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Yamareco

記録ID: 8449414
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

栂海新道

2025年07月19日(土) 〜 2025年07月21日(月)
情報量の目安: A
都道府県 新潟県 富山県
 - 拍手
体力度
8
2〜3泊以上が適当
GPS
26:47
距離
38.2km
登り
2,782m
下り
4,253m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
8:00
休憩
0:32
合計
8:32
距離 11.6km 登り 1,388m 下り 715m
8:38
16
8:54
26
9:20
62
10:22
10:23
4
10:27
10:28
94
12:02
12:11
2
12:13
12:14
177
15:11
15:24
40
16:04
16:10
31
16:41
11
16:52
2日目
山行
10:29
休憩
2:40
合計
13:09
距離 17.9km 登り 1,142m 下り 2,000m
4:15
7
4:22
56
5:18
5:20
28
5:48
5:59
22
6:21
6:22
56
7:18
7:19
66
8:25
8:26
29
8:55
9:09
64
10:13
10:29
32
11:01
11:30
45
12:15
12:17
7
12:24
13:01
54
13:55
13:57
26
14:23
15:07
13
15:20
38
15:58
84
17:24
3日目
山行
4:16
休憩
0:34
合計
4:50
距離 8.8km 登り 252m 下り 1,538m
4:06
21
4:27
35
5:02
5:04
8
5:12
38
5:50
6:03
32
6:35
6:36
48
7:24
15
7:39
42
8:56
ゴール地点
過去天気図(気象庁) 2025年07月の天気図
アクセス
予約できる山小屋
蓮華温泉ロッジ
ニッコウキスゲと五輪山
2025年07月19日 11:54撮影 by  Pixel 7a, Google
7/19 11:54
ニッコウキスゲと五輪山
ユキワリソウ
2025年07月19日 12:40撮影 by  Pixel 7a, Google
7/19 12:40
ユキワリソウ
オオサクラソウ
2025年07月19日 14:18撮影 by  Pixel 7a, Google
7/19 14:18
オオサクラソウ
ハクサンシャジン
2025年07月19日 15:30撮影 by  Pixel 7a, Google
7/19 15:30
ハクサンシャジン
朝日小屋から夕陽を拝む
2025年07月19日 19:09撮影 by  Pixel 7a, Google
1
7/19 19:09
朝日小屋から夕陽を拝む
秀麗な白馬連峰
2025年07月20日 06:24撮影 by  Pixel 7a, Google
1
7/20 6:24
秀麗な白馬連峰
マイヅルソウ
2025年07月20日 07:38撮影 by  Pixel 7a, Google
7/20 7:38
マイヅルソウ
ヒオウギアヤメとニッコウキスゲが咲き乱れる
2025年07月20日 08:47撮影 by  Pixel 7a, Google
7/20 8:47
ヒオウギアヤメとニッコウキスゲが咲き乱れる
犬ヶ岳から白鳥山を望む
行く先はまだ長い
2025年07月20日 12:16撮影 by  Pixel 7a, Google
1
7/20 12:16
犬ヶ岳から白鳥山を望む
行く先はまだ長い
さあ、もうひと頑張りだ
2025年07月21日 04:09撮影 by  Pixel 7a, Google
1
7/21 4:09
さあ、もうひと頑張りだ
青い日本海に到達
2025年07月21日 08:48撮影 by  Pixel 7a, Google
2
7/21 8:48
青い日本海に到達
撮影機器:

感想

学生時代からの念願の栂海新道へ。奇しくも、海の日に日本海にたどり着く計画となった。粋なことをするヤツもいたものである。

【7/19】
前夜に東京経由でYちゃんを拾って、平岩駅で前泊。平岩駅から蓮華温泉行きのバスに乗り、車内でSくんと合流。
車だらけの蓮華温泉の駐車場では、非常識な位置に駐車している長野ナンバーを男手数人で移動させるイベントが発生する。なんやかんやでスタート。なお、寝不足と暑さでペースが上がらない。
この日は「高山植物」、この4文字に尽きる。大群落という訳では無いが、目まぐるしく変わるお花のレパートリーに感嘆の声を上げ進んでいく。
吹上のコルに立つと目指す日本海が見える。ミヤマムラサキ、チシマギキョウ、ハクサンシャジンなどが風に揺れる。心地よい場所である。ダラダラと、コツコツと進んで16時には朝日岳の山頂に立つ。
ガスり始めた道を下って朝日小屋へ。早々にテントを張って、Yちゃんの絶品ビリヤニに舌鼓を打つ。チングルマの綿毛と、日本海に沈む夕陽のコラボが絶景であった。

