北岳〜塩見岳〜蝙蝠岳〜白根南嶺☆美しき森にて熊と遭遇


- GPS
- 32:36
- 距離
- 64.0km
- 登り
- 5,676m
- 下り
- 6,410m
コースタイム
- 山行
- 7:06
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 8:41
- 山行
- 11:27
- 休憩
- 2:04
- 合計
- 13:31
- 山行
- 8:24
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 10:09
天候 | 一日目;雨のち晴れ 二日目;晴れのち曇り 三日目;晴れのち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山は奈良田13時50分発の早川町乗合バスにて身延駅に15時07分着 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全般的に整備された一般登山道 ・伝付峠〜広場の林道は崩壊箇所があり (西別当代山の手前では尾根の東西に林道があるが西側は特に崩壊が激しく危険、東側を通行すべき) ・徳右衛門以南、笹山以南では熊の糞、熊剥ぎ多数あり オショレ山にて大型の熊と遭遇 |
写真
感想
今年はテン泊での山行の機会がなかなか得られない。先週末に家内と共に白根南嶺をテン泊縦走する予定であったが、天候が不良であり今週末に山行を延期したところだった。木曜日に仕事先で家内から週末の都合が悪くなったとのメッセージが届く。金曜日から休みを取得していたこともあり、急遽、単独行で三日間の山行を考えることにする。
京都から甲府に向かう夜行バスを急押さえると、家に帰りリュックに山の道具を詰め込み、その足て京都駅に向かう。京都駅21時50分発になんとか間に合ったが、バス停では早速にも雨が降り始める。長い前線を伴う低気圧が日本海側を通過するので、明日の朝までは雨が続くが、前線が通過した後は西から晴天が広がる筈だ。
後からは北アルプスの新穂高温泉や扇沢に向かう夜行バスという選択肢もあったことも思い至る。登山口からのルートの多様性という点ではこれらの登山口の方が様々な可能性があっただろう。しかし山行先への憧憬というものは恋愛感情にも似たところがあり、短時間で気持ちを切り替えるのは容易ではないように思う。
バスに乗り込んでから、車内で南アルプスの地図を広げ、山行計画を考える。このバスは甲府を早朝4時半に出発し、広河原に向かう山梨交通の登山バスに乗り継ぐことが出来るので、まずは広河原に向かうことになる。
ところで今年は塩見岳から南に伸びる稜線上にある蝙蝠岳を是非、訪れたいと思っており、お盆の連休を三伏峠からの周回に充てようと考えていたところであった。
地図を眺めているうちに蝙蝠岳と白根南嶺を繋ぐ山行を思いつく。蝙蝠岳から二軒小屋まで下降し、最終日に白根南嶺を北上するというプランだ。丁度、一年前のこの時期、広河原から入り三伏峠まで縦走したのだったが、塩見岳まではその時とほぼ同じコースを辿ることになる。自分のコースタイムの記録があるというのは絶対的な利点だ。昨年は小太郎山や北岳はガスの中で全く眺望が得られなかったので、今回は雨上がりの好展望を期待したいところだ。
問題は二軒小屋に到着した時点での時間と体力の余裕だろうが、三日目は伝付峠から、あるいは笹山から東に伸びるいわゆるダイレクト尾根を下降するという選択肢があり得る。下山後に温泉に入ることが出来るというのも魅力的だ。
農鳥岳を経由して白根南嶺を南下してから蝙蝠岳に向かうという方法は、1日目の泊まりが農鳥小屋になるのでここからの朝夕の絶景が期待出来るところではあるが、二日目の行程にかなり無理が生じるように思われるのと、エスケープルートがないのがこのコースの難点だろう。ちなみに鳥倉林道のバスの終点、松川にも温泉があるのだが、ここに立ち寄ると京都への帰着がかなり遅くなるので入浴したことはない。
【一日目】
甲府駅の近くのコンビニで食料を調達してバス停に向かうと、バス停で待っていたのは男性一人と同じバスに乗り合わせた登山客のみだった。今更、驚くべくもないのだろうが、いずれも女性三人からなる二組のパーティーであった。いずれもテン泊縦走のようであり、恐れ入る。昨年は4時の時点で長蛇の列だったのだが、土曜日のせいだろう。男性は甲府在住の方らしいが、行列を覚悟して朝の3時からバス停にいらしていたとのこと。
甲府の上空は重苦しい雲に覆われており、周辺の山々の頂きも雲の中だ。出発時間になってバスに乗り込んだのは10人ほどだった。この登山バスには車掌が乗り込み、車内で様々なアナウンスをされる。
芦安を過ぎると早速にも雨が降り始める。広い谷間にかかる雲を上から見下ろすことが出来る。女性の車掌さんは運転手に徐行するように合図すると「ここからの景色は素晴らしいんですが、今日みたいな滅多に見られません。まるで墨絵の世界でしょう」と個性的なアナウンスをされる。谷側の座席に座っていなかったので綺麗な景色の写真を撮る機会がないのが残念であった。
広河原に到着すると雨の勢いはますます強くなったようだ。多くの登山客はインフォメーション・センターで雨具を準備すると本降りの雨の中をいそいそと出発して行かれる。直前の天気図を確認すると低気圧による寒冷前線がそろそろ通り過ぎる頃だろうと判断していたので、出発を遅らせる。いつしかインフォメーション・センターに残っているのは私一人のみとなる。
