北岳〜間ノ岳〜農鳥岳
山梨県
静岡県
apukashi
その他3人 - GPS
- 56:00
- 距離
- 23.9km
- 登り
- 2,490m
- 下り
- 3,166m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 9:50
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 10:15
- 山行
- 3:15
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 3:45
| 天候 | 1日目：雨のち曇り、2日目：晴れ時々曇り、3日目：晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2016年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
【帰り】奈良田（早川町乗合バス）→身延（JR身延線）→富士（JR東海道線）→三島（JR新幹線）→品川 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
大門沢下降点から奈良田までの下りが厳しい。標高差は約2000m。岩や木の根が露出した急坂、滑落注意のへつり、原始的な丸太の橋、崖のような沢の斜面のジグザグ下降、揺れる高い吊橋など気を付けなければならない箇所が多い。時間にゆとりをもって慎重に下りたい。 |
| その他周辺情報 | 【温泉】奈良田の里温泉・女帝の湯 檜の湯舟にぬめりのあるお湯。入浴後は縁側のある畳敷きの休憩室（￥1,500／入浴料込）でビールを飲み、お昼を食べ、ごろ寝をしてバスの時刻までまったりと山旅の疲れを癒した。 |
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感想
【0日目】
新千歳発午前8時。東京は雨だったが、甲府は薄曇り。そこから約2時間、南アルプス林道をバスに揺られ、この日は広河原泊まり。
平日でもあり、広河原山荘は比較的空いていた（基本的に詰め込みはしないそうだが）。
寝床を確かめた後、川原に面した山荘前のベンチで、翌日からの山旅の幸運を祈って生ビールで乾杯。久しぶりに再会した仲間もいて話は盛り上がり、甲府で仕入れた甲州ワインも持参したワインもここで空けてしまった。
【1日目】
朝から小雨が降り、今後二、三日は曇りまたは雨という予報。山荘のスタッフに前日まではよかったと聞かされ、テンションは下がりがち。
スタート後2時間ほどで雨はやみ、時折り薄日が差したり、部分的に雲が切れて青空が見えることもあったが、ついに視界は開けなかった。
バットレスを目の当りに見たくて左俣コースを選んだのだが、その迫力に触れることはできなかった。
当然、北岳山頂も眺望はゼロ。ただ、無風で気温も低くなかったので、しばしとどまって登頂の感慨にひたることはできた。
大樺沢二俣から八本歯のコルまでは思いのほか長かった。いくつハシゴを登れば着くのかと思った。八本歯のコルから吊尾根分岐までの登りもきつかった。しかし、花の多さは聞きしに勝るもので、展望が得られなかった分、足もとの北岳を楽しんだかもしれない。
【2日目】
予報は曇り。小屋を出るまで、ガスがあたりを包んでいた。しかし、歩き始めて数分後、振り向くと北岳を覆っていたガスが切れていた。仙丈ヶ岳が雲海に浮かび上がり、甲斐駒ヶ岳も姿を現した。そして、青空が広がった。視程も良好で、八ヶ岳、奥秩父、北アルプス、中央アルプス、遠くは白山まで鮮明に認めることができた。
農鳥小屋の前では、噂どおり小屋の主がドラム缶に腰掛けて、やってくる登山者を双眼鏡でウォッチしていた。
「今日はオホーツク海の高気圧が弱くなって天気が回復した。その石垣から向こうは梅雨が明けているが、こっちはまだだ」、「大門沢小屋まで6時間はかかるのに、12時を過ぎてここを通る馬鹿者がおる。午後になると疲れが出て事故が起きやすい」、「あんたら小屋泊まりなのにザックがデカいな。まあ、必要なものは持つにこしたことはないからな」など、5分ほどの間にずいぶんたくさんのことを話してくれた。
こうして、ある意味、この山行最大の難関かと思われた農鳥小屋をクリアした。
大門沢下降点から大門沢小屋までの標高差はマイナス1065m。岩や木の根が露出した急坂、滑落しそうな斜面をへつる狭い道、いくつかの沢にはロープを頼りに渡る原始的な丸太の橋など気を抜けない箇所が連続し、この日一番汗をかいた。
【3日目】
この日は奈良田まで下るだけ。少し遅めに小屋を出た。930mの下りは、大岩が積み重なる川原、路面をさらさら水が流れる道、イタヤカエデなど広葉樹が茂る公園のような場所、かと思えば崖のような沢の急斜面のジグザグ下降、バランスが求められる丸太の橋、揺れる高い吊橋、巨大な砂防ダムなど変化に富み、楽しめるが慎重さも求められた。
奈良田の里温泉は、先に下山した人たちでにぎわっていた。広河原から私たちとほほ同じ行程を歩いてきた栃木県立大田原高校の面々もいて、脱衣場では2キロ減った、3キロ減ったと体重を計りあっていた。テン泊縦走の夏山合宿は、若い彼らにもそれなりにヘビーなものだったようだ。
私たちも風呂で4日間のあかを洗い落とし、縁側のある風通しのよい畳敷きの休憩室で生ビールを飲み、昼食をとり、ごろ寝をしながら、バスが出る時刻まで思い思いにのんびりと最後の時間を過ごした。
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