタイムを基準に汗をかかないように登っていく。軽装の日帰り組にガンガン抜かれ、一人には縦走ですか?と苦笑される始末。ずっと稜線コースであがり、小仙丈ケ岳で大休止。ここでまた苦笑の彼にどこまで行くんですか?と聞かれ、仙塩尾根へと答えるとまた苦笑しながら応対されてしまった。えぇえぇ通称バカ尾根ですからね、苦笑されてご尤もで御座います。しかも世の中ULなのに70Lザックにフル装備ですから。しばらくで仙丈小屋分岐。ここにザックをデポって小屋までピストン。冷たい水を4L汲んできた。ついでに今回2度目のエイド使用、コカコーラをガブ飲み。オヤジに仙塩尾根に入るんだけどと話を振ると大丈夫だよーにわか雨に合うくらいじゃないの?とのこと。台風の行き先は朝確認した通り問題ないらしい。予定通り仙塩尾根に入ろう。もしも仙塩尾根でビバークなんてことになった場合、次の日の行動用もいるので水分合計6.5L、ついでにアルコール1Lの重装備。ツマミも大量にあり。ザックデポまで戻って(この間のGPS記録なし)まずは仙丈ケ岳をやっつけよう。何とかピークがガスに包まれる前に着いたが周囲の眺望はなし。気を取り直して大仙丈ケ岳方面に向かう。同じくして向かう大阪からの方あり。随分軽装だがテン泊だという。ツェルト系なのかな。今日は両俣小屋泊で明日は塩見岳を抜けて下山するという。仙塩尾根踏破ですか。上回る方がいました。彼と前後しつつ進むが、こちらが大仙丈ケ岳で昼食にしたためその後は全く出会わず。大仙丈ケ岳への登りはやや岩場の急登あり。注意しながら登った。昼食を済ませ、下ると二重山稜地帯。ケルンがあり左に巻いて行くのが良いらしい。この辺りからお花畑が多い。人が少ないからかな。朝よりも重いザックをきしませつつアップダウンの多少ある尾根を淡々と進む。基本的には下り基調。苳の平ではマルバダケブキが群生していた。そういうことか。続いて伊那荒倉岳。なんもねぇ眺望もねぇ。下ると高望池。旧テン場。30張ほどのスペースはある。水場があるらしいが確認せず。先へ進む。2499m独標。また岩場になった。ちょうどよい感じの岩の台があったので、そのうえで休憩。試しに電源を入れてみると携帯電波がつながる。職場と自宅に電話して無事を告げておいた。残っていたチェリーとプチトマトを平らげて元気が出てきた。この当たりまでは曇り程度の天気だったが、徐々にガスは黒くなってきた。時間も時間なのでそろそろ降ってくるかも。ザックカバーをして傘を手の届く場所に準備しておく。1時間ほどで横川岳。本日のラストピーク。ポツポツと降り始めた。傘をさして20分ほどでようやく野呂川越。この先の急斜面を下るが、ぬかるんだ泥と木の根っこは危険この上なし。注意して下る。雨具を使わずに傘を多用。それでも上半身は濡れてしまいウールのシャツは使えなくなった。
小屋に付くことには本格的に降ってきた。急いで受付してテント設営。冷えた体を温めるため熱いものを食す。シュラフにくるまると自然に落ちてしまい目が覚めると6時頃だった。何か食べておかないとーと夕食をいただいてまた睡眠。今日は心身ともに疲れたらしい。
テン場は林の中で涼しい。水は豊富、ゴミは捨てられる。エスケープしようと思えば、林道を歩いて南アルプス林道まで数時間。釣り客に人気らしく、この日は25人ほどの客がいたそう。それも小屋から歩いてすぐ行ける範囲に。そしてみんなフライフィッシング。
雨は21時頃にはやんで静かになっていた。
3日目
曇り。
今日は行動時間は短い予定なのでゆっくり起床・出発。野呂川越までは急登でつらいが、下るよりは登りが楽。野呂川越は仙塩尾根の最低鞍部なので三峰岳にかけては登り基調。眺望の効かないなか数え切れ合いアップダウンを過ぎて徐々に高度を上げていく。このあたりで大学生山岳部とほぼ同じ行動になった。男子6人女子2人。足並みが揃っていて統制が取れていて素敵だなぁ。学生の頃に山に出会っていたら今頃どうなっていただろうか。まぁ今の仕事はしてないな(笑