ようやく雨足が弱くなったので、ついに腰を上げるが、バスが到着してから既に1時間以上が経過していた。登山道は泥濘が激しく、瞬く間にズボンの裾は泥で汚れてゆく。歩き始めて20分もしないうちに雨は降りやみ、上空を見上げると雲の合間に青空が見え始める。
昨年の自分のコースタイムを一通り頭に入れておいたのだが、白根御池の小屋までは前回より20分ほど短縮する。昨年よりも荷物を減らしているせいもあるが、この小屋で冷たい清水を入手することが出来ることがわかっていたので、ここまでに必要な最小限の水のみで来たのだった。
白根御池の小屋、背後に鳳凰三山が綺麗に見えている。肝心の北岳はというと、その険阻なバットレスを見上げているうちに、早くも雲がかかり始める。草すべりに向かって歩き始めると、早速にも登山道には色とりどりの高山植物が現れる。数多く目につくのはピンク色のハクサンフウロ、薄紫色のタカネグンナイフウロだ。黄色いのはシナノキンバイだろう。
小太郎尾根の分岐に到着したのは10時過ぎ、稜線の先には小太郎山がすっきりと見えている。小太郎山への往復はきっかり2時間はかかる。この吊尾根はハイマツとシャクナゲの広がる快適な尾根ではあるが、昨年と同様、この山を取り巻く仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳といった周囲の山々はいずれも雲の中なので、目にする景色は昨年と変わらないだろうと思い諦めることにする。昨年は後半、間ノ岳から熊ノ平への下降で雷雲と競争をして、好展望の三国平を駆け降りる羽目になったことを思い出す。
北岳に向かって稜線を歩くと白い花がよく目立つ。キタダケソウはないかと思って白い花を見るたびに花芯に注意するのだが、見かけたのはもっぱらハクサンイチゲとチョウノスケソウのみであった。赤紫色の繊細な花をつけるヨツバシオガマは昨年は葉の数を勘定しては三つ葉や五つ葉の変異株を見つけて喜んでいたのだが、今回はやめておいた。
肩の小屋から先は北岳はすっかり雲の中だ。昨年と同様の展開だ。違うのは妙に肌寒いことだ。寒冷前線が通過した後は大気の温度が低下するということに例外はない。小屋の前の男性は肩の小屋に二泊の予定らしく、山頂から降りて来られたところだが、もう一度山頂に登ると言って出発して行かれた。上にフリースを着込んで先に出発された男性の後を追う。モンベルのグローブ、ウインド・ストッパーを嵌めるにも関わらず指先が悴んで、感覚が鈍くなった。
北岳の山頂では単独行の男性がおられた。時に雲が薄くなるのだろう、明るくはなるものの青空が覗く気配はない。一人の男性は1時間半ほどここで粘っていたが、一向に視界が晴れない、と悔しそうな表情を浮かべておられる。その情報を頂いて躊躇なく山頂を後にする決心がついた。これまで北岳の登頂は3回目だが、いずれもガスの中というのは北岳とは相性が悪いのだろう。
北岳から先には急に登山者の姿を見かけなくなる。昨年は北岳山荘に到達した途端に中白根山への稜線が晴れて、親子二人組が大喜びしていたのだが、今年は北岳山荘は改修工事中であり、工事の作業者以外に人影が見当たらない。今季はテン泊のみに限られるらしい。残念ながらその先の稜線が晴れることもない。
ガスの中を黙々と稜線を歩く。中白根山を過ぎて間ノ岳に向かうと、急速に雲が晴れ上がっていくではないか。間ノ岳の手前で蒼空を背景にスッキリと山頂が姿を見せる。北岳はどうかと振り返ると、この間ノ岳とは標高はわずかに3mしか違いはない山頂部は相変わらず雲に覆われたままだった。
間ノ岳から西にむかって下降する尾根の先にちょこんと突き出した三峰岳から南に向かってウネウネと蛇行しながら伸びる長い稜線を追うと、その先にある塩見岳も山頂部には雲に覆われている。
間ノ岳はこの3年間に訪れた3回の登頂ではいずれも晴天に恵まれており、先ほどの北岳とは対照的にこの間ノ岳とは余程、相性がいいのではないかと思ってしまう。勿論、偶然の結果に過ぎないのだが。
南の農鳥岳も山頂部は雲に覆われていたが、三峰岳に向かって歩き始めると、緞帳を引いたかのように雲が取れて、その大きな山容が姿が現れる様は感動的だ。尾根の左手には広々とした大井川の東俣の源頭部を見下ろしながら稜線を下降してゆく。
三峰岳の鋭峰に立ち寄った後は、岩稜の左側をトラバース気味に下ることになる。岩稜帯が終わると稜線の雰囲気は一転して、三国平のなだらかで広々としたハイマツ帯となる。この一帯の爽快な尾根は仙塩尾根におけるハイライトの一つだろう。
熊ノ平にはほぼ予定通り16時過ぎに到着する。テント場にはテントがひと張り張られているのみであった。熊ノ平小屋の受付で「予約はないのですが、テン泊をお願い出来ないでしょうか」とお願いすると若い男性が快く「大丈夫ですよ」と応対してくれる。
そういえば予約をしようにもこの日の行程で電波がわずかに通じたのは三峰岳の山頂のみであり、それも電波が一本たったと思いきやすぐに「圏外」になってしまったのだった。しかし、この熊ノ平のテン場が埋まるというのはたまたま大学や高校のワンゲル部と鉢合わせしない限りあり得ないと思っていた。
小屋の前のテーブルではテン泊の男性がパスタを調理しながら小屋泊まりの単独行の女性が歓談されておられた。隣のテーブルが空いていたので、そこに腰掛けて私も早めの調理をさせてもらう。まずは小屋で¥800で購入した500m缶のビールを開ける。
