親不知から後立山連峰

- GPS
- 44:41
- 距離
- 70.1km
- 登り
- 6,905m
- 下り
- 5,305m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 6:10
- 山行
- 12:08
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 12:31
- 山行
- 4:12
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 4:16
- 山行
- 8:21
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 9:33
- 山行
- 8:22
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 9:09
| 天候 | 晴れ、雨、嵐、ガス、晴天 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
険しい岩稜帯 |
写真
装備
| 個人装備 |
一人用テント
|
|---|---|
| 備考 | もう少し非常食。親不知海抜0mからの登りは暑かった。 |
感想
9日 地元をJR始発で出発。大阪ー敦賀ー金沢ー富山まで予定通りに到着。久しぶりの富山駅がおしゃれに変わってるのに驚き。「あいの風とやま鉄道」で泊駅まで行くはずが上下行き電車が同じホーム同じ時間ににあり、乗り間違う。終点高岡まで行って駅員さんに確かめると完全に反対方向に来てる。両方向分費用払ってくださいと言われ、それよりも俺は一時間ロスした方が頭がつらい。予定より一時間遅れ13:00親不知駅着。栂海新道登山口まで徒歩1時間。今回は海から始める時間の余裕なし。
海抜20mからのスタート。聞いてた通りめちゃくちゃ熱い。朝玄関に忘れてきた塩飴が恋しい。猛暑の中少し熱中症気味で登る。朝日小屋から降りてきた人とすれ違う。「明日から天気が崩れる予報だから今日頑張って親不知まで下りる」と言う。何時に出たんやろう?夜7時白鳥小屋着。屋上で見る空には満月。貸し切りと思いきや21:30過ぎに蓮華温泉から早歩きで来たと言う若者2名到着。彼らには2階を使ってもらい、俺は早々に着床。何度も真夜中に扉が開き人の気配がする。夜中から上がってきた人たちがいたようだ。
10日 朝から雨。若者2名と同時刻くらいにお互い逆方向へ出発。今日は長い行動になりそう。栂海山荘まで3時間半。足元も悪いし。この時点でバテバテ。山荘で15分休憩すると意識を失う。9年前に来た時の記憶まるでなし。(前は天狗山荘からここまで夜中に到着した)長い道程、朝日岳手前の吹上のコルにやっとたどり着く。ジグの登り道は強風が背中を押してくれてる。山頂から小屋までの下りがまた長い。やっと朝日小屋に18:30到着。宿のおばちゃんと富山山岳警備隊のお兄ちゃんにぼろ糞に小言を言われる。明日の出発時間云々聞かれてこういうことを続ける登山者は北アルプス中に通知して要注意人物としますって言われた(アッチャ〜)。もう明日は疲れてるやろうし天気も悪いから停滞しなさいと勧められる。俺も12時間行動の疲労も激しく誘惑に勝てず、翌日は停滞決定。20:15消灯。バタンキュー。
11日 6時起床。暴風雨。ゆっくり朝食つくり、ごそごそと時間をつぶす。客は今のところ40日間かけて北アルプス縦走するという女子大学生と俺の2人のみ。午後にもう一人神戸ファインTで働くと言う女の子が来た。することないから昼からビール、ワイン飲んで食堂の本読んでばかり。娯楽室もなし。大部屋に一人なので1日中ゴロゴロする。明日は絶対に出ようと決める。小屋の夕食は夕方4時から。中華そば(替え玉有)、ご飯も御代わり自由、昆布締めの魚。栂海新道の創始者小野健氏の大好きやったって言うお菓子など副食もたくさんありのごちそう。明日の行動のこと考え腹12分目食べる。夜は6時には就寝。明日の朝食がわりにくるみ寿司、ヴィダーインゼリーを2個づつ買いこむ。明日は4時出発で進むと警備隊の人に告げる。女子大生はもう一日停滞するとのこと(本当はこれが正解やった)20:15消灯。
12日 3時起床。4時出発。神戸の娘が起きてきて同じく天狗山荘まで今日は行くと言う。「お互い無事なら、山荘でまた会いましょう」と告げ出発する。外はガスガス、暗闇の中ヘッデンの明かりで水平道を進む。4:45くらいに明るくなる。雨も小降りに。登山道は川、急な斜面は滝状態。この時水はそんなにいらんやろうと高をくくってた。途中高山植物も出てきて景色がすごくいい場所あり。ところが警備隊の人に雪倉の稜線が危ないと聞いていたけど、想像を絶した。雪倉山手前から暴風雨、大嵐に。山頂辺りは立つこともままならず。生まれてあそこまでの強風には出会ったことがない。40〜50mはありそうな。吹き飛ばされること数度。本当に死の恐怖を感じた。眼下に避難小屋を見つけ何とか逃げ込む。もう一人後から来るってた娘がなかなか来ない。1時間遅れで必死で降りてくるのが見えた。やっと来ましたね。と2人で安堵する。避難小屋が吹き飛んでしまわないかともいう様な風。様子見て再出発しようかとも考えてたけど完全にぐっしょぐしょの服着替えてもう再度停滞モード。強風も1日中吹き荒れる。外出は不可能。あ~~こんな事なっらもっと水汲んどくんやった。2人で喰っちゃ寝で停滞。