2699mをすぎて登り返すと森林限界と共に急な岩場が始まった。鎖場も出てくる。淡々とこなして我慢の登りをするうちに熊ノ平への分岐部に着いた。せっかくなので三峰岳のピークも踏んできた。
もうガスの中を歩くのみ。間ノ岳までの岩稜帯はところどころお花畑もあり楽しませてくれる。偽ピークのような部分を右に巻くと丸いピークが見えてきた。学生たちが休んでいる。
間ノ岳日本標高第4位。広々としたピーク。あまりピークっぽくない。虫が多い(笑
天気も崩れそうなので北岳山荘へ急いだ。ここから中白根山の間は、東斜面にお花畑が乱立。目を楽しませてくれた。またオコジョが1匹前を横切っていって、可愛らしい顔を見せてくれた。
中白根山をすぎると眼下に山荘が見えてきた。ぽつりと雨も落ちてきた。時間切れ。慌てて下って到着。
テント申し込みをすると、「雷雨があったら逃げ込んでくださいね」と「台風の進路が変わりましたよ」と。ん? 台風の進路が変わった? 昨日までは九州あたりからそのまま北に抜ける予報だったが、急に東に転針したらしい。迷走する台風5号おそるべし。
雨が本降りになる前にテントを設営して中にこもって情報収集。幸い4Gがつながる。確かに転針したが、4日目の午前は天気が保つらしい。とはいえ今は土砂降り。雨は止まるのだろうか???
明日は早立ちして北岳山頂で日の出を迎えるつもり。パッキングをある程度済ませて、食事も準備をしておいた。
がっつり夕食を食べた頃には雨足もおさまってきて、21時前には雨は止んだ。22時頃に目が覚めると満月が光っていた。明日もきっと朝は晴れるだろう。月明かりもある。予定通りご来光は北岳山頂にしよう。
4日目
2時40分起床。準備してあるのでテント撤収も含めて3時35分に出発できた。月明かりでうっすらと足元は言える。ヘッ電があれば充分。山荘を出たのは一番だったろう。続いて数人が中白根山の方に向かっていった。闇の岩稜帯は慣れていないが、有名な山域だけにトレース・整備ともにばっちり。大きくロスすることなく登ることができた。
徐々に白んでくる空をみつつ、富士山を眺めつつ急ぐ。
日の出の10分くらい前にピークに到着。すでに先客2名あり。肩の小屋から上がってきたらしい。
写真を取り続けること小一時間。学生たちも上がってきた。一眼レフで写真を撮ってもらうとファインダーを覗くことをしらないらしい。衝撃。
今回歩いた道をパノラマできたが、こんなに歩いたんだーと感慨深かった。
充分に景色を堪能して肩の小屋に下りてゆっくりコーヒータイム。あとは下るのみ。普通に行けば11時くらいまでには下山できるだろうし台風は大丈夫だろう。
ゆっくりとお花を探しながら下りた。時間があったら小太郎山まで歩くつもりだったがパス。今回歩いた道をパノラマできるはずだったのに。
白根御池小屋に降りる頃は強い日差しでバテ気味。なんとアイスクリームを売っていたため迷わず購入。元気が出たところで樹林帯を下って下山。途中から風が急激に強くなり始め、広河原山荘に付く頃にはポツポツと雨が。
昼食を食べ終えた頃には土砂降りに近くなっていた。
バスターミナルで小一時間バス待ち。北沢峠、仙流荘とバス移動し今回の旅は終了。
不要と思ったモノ : 酒、ダウンの防寒着、iPad(本にもなるので暇つぶしにはなるが)、ウール100%の服(化繊混紡がいい)、UL系のゼリー(まずい、重い)
持っていって幸せだったモノ : 二つ目のヘッ電、傘、大容量バッテリー、味噌汁
これがあれば : フライパン、虫よけ
工夫 : 重いものから食べるべし、氷代わりのペットボトルは溶けたら飲むべし
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