女性は三伏小屋から、男性は仙丈小屋から来られたらしい。女性は「明日は北沢峠にまで抜けるつもり」だというので、早速にも男性から「それは無理でしょう」と強く反対される。女性の脚力を知らないが、小屋で朝食を摂ってから出発したのでは北沢峠からの最終のバスに間に合わない可能性があるのではないだろうかと心配する。「それなら広河原に下山する方がいいですよ」と男性がアドバイスをされるが、尤もだと思う。夕食の準備が出来たらしく、女性は小屋の食堂に去っていった。下山後、女性はkuniosさんであったこと、そして夕方までに北沢峠に無事到着される健脚の主であったことを知る。
テーブルを片付けていると小屋の中から女性が顔を出す。「北岳からの道中で人を見かけませんでしたか?」とのこと。どうやら北岳方面から来て小屋に泊まる予定の男性がまだ到着しないらしい。北岳よりも南では一人も遭っていないことをお伝えする。私が北岳の山頂を12時過ぎに出発したことをお伝えすると女性は少し安堵したようだった。
この小屋では北沢峠を出発して一泊目をここに予定する人が多くおられるらしいが、その行程を試みる登山客はテン泊でなく小屋泊まりであっても到着が夜の7時8時になってしまう方が結構おられるということをお伺いする。「だからといって最近では登山者の方にキツくいわれる方は滅多にいませんが・・・」。テン泊のもう一人の男性と顔を見合わせて視線があった。男性曰く「農鳥小屋の親爺さんはともかくとして・・・」(苦笑)。
小屋番としては夕食もさることながら、登山客が到着しないのは気がかりでならないであろう。私の所有している2017年度版の山と高原地図でざっと計算してみると北沢峠から熊ノ平小屋までざっと13時間半。逆コースは12時間45分だ。北沢峠に朝1番に到着するバスに乗ったとしても夕方までに到着するためには、休憩時間を1時間に切り詰めたとしてもコースタイムの3分の2に短縮しなければならない計算になる。
三峰岳からのガレ場の下降はトラバースがあり夜間はかなり危険を伴う。それに夏の南アルプスは午後には雷雲が発生する頻度が高く、三人の背丈より高いものがないの峰岳の前後の岩稜帯ではで大変な危険な状態となる。夕方の16時を過ぎて到着する登山者に落雷を落とすという農鳥小屋の親爺さんのような方もおられるが、それもあながち不条理とも言えないだろう。
食事が終わると農鳥岳は農鳥小屋のある肩のあたりまですっかり雲に包まれていた。
テン場から稜線に登ってみるが、西の空は雲がかかっていた。
【二日目】
朝は2時半に起床し、テントを畳むと出発は3時半過ぎになった。空を見上げると鋭利な鎌のような三日月が見える。星の数が少ないのは上にうっすらと雲がかかっているのだろう。熊ノ平から樹林帯を緩やかに登って行くとすぐにも濃厚なガスが立ち込める。まもなく樹林帯を抜け出し、シャクナゲの灌木隊に出るが、残念ながら景色はガスの中だ。
安倍荒倉岳を過ぎると急速に霧も薄くなり、樹間から明るくなり始めた東の空を背景に間ノ岳と塩見岳のシルエットが浮かび上がる。農鳥岳の稜線の上ではローズ・ピンクに染まった雲が輝いている。昨年に眺めたのと似たような光景だ。東の空では美しい朝焼けが見られることだろうが、この尾根からは農鳥岳から白根南嶺へと続く尾根のせいで茜色に染まる空を眺めることが出来ないのが残念だ。
苔むした樹林の中を進むが、樹林の間から突如として突き出した岩稜帯となる。竜尾見晴と呼ばれるところだ。正面にはこれから辿る稜線の先にいよいよ塩見岳がその勇姿を現す。背後を振り返ると間ノ岳の左に大きく仙丈ヶ岳が姿を見せている。この竜尾見晴を含め、仙塩尾根には樹林から突き出した好展望地が数箇所あるが、わずかな区間ではあるが樹林の上を歩くかのような爽快感を覚えるところだ。
稜線のわずか先には新蛇抜山の草稜が見えている。小さなコルに降って、再び樹林の中を進むと右手の斜面に新蛇抜山への登り口がある。ここも
北荒川岳が近づくと樹林の雰囲気が大きく変わる。立ち枯れの樹々が多く見られるのは森林限界が近いからだろうか。ダケカンバの樹が多くなり、樹林の中が明るくなる。広い二重尾根には所々で船窪地形となり、バイケイソウが多く見られる草原が広がるようになる。
樹林を抜けると石楠花とハイマツの広がる灌木帯となる。石楠花の花々を見ながら尾根を緩やかに登り詰めると突如として広々としたザレ地の広場に飛び出す。同時に荒々しい崩壊地越しにドーンと塩見岳の山容が大迫力で視界に飛び込んでくる。
大崩壊地の縁を辿ってかつてのキャンプ地だったとされる広地に出る。広々とした草原の間にはダケカンバが疎に生え、緑色の草地の中には薄紫色の小さな花が斑らな群生を形成している。西側に広がる荒涼とした崩壊地とは対照的にメルヘン的というか牧歌的な美しいところだ。キャンプ禁止と記された標柱があるが、このような警告がなければテン泊したくなるところだろう。ここはこの長い仙塩尾根の中で三国平と共に最も美しい場所だろう。
いよいよ塩見岳への登りに取り掛かる。下から見上げると尾根は上部へ行くにつれて傾斜を増し、北俣岳への分岐となる肩の直下では登ることが出来るのだろうかと思うほどに急傾斜に見える。過去に二度も通っており、実際以上に視覚的に峻険に見えてるのだが、そうと理解していてもこの登りは心理的に重圧感がある。
急登を登り切ると北俣岳への分岐、ここまで誰にも遭わない静寂の尾根歩きであったが、分岐の上を熊鈴を鳴らしながら登山者が通過してゆくのが聞こえる。三伏峠から蝙蝠岳に向かう登山者が既に通過する頃合いになったようだ。分岐に荷物をデポし、塩見岳の山頂に向かおうとすると笑顔の爽やかなトレラン・スタイルの単独行の男性が降って来られる。