【7/20】
4時過ぎに出る。途中の雪渓で剱岳のモルゲンロートを観測する。朝日岳の山頂は肌寒い。写真を撮って早々に進む。
吹上のコルから栂海新道へ。しばらくは湿地帯とお花畑が連続する。
黒岩山を越えてからは暑さとの戦いとなる。僕は犬ヶ岳の登りで暑さでノックダウン寸前になり、栂海山荘で昼寝してなんとかHPを回復した。
灼熱の樹林帯を下る。熱中症寸前の状態をキープしながら進む感じで、体力というより気力が削がれる。黄連の水場でYちゃんが経口補水液を作ってくれて、再びHP回復。堪えるアップダウンをこなしてなんとか白鳥山へ辿り着く。
この日の夕飯はSくんの麻婆春雨だ。とにかく美味い。標高が低いせいで蒸し暑く、シュラフカバーを掛け布団にしてシャツとパンツ一丁で寝る。

【7/21】
暑さを見越して4時過ぎに出る。これは大正解で、早朝でもクソ暑い。滝汗を流しながら樹林帯を黙々と進む。
やがて日本海が目前に迫り、下りきった栂海新道登山口のアスファルトはまさに灼熱地獄。たまらず荷物を放り投げ、空身で親不知の海岸へ向かう。当初は海に入る気は無かったが、暑すぎて飛び込んでしまった。Sくんはザブザブ泳ぐ。今日は奇しくも海の日だ。青い空、青い海、たまらない。

親不知観光ホテルのお風呂に入って、糸魚川へ向かう。美味しい刺身定食を食べて、糸魚川市街をフラフラ歩く。風情のある街だ。16時前に関西に帰るSくんと別れて、Yちゃんと2人平岩駅にバスで戻る。平岩駅近くの温泉に浸かった後、車を回収して長い道のりを帰途に就く。途中テンホウに寄った。相変わらず美味い。ラピュタが潜んでいそうな積乱雲に見送られて帰る。

p.s: 観察したお花たち
ゴゼンタチバナ、オオバギボウシ、ミツバオウレン、シモツケソウ、マルバシモツケ、キンコウカ、ニッコウキスゲ、イワカガミ、カラマツソウ、ツマトリソウ、ユキワリソウ、ミヤマトウキ、チングルマ、ハクサンコザクラ、オオサクラソウ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンイチゲ、リュウキンカ、タテヤマウツボグサ、ヨツバシオガマ、タカネシオガマ、タカネスミレ、ウサギギク、ミヤマシシウド、ナナカマド、ミヤマムラサキ、チシマギキョウ、アカモノ、イワツメクサ、シロウマアサツキ、タカネナデシコ、ハクサンシャジン、イブキジャコウソウ、タカネマツムシソウ、イワオウギ、ミネウスユキソウ、アオノツガザクラ、ハクサンフウロ、イワアズマギク、サンカヨウ、キヌガサソウ、マイヅルソウ、ズダヤクシュ、ミヤマツボスミレ、コメツツジ、ハクサンシャクナゲ、フデリンドウ、タテヤマリンドウ、ハナニガナ、シロバナハナニガナ、イワイチョウ、コバイケイソウ、クルマユリ、ワタスゲ、ヒオウギアヤメ、ミズバショウ

海の日に日本海を目指すことになると気づいたのはこの企画の1週間前で、特に意識していた訳ではない。

【1日目】
バスで蓮華温泉登山口へ向かう。
路駐が多く通るのも大変そう。到着すると駐車スペースからはみ出して駐車している軽が邪魔でバスが方向転換できず、乗車していた男性陣で持ち上げて移動させた。車って人の手で持ち上がるんだ。