13日 視界は悪いが天気は回復。4:45二人で出発。雪渓の下から流れ出る天水を発見。2人でむさぼり飲む。雷鳥の団体がうろうろ。もう天気は良くしてくれよ。
7:00白馬山頂、15分白馬山荘到着。甘いもの食べて小休止。今日は天狗山荘より足伸ばして唐松山頂避難小屋まで行こうと決める。天狗山荘10:30着。看板に「この先難所あり、11時以降の出発は考え直してください」とか書いてある。まあギリギリ行けるやろう。少し緊張する(あんまりしないか?)鎖場の不帰の嶮(北峰、南1峰、2峰)を越え14:00に唐松岳山頂に登頂。そこからガスの中、目の前に現れた山頂小屋到着。天場も満員みたいやし、僕は宿泊を選択。女の子とはここで別れる。当初の計画は停滞のせいでぼろぼろ。小屋の女性スタッフも予約の変更で電話に対応しっぱなし。1年で一番の書入れ時だと言うのに悪天のせいで大変です。予約なしの宿泊超過金もとられ1泊2食付き¥15,000.本日御宿の宿泊客は150人。予約なしの宿泊3名は4時まで食堂で待たされる。食事つきの屋根のある営業小屋に泊まるのはめちゃ楽。食事のあとは連日の疲れですぐにふとんに入る。のはずが小屋泊りの一番悪いパターンになりお隣の布団の人のいびきで全然眠れずでした。
14日 朝ごはんに並んでると前の女性が宿のスタッフに「あなたに捜索願が出されています」って言われてる。予定の下山日を過ぎているので母親が心配して届出したらしい。恥ずかしそうに富山県警と喋ってるのをみんなが聞いてる。でも他人事じゃない。山は電波は入らないし全て自己責任やもんな。俺なんて誰も心配してくれんけど。今日は五竜、八ツ峰、鹿島槍も越えて種池山荘まで行けたらいいな、と考える。五竜を越えるところに「ここから先は峻険な岩峰、上級者向け」って言う看板が上がってる。「上級者」って誰が決めるの?過去の怖い思い出があるキレット小屋に昼前に到着。真っ黒だった小屋の屋根が赤色に変わり印象が変わってる。小屋の人に聞くと3年前に塗り替えましたとのこと。良いじゃないですか。小屋でおはぎを買い、前に進む。今日はすれ違う人も出てきた。さすがメインルート。反対から来る人に鹿島槍南峰にクマの親子がいますと言われる。みんな鈴付けてガランガラン鳴らしてるんやけど熊は気にもせず山頂から動かないらしい。僕が通り過ぎる時にはいなかったけど夜隣の人が山頂で弁当拡げたら熊に取られたって言ってた。正直みんなが熊がおるって言ってるのにそんなところで弁当拡げるのはあかんでしょう。熊に人がいるところにはエサがあると思わせて寄ってくるよ。その人は散乱させられた荷物を、あとで取りに戻ったそうです。こわー。無事でよかった。布引山を越えて冷池山荘のテン場到着。天場はもうかなりのテントでいっぱい。熊に注意の看板にビビり、小屋まで下りる。小屋とテン場の距離もあるし、老人は小屋泊で良しとする。また予約なしの追加金とられて2食付き¥16000.ここも小屋は満杯。大部屋11畳に8人。更衣室で着替えての順番待ち。並んでる男の子に同性やから広い更衣室一緒でいいやろうと了解を強要する。もちろん異議なし。(多分)後ろまだ女性一杯待ってるから。中に入るとすごい良い匂い。男の子曰くこれはウェットシートの匂いだとのこと。俺みたいに悪臭漂わせながら歩く男には次回は必須です。ビールたらふく飲んで、お替り自由のご飯と味噌汁を山盛りいただき消灯待たず7時には大半の人とともに就寝。なのにまたもや隣の人のいびきに悩まさせられる。ええ加減にせえよと言いたい。(でもそういう自分も疲れて搔いてるかも)。
15日 初めての黎明。東方面展望台からのきれいな朝焼け。中央アルプス、富士山まで見える。大半の人たちは昨夜用意してもらった弁当持って早くに出発したようだ。昨日の時点での今日の天気予報は良くなさそうだったし、膝も痛くなってきてるし後半はあきらめ扇沢に下ることにした。爺ヶ岳越えて種池山荘で土産買って柏原新道を下る。この日は予報に反して好天に変わりお盆後半の週末、手軽に扇沢駐車場に車停めて登ってくる登山者多数とすれ違う。7日目の俺としては今年の後立山連峰はもう堪能した感じです。10:00扇沢着。バスターミナルのトイレで行動着(匂い満点の)からただ一つの着替えに替える。帰りは南回り、信濃大町ー松本ー名古屋経由。「今回はもうこのくらいにしといたろう」という気分です。来年は行きそびれた後半部分を踏破するとしよう。
Man of Justice



















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