「いつか、この尾根を辿ってみたいと思っているんですけどね・・・」(ここから仙丈ヶ岳へと続く長大な尾根を目にすると誰もそう思うだろう)「やはりここの登りはきついですか?」「確かにキツく見えませすが、実際には塩見岳への西側からの登りの方がキツいんじゃないでしょうか・・・確かにこの尾根は素晴らしいですよ」と私なりに尾根の魅力を端的にお伝えさせて頂く。
ここから塩見岳の山頂まではそれほど厳しい登りではないが、尾根の最初のポイントが分かりにくい。北側のざれた斜面に踏み跡がついてはいるが尾根芯から南側にトラバース気味に下るのが正解だ。
塩見岳の山頂はまだ7時台ではあったが、三伏峠から登って来られた登山者が次々とピークを訪れている。東峰ではトレラン・スタイルの二人組とお互いに写真を撮り合うついでにお話をさせて頂く。三伏峠からのルートでは相当な人が登っておられたとのこと。それから尾根はすっかり晴れており、天の川が綺麗に見えていたとのことだった。
山頂からは南に荒川岳、赤石岳、聖岳と南部の主峰がスッキリと見えている。間ノ岳の左では北岳が慌ただしく雲を被ったり脱いだりしている。南には蝙蝠岳へと向かう広々としたハイマツ帯の尾根が見える。蝙蝠岳は百高山の踏破を目指してそのピークを目指す方もおられるようだが、むしろその魅力は北俣岳からのたおやかな吊尾根にあるのではないだろうか。昨年の縦走の際にこの尾根を眺めて以来、その残像が脳裏に焼き付いていたのだった。
賑わいの塩見岳山頂を後にするとザックをデポしてある分岐に戻り、いよいよ蝙蝠岳に向かう。北俣岳にかけては最初は鋸歯のようないくつかの小さい岩峰を乗り越える。なだらかな山頂の北俣岳からは右手に、
蝙蝠岳までは約3km少々とそれなりに距離があるのだが、尾根の解放間と眼前に広がる広大なパノラマが距離を感じさせない。既に山頂を往復して来られた登山者と4組ほどすれ違うが、十分に雄大さと静寂感を同時に堪能することが出来る尾根だろう。
山頂の手前の鞍部で先ほどの男性と再びすれ違うが「今日は最高でした」と爽やかな笑顔で再び塩見岳に向かっていかれた。蝙蝠岳の山頂への登りは緩やかではあるが、そのせいか中々ピークが見えない。ここを登れば今度はピークだろうと思いきや、まだ先があったということを繰り返す。
ようやく山頂に辿り着くとすぐ後ろから若い男女が登って来られ、しばらく賑やかな雰囲気となる。しばらく山頂で寛いでいると、今度は単独校の若い男性が登って来られる。ヤマレコ・ユーザーのdonayoshiさんであることを下山後に知る。昨日0時に到着した時点で鳥倉林道の駐車場は既に満車であったそうだ。
蝙蝠岳の山頂の標柱には二軒小屋まで6時間と記されている。しばらくは森林限界を越えた尾根が続くが、四郎作の頭と呼ばれるp2721を過ぎると途端に樹林の中に入ってゆく。シラビソの苔むした樹林が続く。一見、単調な樹林帯ではあるが、美しい樹林の林相を楽しむうちに徳右衛門岳のわずかに切り開かれた山頂に到着する。
徳右衛門岳の山頂直下には水場の案内があるが、熊ノ平で汲んだ水がまだ十分にあったので通過することにした。標高が下りca2250mのあたりになると、ここが尾根の上であるということを忘れそうになるようななだらかな台地となり、一面の美しい苔の上では木漏れ日が斑らな輝きを放っている。樹々の間を迷路のように蛇行しながら抜けてゆく。
気になるのは熊剥ぎによるシラビソの樹皮の損傷が随所に目立つことだ。登山道には熊のものと思われる大きな糞もあった。このあたりは登山者が少ない分、熊も多いのだろうか。
再び尾根が急下降に転じると単独行の男性が登って来られる。日帰り山行用に見える小さなリュックの中にはツェルトと泊まりの装備が詰め込まれているらしい。「今日は徳右衛門岳まで」と仰るので「徳右衛門岳まで行かれたら蝙蝠まではそう遠くはないのでは」と余計なことを申し上げてしまうが「伝付峠を越えて来ているので既に疲れているのです」とのことだった。
尾根の下部で山中に忽然と現れる無機的な建築物が目に入ったところで、今度は三人組の若い男性達と遭遇する。なんと沼平ゲートから東俣林道を走って来られたらしい。下山後、ご一行はareaさん、kazu1107さん達であることを知る。この蝙蝠尾根を歩かれる人達は揃いも揃ってとんでもない人達ばかりだ。
ようやく二軒小屋へと続く林道に着地したかと思うと川沿いの林道は大きく崩壊していた。とはいえ登山者が歩くには支障ない程度ではあったが。林道を道なりに歩くと川の大きな湾曲部に作られた田代ダムの湖岸に至る。田代湖はハワイアン・ブルーの顔料を溶かしたかのような非現実的な青色の湖面を見せていた。
二軒小屋に到着したのは13時半前。この時間次第でその後の行程を決めようと思っていたのだが、これなら伝付峠に上がってから林道を北上する余裕があるだろう。まずは二軒小屋ロッジで水を汲むとここでコーヒーを沸かしてマフィンやきんつばなどの行動食で大休止する。二軒小屋に並ぶ二つの小屋はいかにも瀟洒な作りで、その前に広がる草原と白樺の樹と相俟ってなんともメルヘン的な雰囲気だ。ここもテントを張りたくなる雰囲気ではあるが、やはりテン泊禁止と注意書きがある。
大きなリュックを抱えたご夫婦と思しきカップルが通りがかる。明日は中岳避難小屋に泊まるご予定で東海フォレストに椹島まで送迎したもらったらしい。この二軒小屋にテン泊出来ないということを知って困惑しておられるようだ。二軒小屋ロッジは営業していないがテラスには多くの布団が干してある。ロッジの南側には工事のための小屋があり、作業者達がロッジに寝泊まりしているのだろう。工事はもっぱら中央新幹線の建設のためのものと聞く。