歩き出したらすぐにヒオウギアヤメとオオバギボウシのお花畑に迎えられる。
着々と登ってゆくとニッコウキスゲやキンコウカ、シモツケソウが目を癒す。それと共に目の前には雪渓の残る朝日岳が迫り、天気の良さも手伝い絶景続き。
毎週のようにお花見している気がする。今年は私にとってお花の年と言っても過言ではない。
花園三角点付近は名の通り、タテヤマリンドウやミズバショウ、ハクサンコザクラ、オオサクラソウ、チングルマ、ミツバオウレン、アズマギク、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、ウツボグサ、リュウキンカ、挙げればきりがないほど所狭しと太陽に向かって顔を上げるお花たちが並んでいる。
三角点からすぐ近くの水場から湧き出る北アルプスの天然水は冷たくて激うま。持参した神奈川県の水道水は速攻で処分し入れ替えた。

いくつか長めの雪渓を越えると栂海新道への分岐点、吹上のコルへ到着。チェーンスパイクは持ってきてはいたが使わなかった。ここもエゾカワラナデシコやミヤマムラサキやウスユキソウなど色々咲いている。これから向かう遥か遠くの日本海が臨めるが、この時点では実感がなさ過ぎて遠さをあまり認識できていない。
お花の撮影に立ち止まっては進み、繰り返していると朝日岳山頂に到着。ガスっているので写真撮影は翌日にお預けし朝日小屋へ急ぐ。

夕方には落ちてゆく夕陽と雪渓から流れる白い冷気、ふわりと揺れるチングルマが相まって天国のような情景が広がった。わたくし作のビリヤニを食べて就寝。

【2日目】
起きると空は満天の星。
撤収し4時過ぎに出発。今日は暑くなりそうだ。
30分ほど歩くと紅く染まり始める剱岳が顔を出した。快晴の朝日に照らされる中、朝日岳に到着。

黒岩山手前までが最後のお花畑区間。ヒオウギアヤメやチングルマ、ニガナ、ハクサンフウロが朝の光に輝く様も素晴らしい。

さてここからが灼熱と虚無との闘い。
標高はどんどん下がり、それと共に気温も上がってゆく。絶妙な樹林帯で風も通らず、拭っても拭っても滝汗が噴き出す。こんなに汗かいたのいつぶりだ?
黒岩山、サワガニ山と各山頂で休憩を長めに取りながら進んでゆく。疲労も増していき、栂海山荘に着くと大休止をとった。振り返ると朝日岳ももう遥か後ろだ。しかし行く先の白鳥山も遥か先に見える。

先頭メンバーの様子が熱中症ぽいので、黄蓮の水場についたら経口補水液を補給させた。冷たい沢水にも助けられまた行動再開。
目前のそそり立った山を見て「まさかあれ越える訳じゃないよね」と顔を見合わせ、地図を見て「でもあれだよね」となったのが下駒ケ岳。白鳥山荘手前でもう一回絶望することになる。
とはいえ、無心で足を動かし続けているとやっとのことで白鳥小屋に到着した。

美味しい麻婆春雨をいただいて就寝。

【3日目】
ロングパンツは昨日の汗でびしょ濡れで、一晩テント内で干していたものの乾くはずもなく履いた瞬間から不快感マックス。早く着替えたい。

この日も4時に出発したが日が昇る前でもう既に暑い。だが歩いていくと要所要所で日本海がチラ見えし、着実に近づいているのが分かる。
温泉と海鮮をモチベに歩き続け、遂に栂海新道日本海起点に到達した。下山後の三ツ矢サイダーが美味しすぎる。
エメラルドに輝く日本海は有終の美を飾るに相応しく水平線の先どこまでも広がっていた。足をつけると程よくひんやりした海水が火照った身体を冷ましてゆく。今日は海の日だ。
待ち望んだ温泉(親不知観光ホテルの温泉はオーシャンビューが最高)と美味しい刺身定食をいただいて帰路についた。