二軒小屋のすぐ裏手の遊歩道を歩くとすぐに伝付峠への道に通じる。道は斜面をジグザグと葛折に登ってゆく。道沿いにはトウヒやブナの大樹が立ち並び、壮麗な林相だ。気温が暑いせいか、なかなか足が先に進まない。尾根が上部に至ると林相は一転して落葉松の美林となる。標高が2000m近くになり、伝付峠に近づいたところでようやく風が涼しく感じられるようになった。
伝付峠は一面に草が繁茂し、テントを張るのに良さそうな場所が多そうだ。峠の道標は完全に壊されていた。熊の仕業だろうか・・・そう、熊しかいないだろう。尾根上に続く林道を北上すると一面の草に覆われている箇所が多く、美しい光景が続く。西側には荒川岳と先ほど越えてきた
徳右衛門岳の展望が広がるが、南アルプスの好天の日の午後の常として稜線の上は雲に覆われている。
機嫌よく歩いているといきなり斜面が大きく崩壊している地点に出る。この手前で尾根の東側を通るもう一本の林道が分岐し、そちらに進むのが正解だったのだ。法面の上部を歩いて崩壊地を迂回する。林道を先に進み。右手の樹林の中へと伸びる踏み跡を辿るとすぐにも東側の林道に合流することが出来た。
その後は地図に「シラビソの中を抜ける美しい林道」とコメントが記されている通り、確かに美しい道が続く。機嫌よく林道を進んでいたのだが、オシャリ山と呼ばれる小ピークca2110mの手前で林道の角を曲がったところで驚くべきものに出くわした。すぐ先の林道の真ん中に真っ黒な大きな動物がいたのである。距離はおよそ50mほど。こちらに突進して来たらわずか数秒の距離だろう。
熊もこちらに気がつき一瞬、こちらに向かって歩き始める。すぐ近くの樹林に逃げ込み、樹の影から熊の姿を伺うが、熊もほぼ同時に近くの樹林の中に姿を消してくれたようだ。しばらくしてから恐る恐る林道を歩き始めるが、動物の気配は消えていた。
この日の目的地、広場が近づくと再び大きな崩壊地が現れる。ここは崩壊地を迂回することは難しい。崩落斜面の岩の辛うじてそれとわかるトレースがある。一歩一歩を確かめながら慎重に斜面を通過する。熊はともかくとして、今回の山行における核心部であった。
地図で広場と記された箇所は砂利の敷き詰められた広地であり、明らかにテントが過去に張られた形跡がある。所々に焚き火の跡も見られる。いかにもテントを張って下さいというような場所であり、ここまで来ればいよいよ白根南嶺がロック・オン状態だ。
夕食はアルファ米の五目ごはんにお湯を加えて準備すると、ソーセージを炒め、舞茸に途中で収穫したタマゴタケを加える。昨日に残した焼酎の半分を開ける。今回、持参した焼酎は「永遠の至福」だ。テントを揺らす風もほとんどなく、テントの周囲の物音に耳をそば立てていたが、いつしか夜のしじまに包まれて眠りに落ちていった。
【三日目】
朝、起き出してみると再び鋭利な三日月と共に星が見えている。コーヒーを淹れて、行動食のマフィンと共に昨夜に残したタン・スティックを齧る。テントを畳み出発の準備を整えると3時38分、昨日と全く同じ時間だ。
林道を歩き始めると濃厚なガスの中へと入ってゆく。昨日の朝と同じパターンだ。ということはこのガスは稜線にかかる笠雲によるものであり、朝は晴天が期待できるだろう。林道は道の上には既に樹木が生えており、登山道と何ら変わらない。昨日のような大きな崩壊地点がないのが救いだ。林道は気がついたら山の西側斜面を下降するようになる。これはおかしいと思って引き返すと登山口は林道からヘアピン状に右手に分岐した支線の先にあるのだった。
白剥山への尾根に取りつき、樹林を登ってゆく。樹間からのぞく東の空が美しいピンク・ローズに染まっている。好展望の稜線にいたらどんなに良かったことだろうと思う。
白剥山を越えると、この日も美しいシラビソと苔の樹林が続く。やがて黄金色の朝陽が差し込みシラビソやダケカンバの樹皮を明るく輝かせる。空は綺麗に晴れているようだ。
滅多にないことなのだが、急に気分不良に陥る。朝につまんだタン・スティックが重かったのだろうか。水を呑みしばらく休憩すると何とか回復して歩けるようになった。地図を確認するとここまではコースタイムは意外と順調なようだ。
笹山の登りに差し掛かると単独行の男性とすれ違う。この時間帯にここを歩かれているということは笹山のあたりでテン泊されたということだろうか。笹山の手前ca2640mのあたりで突如として樹林が切れたかと思うと一気に森林限界を飛び出し、ハイマツやシャクナゲの繁茂する好展望の灌木帯となる。有難いことに大井川の東俣から終始、涼しい風が吹き上がってきて、さほど汗をかかなくて済む。
笹山の山頂直下のハイマツの樹林を抜けて広々とした山頂広場に出ると、北側に展望が広がっており、農鳥岳へと続く白根南嶺の尾根の展望が視界に飛び込む。広い山頂広場には何張り分かのテント適地がある。展望は北側に限られるが、周囲に樹林により風が遮られてテントを張るには実に良さそうだ。
天気が悪ければここから奈良田に下降することを考えていたが、この日も絶好の晴天だ。ここで下山するという選択肢はあり得ない。北峰にかけて再び苔むした樹林の中を歩くが、今度は岩稜のピークに飛び出した。ここでは360度の好展望が広がるが、急に風が感じられるようになる。
次の白河内岳にかけて、再び樹林の下りとなるが鞍部を越えると大きな岩が転がるゴーロ帯の登りとなる。白河内岳の山頂からはいよいよハイマツ帯の広々とした尾根が続く。尾根を北上すると短時間の間に5人ほどの単独行者と次々とすれ違った。
白根南嶺の北端のピーク、広河内岳がの登りに差し掛かると急にペースダウンする。わずかに150mほどの緩やかな登りなのだが、途中で息を整えないと先に進むことが出来ない。問題はここまで水を節約して少しずつ補給してきたのだが、水がペットボトルに残りは100mlほどしかなくなる。昨晩に飲んだほうじ茶か今朝のコーヒーかのどちらかを止め手ておけば良かったと今更ながらに後悔する。
広河内岳の山頂に立ったのは9時過ぎ。振り返るとたどってきた稜線の東側から雲が押し寄せている。まさに雲上のトレイルだ。そしてその彼方には雲の上から富士山が秀麗な姿を見せている。
目の間に大きく聳える農鳥岳のピークを踏みに行きたいところではあるが、体力の余裕と水の残りを考えると無理は慎むべきだろう。
大門沢の下降点から下降し始めると大井川源流からの風がなくなり、途端に暑く感じられる。やがて下から上昇しつつある雲の中に入るが、雲の中に入ったおかげで急に涼しくなる。地図に記された水場に一刻でも早く辿り着きたい一心で急下降をスピードを上げる。
先を歩いていた若い男性に何気なく昨夜の宿泊地をお伺いすると笹山だという。joe0119さんであった。多くの登山者が白根三山の縦走者の筈なので、これは珍しい。笹山の朝の情景をお伺いすると、やはりドラマチックに美しい景色とのことだった。
遂に水場と記された小さな沢にたどり着くと冷たい沢水にマグカップを浸し、立て続けに4杯ほど喉に流し込む。ここからは大門沢の小屋まではそう遠くない筈ではあるがなかなか動けなくなった。しばらく前に追い越して来た方達が続々と通り過ぎてゆく。
大門沢の小屋に到着し、小屋前ではコーラの250mlの缶が400円で売られている。ちなみに缶ビールは350mlが500円なので単位換算するとあまり変わらない・・・かといってここでビールを飲む訳にはいかない。私に限らず通り過ぎる登山者はコーラを購入しておられる方が多いようだ。
隣に座られた若いカップルにご挨拶するとそちらも笹山の少し北にテン泊し、白根南嶺を縦走して来られたとのこと。この若いカップルと思わず話が盛り上がったこともあり、この小屋では図らずも大休止することになった。
小屋からしばらくは若いお二人のカップルと歓談しながら歩く。stonoさんとchonnosukeさんであった。13時50分発のバスの前に温泉に入る時間が欲しかったので、先を急ぐことにする。
危うい木橋で大門沢を二度渡り、右岸の斜面をトラバース気味に進むようになると美しい大木の疎林が広がるようになる。地図にも「南アルプス屈指の大木の森」と記されているが、この森の林相の壮麗な雰囲気は筆舌に尽くし難い。
小さな峠を過ぎたところでヘルメットを被り下から登って来られる少し年配の男性がおられる。「他にも登山者は登っていますか?」と聞かれるので「勿論、大勢の方とすれ違いましたよ、ただ大分上のあたりでの話ですが・・・」「他の登山者を見かけないので、この山に登っている人はいないのかと思っていた」(そんな筈はない、なんか変だ・・・)「どちらまで行かれるんですか?」「農鳥小屋まで」
丁度、私の直後に農鳥小屋でテン泊された若い男性が歩いておられたのだが、二人で唖然として顔を見合わせた。今の時間から農鳥小屋まで行こうとすると普通の人でも日没後になるだろう。ましてや目の前で苦しそうにストックをついて歩いている男性の状況では・・・若い男性はすかさず適切なアドバイスされる。「大門沢の小屋の人にご相談された方がいいですよ」
農鳥小屋の親爺さんの落雷が落ちるどころの騒ぎではない。もっと悪い事態もあり得るだろう。若い男性曰く「大門沢の小屋の方のアドバイスを聞き入れて、農鳥小屋を諦めてくれるといいんですけどね」。ちなみに彼は明らかにかなり健脚の足取りではあるが、奈良田を朝の4時前に出発して農鳥小屋に13時に到着されたそうだ。
その後もしばらくは美しい樹林の中を進むが、やがては標高が低くなると大門沢の沢沿いに斜面をトラバースするようになる。登山道ももうすぐ終わろうかといところで小古森沢を渡渉することになるのだが、なんとここで濡れた岩の上で足を滑らせて渡渉を失敗する。途端にバキッという大きな音がする。気がつくとトレッキング・ポールの先端部分が欠失していた。
この事態が生じたのがこの日で何よりだった。私のテントはトレッキング・ポールを使って立てるワンポール・テントなので一本しか持っていないポールがないとテントが立てられなくなる。それから普段はポケットに入れているスマホのバッテリーがなくなったので充電のためにザックの天蓋に入れておいたのも不幸中の幸だった。古いタイプのスマホなので防水性がないのだ。
吊橋を渡り、先に進むと今度は真新しく建設された大きな橋が現れる。橋に設けられたフェンスには穴が空いており、人が通ることが出来る。果たして通っていいものかどうなのかよくわからなかったが、すでに渡渉の失敗で靴の中がずぶ濡れになった状態なので渡渉を心配する必要はない。河原に降りて渡渉をする。今度は足を濡らすことはなかったが。
最後は数kmの長い林道を歩くことになる。早川の川ベりは深い渓谷のせいだろうか、標高は800mほどではあるが、高原にいるような涼しい風が吹いていて、なんとも涼しかった。温泉に到着したのは13時過ぎ。バスの時間までに奈良田温泉で入浴をする時間をなんとか得ることが出来た。