栂池から日本海を結ぶ栂海新道。名前からして浪漫が溢れている、学生時代から気になっていたルートだ。今回は海の日に日本海に到達するという粋な計画となっており、胸を躍らせながら神戸から列車に揺られ、糸魚川に到着した。

★1日目
糸魚川駅前から蓮華温泉行きのバスに乗車。早朝からまあまあな人数が並んでいた。次の平岩駅からK先輩、O先輩と合流する。蓮華温泉に到着すると、邪魔な場所にハスラーが駐車していてバスが転回出来ないということで、男手で車を移動するイベントが発生した。その後、荷物を整理して出発。
しかし暑い。それに、いつもながら怠けた体に重荷が堪える。一方でこの日はそんなマイナスを打ち消すほどには天気が良く、様々な高山植物が咲き乱れていた。高山植物に明るくないので、詳しい先輩2人が口々に見た花の名前を言い当てるのを聞いて、覚えようと頑張ってみる。ユキワリソウ、サンカヨウ、ハクサンシャジンなどの可愛いお花に癒されながら歩いていると、吹上のコルに到着。遠くに日本海が見え、あそこまで行くのか…とぼんやり考える。その後、朝日岳を経て朝日小屋に到着。幕営した後は、インド調達のスパイスを用いたO先輩の絶品ビリヤニに舌鼓を打った。その後、チングルマをオレンジ色に照らす夕陽を眺めながら、吉田拓郎の落陽を口ずさんだ。

★2日目
4時過ぎに出発。朝日岳を登り返し、吹上のコルから栂海新道方面の分岐を折れる。日本海が遠くで煌めくのが見える。
日が昇るとひたすらに暑く、体力がもっていかれる。加えて、前日の後半から何となく嫌な感じがしていた左足のリンパが滞ったらしく、足を曲げ伸ばしする度に激痛が走り、とてもじゃないが足を曲げて歩けなくなってしまった。眼前にそそり立つ急坂に毎度絶望しては、ビッコをひきながら100-150mのアップダウンを繰り返す。更に追い討ちをかけるように、黒岩山、サワガニ山と「全く風のない」山頂で容赦のない直射日光を浴びながら、栂海山荘に辿り着く。
早速小屋の中に逃げ込み、置いてあった団扇で必死に体温を冷ました。ここで雑誌を読みO先輩と話していると、少し身体の火照りがマシになった。K先輩も熱中症気味だったが、小屋の奥で10分ほど寝たことで大分回復された様だった。その後、下駒ケ岳(これまたそそり立つ急坂に絶望)を越え、目的地である白鳥山荘に到着。汗でビッショビショのズボンとタオルを、寝るまでの間小屋のハシゴに干し、自分が担いできた麻婆春雨を食べて就寝した。

★3日目
翌朝、起きるとズボンは案の定ビッショビショのままで、はいてみると不快すぎた為K先輩に習って下界用の半パンで出発。前日が暑すぎたことから4時に早出したが、歩き出すと汗が吹き出す。そして相変わらず左足が激痛で曲げられず、右足からしか踏み出せないため1/2のペースでノロノロ歩いていると、見かねた先輩がアスファルトに出た際にマッサージをしてくれたり、めちゃくちゃ強い痛み止めを分けてくださった。そうすると嘘のように痛みが消え、途中からは通常のペースで下ることができた。(本当にありがとうございました)
歩を進めていくと、木立の間から日本海が見えた。吹上のコルから見た時は空と海の境界も曖昧なほど霞んでいた日本海が、もう目の前まで来ている。胸を躍らせながら駆け足で下山すると、目の前の自販機で炭酸飲料を買い、一気に飲み干した。
一息つくと、そのまま達成感に身を任せて親不知海岸へ。半パンをはいたまま海に飛び込み、太陽で熱されまくった身体を冷却する。会社での嫌なことや悩みごとが、汗の蒸気と共に宙に消えていくのを感じる。
その後は温泉に入り、必死に半パンを乾かしながら(何も考えずに飛び込んだ代償)街歩きや地元の刺身定食を楽しみ、名残惜しい中帰路についた。

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