お土産にその名も「奈良田」というそば焼酎と生芋蒟蒻を入手してバスに乗り込むと、行きのバスでご一緒だった関西から女性三人組と再びご一緒となる。周辺の山を見上げると山の上は厚い雲に覆われていた。稜線上は雷雨になっていなければ良いのだが・・・ふと先ほどすれ違った年配の男性のことが脳裏をよぎる。
身延駅から特急列車が静岡に出ると上空には青空が広がっていた。雲上のトレイルと南アルプスの美林を堪能し、静寂の尾根とお遭いした登山者の方々との話を楽しむことが出来た三日間であった。
ところで北岳から農鳥岳への白峰三山を少年時代に家族で訪れたのは今から42年前のこと。大樺沢の雪渓、北岳山荘の景色、大門沢の下降点の黄色い三角ポールは不思議とつい少し前の記憶のように鮮明に覚えている。そしてバスから眺めた奈良田の湖も遠い自分の記憶にあったものと同じだった。これらの山に魅力を感じるのは既に失われたしまった遠い過去の記憶が自分を呼び寄せるのかもしれない
コースの状況、来週の山行の参考にさせていただきます。とはいえ、膝に違和感があり、もう少し様子見して行くか決めますが😅
広河原から熊ノ平は昨年の自分の山行のコースタイムを把握していたので、小太郎山への2時間の往復を割愛すればいいと思っておりました。
少しでもm-kitさんのお役に立てる情報があると幸甚です。
最近、八ヶ岳やアルプスにも行かれてますね。今回のコースもなかなか良いコースですが、この界隈、最近クマ出没してます。naotooさんもクマに遭遇して突進されてますので、行動パターンからヤマネコさんが遭遇した個体と同じ個体の様な気がします。自分の対策ですが、林道や沢沿いで鈴の音が消えてしまう場所では、ホイッスルがかなり効果あると感じてます。最近は結構多用してますよ。
コメントそれからnaotooさんのレコのご紹介有難うございます。私の場合、まだ50mほどの距離があって良かったと思います。naotooさんが遭遇した大門沢とはかなり離れているかと思いますが、行動パターンは似ているのかもしれませんね。
今回は慌てて出発したこともあり、熊鈴を携行しなかったのは大きな失敗でした。ホイッスルは用意するようにしたいと思いますが、遭遇してしまった状況でもホイッスルは有効なのでしょうか?
ホイッスルは遭遇時は無効だと思います(;^_^A。
先の見えない曲がり角の手前や沢沿いの先が見えない道などで吹いてます。
自分はかなり頻繁に使ってますよ。
https://funq.jp/peaks/article/630836/
https://www.aandfstore.com/store/commodity/0/12260003
自分が使っているのは、これのオレンジです。北海道用に購入しました。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/pwr3121/fox40-whistle-classic-black.html?__ysp=44Ob44Kk44OD44K544OrIDExNWRibCBmb3g%3D
クマ鈴も色々調べましたが、80g以上の釣り鐘型が100m位音が届いて良さそうです。
逆に軽いものは、個人的な結論としては、持っていても効果が低いと思っています。
ですが、良いクマ鈴はかなり高いです。
https://brass1.net/index.html
コスパが一番良いのは冒険倶楽部のものです。ホームセンターにも売ってます。
https://www.amazon.co.jp/%E5%86%92%E9%99%BA%E5%80%B6%E6%A5%BD%E9%83%A8-BOHKEN-CLUB-%E5%B1%B1%E8%8F%9C%E5%8F%96%E3%82%8A%E3%83%BB%E5%B1%B1%E6%AD%A9%E3%81%8D%E7%94%A8-%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%8A%E4%BB%98/dp/B0017M9Q96/ref=sr_1_8?adgrpid=126722058454&hvadid=549834017022&hvdev=c&hvqmt=b&hvtargid=kwd-826804673663&hydadcr=11015_11257327&jp-ad-ap=0&keywords=%E8%83%BD%E4%BD%9C+%E7%86%8A%E9%88%B4&qid=1658902145&sr=8-8
カウベルなどは大きくて綺麗で軽く見た目も良いですが、音が低音のため山では距離が届きません。
それと、複数の鈴をつけておくと、クマも複数人が来ているように勘違いをして遭遇率が下がるような気がしています。
3人以上のチームでクマに遭遇ということは殆ど聞いたことありませんので、そんな気がしています。
北海道の大雪山などでトレラン縦走されている方は、複数種類、何個も大音量の鈴をつけている方を見かけました。
相当に遠くから複数人が近づいている感じがしましたが、1人でした。
そういった工夫もヒントになりますね。
greenriverさんの山道具情報や備忘録は纏めたら本が出来るんじゃないか・・・と思います。
大門沢向かう途中でお話しさせていただきました若い男性(実は若くない)です😅
その場でお話いろいろ伺ってましたが、圧巻のレコですね!😮
熊、思いのほか鮮明に写っていてビックリでした🐻
そして…最後、同じ場所で滑ってずぶ濡れになりました(苦笑)
自分のレコは完成までもう少し掛かりそうですが、次の山行前には公開できるよう頑張ります…💦
それにしても大分、お若く見受けられました。
軽量化のためもあって、私のカメラは17mmの単焦点レンズしかつけておりませんでしたが、熊と遭遇した瞬間、望遠レンズを付けてこなかったことを非常に後悔しました。それでも、このカメラはカメラ側で2倍のデジタル・ズーム機能があるので、それをトリミングした画像です。
レコがアップされるのを心待ちにしております。特に笹山からの朝の写真を是非とも宜しくお願いします。
yamaneko0922さんは自分たちよりもずっと大きな荷物を背負っていたのに、記録を見ればめちゃめちゃ速く歩かれてますね!自分は南ア南部くらいしか行ったことがないのでこのような縦走に憧れがあります。
とても楽しくレポートを読ませていただきました。
ありがとうございました。
登場人物にコメントを頂けるのは嬉しい限りです。
私はシュラフマットを外付けにしていたので、荷物が大きく見えたかと思いますが、ザックはdeuterのLITE32なので、少なくともtotal の量は皆さんとさほど変わらないかと思います。
改めてareaさん達のレコを拝見致しましたが、蝙蝠〜二軒小屋のコースタイムはほど同等ではないでしょうか(分単位まではみておりませんが
それよりも、その荷物で東俣林道を走られる・・・ということが驚きであり、脱帽です。二軒小屋で空を仰ぎながら、このまま東俣林道を降って白樺荘に泊まりに行きたいけど、夕食に間に合わないよなぁ〜などと考えておりました。
私は樹林が好きで、特に南アルプス南部の苔むした深い森が最も好きなところです。安倍奥や深南部にはこれからも足繁く訪れようと思っていますので、またお目にかかれる機会があることを願っております。
美しい円錐形状の蝙蝠岳は、見る人を強く引き付ける魅力があると思っており、自分もそのひとりだったりします。ヤマネコさんのように白峰三山を絡めた周回も素晴らしいですし、自分は三伏峠や悪沢岳を経由する周回にいつかTryしてみたいなと思っていたところです。モチベーションの上がるレコを読ませていただきました。
笹山~大籠岳~広河内岳も気になっているのですが、クマさんに気を付けようととても思いました^^
実は今年のお盆(8/11〜15)はまさにその周回をするつもりでおりました。三伏峠から入って蝙蝠、荒川小屋でのテン泊、あるいはその逆周回です。蝙蝠は実に素晴らしいところで、来年以降にこの周回で蝙蝠を再訪したいと思っています。
今回、広河原から入ったのはあまり深く考えずに甲府行きの夜行バスを押さえてしまった生でもありました。松川から鳥倉林道バスに乗って三伏峠に泊まっても、塩見から先は今回のルートを辿る山行が出来たことに後で思い至りました。
zzzinさんのご趣味であれば(私の趣味と近いと思っているので
大門沢小屋でお会いした者です。詳細なレコ参考にさせて頂きます!
ますます蝙蝠岳行きたいけど、どういうルートで行こうか迷うばかりです。せっかくなら山頂で泊まりたいところ。そして伝付の崩落地はなかなかの崩れ方ですね。
それにしても、、熊に遭っていたとは。他人事じゃないなと思いました。
大門沢小屋からの下りではバスの前に温泉に入る時間を気にして急いでしまいましたが、お二人とのしばしの山談義は楽しいひと時でした。
お二人のレコがあがるのを楽しみにしておりました。二人とも涼しい顔をして歩いておられましたが、それにしても、9Lの水を担ぎ上げられたとは驚きです。私は今回はペットボトル二つのみで反省です💦
蝙蝠岳は確かに思案しどころですね。山中でもお話ししたかもしれませんが、塩見〜蝙蝠の間の稜線はそのたおやかさにかけては南アルプス随一では・・・そういえば鳳凰三山があったかも
二軒小屋から上がった場合、森林限界の上に出た最初のピーク、四郎作の頭でテントを張るという方法もあります(コメントを下さったareaさんがここでテントを張られてようです・・・areaさんの山行はとんでもないルートなので参考にならないと思いますが
是非、chonnosukeさんとご一緒にいらして下さい。でも、くれぐれも熊にはお気をつけて・・・お二人で楽しそうにお話ししながら歩けば大丈夫かと思いますが
お二人のレコが上がるのを気長に楽しみにしております。
レコに時間がかかると聞いていたのにこれだけのレコを数日であげて、それも小説を読んでるのかと錯覚するほどの内容に驚いています。ワクワクと拝読いたしました。
またレコに登場できて嬉しい限りです😊
蝙蝠岳の稜線の縦走を、できたら今すぐでも行きたくなりました。
私がその姿を見れなかった塩見岳をしっかり捉えていたなと羨ましく思いました。
何よりあれだけの距離の移動をやってのける体力作りはランニングでしょうか?そこも興味津々です〜
こちらこそ登場人物からコメントを頂けると嬉しいものです。
翌日、体調を崩しながらも熊ノ平小屋から北沢峠までサクッと歩かれて、北沢峠で出遭った人達はさぞかしびっくり仰天されたことでしょう。
蝙蝠岳・・・是非、新しいテントでいらして下さい。
仙塩尾根から眺める塩見岳と蝙蝠から眺めるその姿は印象が異なるのですが、それは蝙蝠尾根のたおやかさのせいではないかと思うところです。
体力作り・・・ここしばらく膝を痛めていたこともあってトレランもサボっているのですが、登山に必要なことは体力を鍛えることよりもいかに体力を使わずに登るか・・・ということなのではないかと思います。ちなみに膝は山行の直前まで消炎鎮痛剤を毎日塗っていたのですが、山行後はいつしか快復しておりました。
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